夏のボーナスの支給額は2008年以降、横ばいまたはやや減少傾向だったが、3年ぶりに前年比で上昇しそうだ。
現在働いている人に、夏のボーナス支給見込み額を聞いたところ、昨年より3.2%増の54万2000円であることが、カカクコムの調査で分かった。ただ夏のボーナスは2010年10月から2011年3月までの業績によるもので、3月に発生した東日本大震災の影響はあまり反映されていない。「全体的に上昇に転じた業種が多いが、冬のボーナスでは震災の影響が色濃く出ることが予想される」(カカクコム)と分析した。
男女別にみると、男性の平均は55万5000円に対し、女性は39万5000円。年代別では20代が33万9000円(前年比3.7%増)、30代が44万3000円(同0.0%)、40代が58万4000円(同0.2%増)、50代が64万4000円(同1.1%増)という結果に。
(出典:カカクコム)
業種別にみると「卸売・小売業」(前年比5.4%増)、「サービス業」(同4.5%増)、「製造業」(同4.2%増)は好調。一方、前年比でマイナスだったのは「金融業」(同9.6%減)、「公益法人・財団法人」(同4.2%減)、「国家・地方公務員」(同2.7%減)だった。金融業の減少率は高いが、昨年夏に12.7%上げたので「通常通りに揺り戻したと見た方がいいだろう」(カカクコム)
(出典:カカクコム)
全体的に夏のボーナスは増加傾向にあるが、自由に使えるお金は「減っている」と答えた人が半数を超えた。20〜30代は「増えている」と答えた人が多かったが、40〜50代では5〜6割が「減っている」と回答した。
インターネットによる調査で、現在働いている男女8709人が回答した。調査期間は5月10日から16日まで。
6月といえば夏のボーナスですね。民間企業は6月10日、公務員は6月末が支給日というケースが多いようですが、読者のみなさまの場合はいかがでしょうか?
今回は震災の影響も懸念されるところではありますが、上記アンケート調査によれば全体としては昨年より少し増えるようですね。昨年の平均が52万5千円に対して、今年の平均は54万2千円。その差額は1万7千円。金額はともかく1円でも増えるのであればありがたいことであります・・・。
もしかすると、「私はそんなにもらっていない!」と感じる人も多いかもしれませんが、全体の平均を押し上げているのは40代(58万4千円)と50代(64万4千円)で、それ以外の世代の方は当然この平均より少ないはずですね。30代の平均は44万3千円ですから、全体の平均からは10万円近い差があります。
また女性と男性とでも差が大きいですね。16万円の開きがあります。一般的には男性の方が残業も含めた実質的な勤務時間は長いと思いますので、時給に換算すれば、実はそれほど差はないかもしれませんが、男性諸君はぜひ、稼ぎに見合った仕事をがんばっていただきたいものです。
業種別に見れば最も高いのが金融で何と78万3千円!ただし昨年の平均からは約8万円、つまり1割減少していますね。全般的には金融機関の業績は回復基調だと思っていましたが・・・これはなぜでしょうか?記事では「昨年からの揺れ戻し」ということですが、そんなに簡単に減るものなのですかね。
そして次に多いのが意外に公務員で63万5千円と、全体の平均を大きく上回っております。公務員といえばどちらかと言うと、「安定しているけれど給料が低い」というイメージがありますが、それは大都市に限った話なのかもしれませんね。地方などではむしろ公務員の方が給料が高いケースが多いのかもしれません。「安定していて給料が高い」なら・・・みんな、公務員を目指しそうですね。
火の車の財政事情を背景に、増税議論が盛んになされていますが、その前に公務員の給料にも手をつけないと、国民としては納得できないのかもしれません。
もちろん給料が減ればそれだけ消費も減るわけで、本当にそれが全体としてプラスなのかどうかは検討する必要があるでしょうけれど・・・お金は天下の回り物ですからね。
さて気になるのがそのボーナスの使い道ですが、上記記事には出ていませんでしたので、元データを確認するとこういうことのようです。
金額として最も多いのはローン返済で18万6千円。身につまされますね・・・。次に多いのが貯金・・・ではなく海外旅行ですね。なんと。こちらが17万7千円。その次が貯金で16万3千円、さらにその次が意外に金融商品への投資で15万8千円ということになっております。
ただ人数の割合で見れば海外旅行も投資も少数派で1割を切っております。大多数はやはり「買い物」と「貯蓄」ですね。いずれも70%以上の人が選択しております。昨年と比較すれば、「買い物」の金額が減り、「貯金」の金額が増える、というこれまた身につまされる傾向となっています。
震災の影響も考えれば、消費者のマインドも保守的になるのもやむをえないのかもしれませんが・・・。
また今回の夏のボーナスはほとんどの場合、3月までの業績・実績に連動していて、震災の影響が大きい4月以降の業績・実績は、今年の冬のボーナス以降に反映されてくるのではないでしょうか。だとすれば、今後、ボーナスが減ることに備えて貯金しておこう、と思っても不思議ではありませんね。
景気のことや、震災からの復興を考えれば、積極的に消費をした方がいいわけですが、今後の自分自身のキャッシュフローのことを考えれば支出は減らしたいと思うのも自然なことであり・・・間をとって「昨年と同じくらいの消費をする」というのが一番バランスのいいお金の使い道、ということになるのかもしれません。
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