千葉県の郊外、2010年に建てたこだわりの一軒家。家の外には車やバイクもある。「“心の豊かさ”に対する出費はケチりたくない」と言うケンチャナヨさんに対し、「ないおカネ(ローン)でぜいたくしていることを忘れないで」(後田さん)、「ずっと赤字というのは、もし会社だったらおカネが回らなくなって倒産ですよ」(平林さん)と、容赦ない指摘が続いた。
すると、開き直り気味にも見えた本人の様子が少しずつ変化。後田さんの「住宅ローンの繰り上げ返済で返済総額を圧縮できる」との話には特に興味を持っていたようだ。
ケンチャナヨさんの家計支出の内訳。子供3人の各種習い事、夫婦のスポーツジム代などの「趣味・娯楽」、家電など「生活用品」の費用が家計を圧迫。まずはこれらのぜいたく支出をどう抑えるかが問題
■赤字脱出へのアドバイス
[花輪さん]カードをいったん封印して
ケンチャナヨさんはクレジットカードを10枚くらい持っているとのこと。家電などの衝動買いを防ぐには、カードを使わないのが一番。現金で買おうと思うと、出費の痛みを伴うはず。買うときには、本当に必要なものかどうかを見極めましょう。
[後田さん]住宅ローンの繰り上げ優先を
共働きで夫婦合わせれば年収800万円を超えていて、日々の支出にはお互いに無関心。ところが、住宅ローンの繰り上げ返済の話をしたところ、興味を持っていたようです。夫婦で意識を共有できる目標に据えてはどうでしょうか。
後日、改めて日経マネー誌の記者が訪問すると、ケンチャナヨさんの顔に少し「自信」が見えた。夫婦で話し合い、住宅ローンの繰り上げ返済に向けて貯金することを目標に決めたという。
掛けすぎた保険を解約する、習い事の数を減らす、など今のところ月4万5000円のカットに成功。「“もったいない”という発想ができた」と本人も驚いている。「子育ての方針や老後の暮らし、夫婦で大事な部分の話し合いができていないことが浪費の根源だったのでは」と平林さん。共働き夫婦の陥りがちなワナかもしれない。
■ここまで改善しました
保険:月2万円削減
まずは痛みを伴わない家計改善から着手。後田さんのアドバイスを受けて、掛け捨て型の医療保険を解約、貯蓄型の保険を減額した。学資保険は「強制的な貯蓄」と位置づけて、今のところ継続中という。
習い事:月2.5万円削減
次女が通っていた芸能プロダクションでのレッスン(月2万5000円)はやめさせることに。「なんでもやりたい、と興味を持つ子なので、おカネがかかる。本当に必要か見極めるのも親の役目ですね」(ケンチャナヨさん)。
先週も取り上げた日経マネー誌による「赤字から目指すお金がたまる家、無駄遣いを防ぐ工夫」特集。毎月の収支が赤字の家にお邪魔して、FPが家計リストラを指南する、という企画ですね。今回は2つ目の事例を取り上げたいと思います。
こちらのご家庭はまず、「ケンチャナヨ」という仮名の由来に思いを馳せてしまいますが、ケンさんとナヨさんの夫婦なのですかね?あるいは子どもがケンくん、チャくん、そしてナヨちゃんなのかもしれません。チャくんというのは微妙な名前でありますが・・・。
それはともかくこちらのご家庭の毎月の収支は以下の通りですね。
・毎月の手取り収入:52万円
・毎月の出費 :59万円
・差し引き :−7万円
ということで毎月7万円の赤字家計です。ボーナスが仮に4ヶ月分あるとすると、手取りでおよそ200万円ということになりますので、毎月の赤字を十分カバーできるものの、車やバイクを4〜5年に1回買い替え、年に1回、家族で海外旅行などに行っているとすれば、ほとんど貯金できない計算になります。
加えて、本文中には「年収800万円を超えていて」というくだりがあり、仮に年収が850万円とすると年間の手取りは概ね700万円前後ということになります。毎月の出費が59万円ということですから、12倍すると708万円ということで、全くもって余裕がない状態となりますね。
だとすれば、家族旅行も、車やバイクの買い替えも無理です。家計リストラの必要性は切実ですね。ご本人たちの危機意識は低そうですが・・・。
さらに奥さまの年齢からすると、子どもの教育費は今から徐々に増えてくるものと思われますので、今ほとんど貯金できない収支だとすれば、これから教育費が増えた分だけ家計が赤字になることは目に見えております。
そんなケンチャヨナ家の支出の内訳を見てみると、食費12万円というのもなかなかのものですが、赤い字で強調されている通り、
・趣味娯楽 : 8万3,000円
・生活用品 : 13万8,000円
・保険 : 5万1,000円
が目を惹きます。趣味娯楽で8万3,000円。子供3人の各種習い事、夫婦のスポーツジム代など、ということですがちょっとかかりすぎですよね?今後、これが教育費に変質していくにつれ、さらに出費がかさんでいくわけですから、見極めが必要です。
しかしそれ以上に意味不明なのは生活用品での13万8,000円の出費ですね。家電など、ということですが何をこんなに買うのでしょう!?毎月大画面テレビを購入してもこんなにかかりません。ここは相当メタボな部分ですね。
ちなみに先週取り上げた赤字家計の「はま〜さん」の家はこのような感じでした。
こちらの支出は毎月39万3,000円ということで、相応にメタボなわけですが、家計として重いのは単身赴任中の夫の小遣い10万円で、金額が妥当かどうかはともかくとして、ある程度、やむを得ない面があると思います。
一方、今回のケンチャヨナ家の場合は毎月の支出が59万円と、「はま〜さん」家を軽く凌駕し、まさに横綱級でありますが、見比べるとやはり上記の通り、「趣味娯楽」、「生活用品」、「保険」の3つが大きく支出を底上げしているのがよく分かります。
そんなケンチャヨナ家ですが、家計リストラの結果は以下のようになったとのことであります。
・保険月2万円削減:掛け捨て型の医療保険を解約、貯蓄型の保険を減額。
・習い事月2.5万円削減:次女が通っていた芸能プロダクションでのレッスン(月2万5000円)をやめさせた。
合計4.5万円の削減。もちろん、やらないよりはやった方がいいことは間違いありませんが、毎月の赤字7万円の解消には力不足ですし、本来真っ先に削ることが出来そうな、親の出費−ジム代や家電代、バイクの維持費などが手つかずなのはどういうことでしょう!?
3日坊主でもいいから、こういうところにも手をつけてほしかったですね。
ただこれだけメタボ家計ですから、必要が出てくればどんどん出費を削れる余裕がある、という点は救いかもしれません。
こういうなかなか出費を削れない姿こそが、「お金がたまらない家」のリアルなのかもしれませんね・・・。
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