10年満期 利率見直しで有利
低金利下で低迷していた個人向け国債の人気が復調しつつある。10年満期の商品について利率の計算方式が見直され、比較的高い利率が適用されるようになった点が大きい。9月末まで募集中のものも売れ行き好調という。
個人向け国債は、満期が3年、5年、10年の3種類ある。3年と5年満期は期間中の利率が変わらない固定金利型、10年満期は半年ごとに利率を見直す変動金利型だ。3年満期は毎月、5年と10年満期は3か月に1度発行される。
10年満期の適用利率は機関投資家などを中心に売買される「10年固定利付国債」の入札結果を基にした基準金利から0・8を差し引いて求めていた。それを財務省は、今年7月発行分から「基準金利×0・66」という計算式に変更した。基準金利が2・33%以下なら新方式が有利となる。
7月分の基準金利は1・17%で、10年満期の利率は年0・77%に。従来の計算式では0・37%なので、新方式で2倍以上になった。同月分の5年満期(0・41%)、3年満期(0・20%)よりも高利だった。
野村証券では、7月発行分の売り上げが、前回(4月発行分)の数倍になった。「4月分までは、個人向け国債の売り上げ全体に占める10年満期の割合は1〜2割程度。それが7月分は、全体の6割強を10年満期が占めた」と同社。
国全体でも、7月分の10年満期の発行額は2319億円と、4月分の18倍(財務省まとめ)。
10月発行分の個人向け国債は、9月30日まで募集中。利率は10年満期が年0・72%、5年満期が0・32%、3年満期が0・17%。「依然、人気は高い」(野村証券)という。
ファイナンシャルプランナーの目黒政明さんは「10年満期は変動金利型のため、利率が今後下がるリスクはある。ただ、大手銀行の10年満期の定期預金の金利は年0・2%程度。個人向け国債がまずは有利と言える」と話す。さらに、必ずしも満期の10年間保有する必要はないと指摘する。
10年満期は、発行から1年以上経過すると中途換金できる。その際、元本は確保されるが、直近の手取り利息2回分相当額が差し引かれる。利息は半年に1度支払われるので、利息2回分とは1年分の利息の合計と同じだ。つまり、中途換金すれば直近1年分の利息はゼロとなる。
「それでも、他の商品より有利なことが多い」と目黒さん。例えば、10年満期を3年で中途換金したとする。利率が3年間ずっと年0・72%のままとすると、最後の1年の利息がゼロでも、実質の年平均利率は0・48%となる。3年満期の利率の2・8倍だ。同様に5年で中途換金した場合でも、5年満期の利率を上回る。目黒さんは「2〜3年使う予定のないお金があるなら、とりあえず10年満期を買っておいて損はない」と勧める。
個人向け国債は安全性の高い商品だ。ただし、日本国自体の信用が悪化すれば、元本や利息の支払いが不能となるリスクはある。
当サイトでもそれなりにオススメしている、秋の個人向け国債の「10年変動金利タイプ」ですが、上記記事によればやはり人気があるようですね。
前回6月に募集された夏の個人向け国債から、「10年変動金利タイプ」の金利決定ルールが見直され、大幅に金利が引き上げられたわけですが、その発行額は全体で2,319億円となり、そのまた前回の3月募集分から実に18倍も増えたとのことです。
今まであまりに売れていなかったことの反動もあるとは思いますが・・・。
そして今月の秋の個人向け国債についても、野村證券氏曰く、「依然、人気は高い」とのことであります。運用難ですから、理解できる気がしますね。今回の「10年変動金利タイプ」の金利は0.72%で、メガバンクの10年もの定期の金利は0.2%程度ですから、そこと比較すればかなりの高金利ですね。
メガバンクの金利が低すぎるということでもあるのですが。
加えて、上記記事ではこの「10年変動金利タイプ」の利便性にも触れていて、1年経てば少ないペナルティでいつでも解約できるメリットを指摘しています。
たとえば3年後に解約した場合、利率が3年間ずっと今の0.72%と仮定すると、ペナルティを払っても、トータルでは0.48%の高金利とのことです。これはなかなかですね。
仮に5年後に解約した場合であれば、トータルでは約0.58%ですね。ネット銀行の定期預金と比較しても相応の高金利です!
秋の個人向け国債は9月30日まで。今回、間に合わない方は12月に募集される冬の個人向け国債を検討されてはいかがでしょうか。
なおマネックス証券や楽天証券で個人向け国債を購入すると、さらにポイントバックされ利回りが向上します。参考にしてみてください。
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