低迷する定期預金の金利や株価、今ひとつパッとしない景気。加えて構造的なデフレ経済のもと、給与やボーナス、世帯収入は下落傾向ですね。
さらに2011年は東日本大震災やタイの洪水など、多くの天災・人災が日本経済を襲いました。
そうなると当然、1世帯あたりの貯蓄も多少減少している・・・と思いきや、総務省が発表した2011年平均の家計調査によると、1世帯あたりの預金や定期預金を含めた平均貯蓄は前年比+0.4%とむしろ増えている、ということですね。しかも2年連続の増加だそうです。
そしてその平均額は1,664万円ということですね。貯金や預金が全くゼロの世帯も含めてのこの金額ですから、いやはや持っている人は持っている、ということでしょうか。
しかしその中身を見ると、記事が指摘する通り、60歳以上の世帯の貯蓄が全体の64.6%を占めるということで、「持っている人は持っている」というより、「シニアであれば持っている」という日本の世帯構造が浮かび上がってきます。
もちろん今までご自分の努力で積み上げてこられた貯蓄でしょうから、他人からとやかく言われる筋合いは全くないわけですが、けれども皮肉なことに、この世帯平均の貯蓄額を「勤労者世帯」だけに絞ってみると、予想通り、前年比0.9%減の1,233万円ということですね。
平均が1,000万円をオーバーしているだけでも健闘したといえるのかもしれませんが。
一昔前に日本社会の「二極化」問題が叫ばれ、それは金持ちと貧乏というシンプルな対立軸だったわけですが、実態としてはむしろ「シニア対若年層」という世代間問題の方が深刻と言えるのかもしれません。そう考えると税金の軸足が所得税=シニアにはかからない税金から、消費税=シニアも払わないといけない税金に移行していくのも当然、と言うことでしょうか。
とまぁ、話がサイトの趣旨からずれっぱなしでありますが、気になる世代ごとの預金や定期預金を含めた世帯貯蓄額を元データから拾ってくるとこうなっています。
・30歳未満 : 285万円
・30歳以上40歳未満 : 593万円
・40歳以上50歳未満 : 1,140万円
・50歳以上60歳未満 : 1,487万円
・60歳以上 : 2,159万円
見事な右肩上がりですね・・・。精神衛生上、あるいはライフプラン上では心地のいい資産形成プロセスと言えるのかもしれませんが、今の若年層が60歳になったときにこういった資産形成が出来ているかどうかというのは心もとないですね。
とは言いながら同世代と比べて預金残高が今ひとつな方はぜひこの数字を目標にしてもらえればと思います。
ちなみに貯蓄の反対側にある負債はといえばこうなっているようです。
・30歳未満 : 322万円
・30歳以上40歳未満 : 852万円
・40歳以上50歳未満 : 873万円
・50歳以上60歳未満 : 516万円
・60歳以上 : 220万円
40歳未満の世帯は完全に貯蓄より負債の方が多い債務超過の状態です。この世代はなかなか苦しいですね。子ども手当ては拡充されませんが、こうした子育て世代の中でも家計が厳しい世帯に対して積極的に経済的な支援をする意味も必要性も確かにありそうです。
なお上記はあくまで平均ですので、世の中にはものすごいお金持ちが存在することもあり、恐らく実感よりは3〜4割、高くなっているかもしれません。
とは言いつつ目標が高いのに越したことはありませんので、まずは同世代の平均世帯貯蓄額をご覧いただき、上回っている方はそのペースで、残念ながら下回っている方はもう少しペースを上げて定期預金や預金での貯蓄を進めていかれますことをお勧めいたします。
参考になさってください。
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