現在の預金残高(2011年末時点で1兆2000億円)の4倍超で、ネット銀では住信SBIネット銀行(同2兆円)を超える最大規模となる。集めた預金は国債などの運用に回し、投資信託の販売などと合わせて3年後までにグループ収益の200億円程度の底上げを図る。
大和ネクスト銀行はネットと証券会社の店舗を使った銀行で昨年4月に開業した。預金の利率が定期預金1年物で0・25%と大手メガバンクの10倍程度だ。利率の高さに加え、カードローンや外貨預金などの新サービスを導入して預金獲得につなげる。
5兆円の預金残高は七十七銀(宮城県)や群馬銀に匹敵する規模で、12年度から3年間のグループ中期経営計画の主要施策に位置づける。
大和は、今年4月に傘下の法人向けと個人向けの証券会社を合併する。証券業と銀行業との2本柱で、14年度までに少なくとも年間計400億円規模の増収を見込む。
大和は、11年3月期に続き12年3月期連結決算も税引き後利益が赤字となる見通しで、赤字体質からの脱却が課題となっている。
世の中、「金余り」であります。記者のさびしい懐を考えると一体どこにそんなお金が?というのが素朴な疑問として沸き起こりますが、その答えは銀行ですね。金融緩和によってあふれ出たお金は預金となって銀行になだれこんでおります。結果として、預貸率=銀行が預金のうち何割を貸し出しに回せているか、という数値は確か8割を下回っていたと思います。
では残り2割をどうするかと言うと、どうしようもないので国債を買っているわけですね。そんなわけで国債の人気が高まり、結果的に金利も大きく低下したまま今に至っております。
銀行からすれば、お金は放っておいてもいっぱい集まるのに貸出先が全然ない、という状況になっているわけで、ほとんどの銀行は預金集めに全く積極的ではありません。今では、ネット銀行や地方銀行のネット支店でたまに積極的な金利を見かける程度となっております。
そうした中、上記ニュースによれば、大和証券グループが傘下のネット銀行である大和ネクスト銀行の預金残高を5兆円−今の4倍に伸ばす計画をまとめたようです。なかなか積極的ですね!
実現可能性はと言えば、金利次第ということでしょうね。比較的、高金利の住信SBIネット銀行でも残高が2兆円という状況ですから、それを上回る金利をつけることが最低条件になると思います。逆にそうした金利を提供できれば、すんなり達成できる気がします。
後はそれをどう収益に結び付けていくかということですね。今のように赤字の状態ではなかなか高金利を維持するのは難しいのではないかと思います。国債で運用してもほとんど利益が出ないと思いますので、上記記事でも触れられているように、投資信託の販売や、外貨預金・カードローンなどの新サービスの導入がカギになってくるのでしょうね。
また大和ネクスト銀行の強みは大和証券という全国展開する店舗網と、恐らくそれなりに優秀であろう営業員のネットワークを利用できる点ですね。他のネット銀行に比べれば金利面ではやや劣るものの、都市銀行や地方銀行に比べれば圧倒的に高金利ですから、店舗網と営業員を駆使し、それらの銀行から預金を預け替えられれば勝機が出てきそうですね。
一預金者としてはぜひがんばってほしいと思います。ちなみに大和ネクスト銀行の最新金利は以下の通りとなっております。
◆大和ネクスト銀行:定期預金金利
・1年:0.25%
・3年:0.29%
・5年:0.32%
それぞれ、もう0.1%くらい金利が高いといいのですけれどね。預金集め計画だけでなく、金利も積極的となることを期待したいと思います。
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