編集部からのコメント

最近、何度か取り上げているのが社債です。高金利が魅力の商品ですが、今まで３ヶ月に一度、半年に一度、といったタイミングで散発的に販売されてきました。

しかし最近はボーナスシーズンもあってか毎月のようにどこかのネット証券で販売されている状況ですね！預金者にとっては、実際に購入するかどうかは別にして、選択肢が色々と広がるのはもちろん良いことです。

加えて、以前は結構、短期間で売り切れていたと思うのですが、こうやって何度も販売されればだんだん、利用者の方でも慣れてきて、殺到することがなくなり、落ち着いて検討・購入することができますね。そうしたことも副次的な効果と言えそうです。

さて社債と言われてもピンと来ない方に再度、ご説明しておくと、社債とは、満期になれば元本と、あらかじめ決まっている利率に基づき利息が支払われる、定期預金によく似た商品です。

ただ定期預金と決定的に違う点が２つあり、１つ目はその社債の発行企業が破綻してしまうと元本が大きく毀損してしまう可能性が高いということですね。預金保険のような元本保証を補完する仕組みがない点には注意が必要です。

２つ目は途中で換金したければ、市場で売却するしかありませんが、買い手がつかなければ当然換金できませんし、仮に買い叩かれてしまうとこれまた元本割れしてしまうリスクが出てきます。

定期預金と似て非なる商品である、という理解が必要ですね。そうしたリスクの代わりに、金利が相応に高いのが特徴ですが、２０１２年８月６日から販売開始となった、マネックス証券の取り扱うクレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンクの円建て社債は以下のような条件となっています。

◆マネックス証券／クレディ・アグリコル銀行円建て社債

・正式名称　：　クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク　2017年8月21日満期円建社債
・発行体　：　クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク
・格付け　：　A2（Moody's）、A（S&P）
・利率　：　税引前 年 1.60％
・発行日　：　2012年8月21日
・利払日　：　年2回（2月21日、8月21日）
・償還日　：　2017年8月21日
・申込単位　：　額面100,000円単位
・申込期間　：　2012年8月6日(月)　〜　2012年8月21日(火) 14：00

期間が５年で利率が１．６％ということですから、今の預金金利では考えられない高金利ですね！

ちなみにこの社債はわざわざ正式名称にも書かれているように「円建て」です。円建てということは、元本も利息も円で戻ってくる、ということで為替リスクは全くありません。それでこの金利ですのでなかなかです。

クレディ・アグリコル銀行はヨーロッパ最大の金融機関の１つで、フランスのメガバンクですが、やはりヨーロッパの金融機関は資金調達に神経質になっているということでしょうね。

ただし格付けは上記の通りＡですので相対的には高いです。それなりに安心して投資できる先だとは思います。

また年２回、利払いがある点もちょっぴりうれしい点と言えるかもしれません。１００万円預けると年１．６０％の半分ですので、税引き後６，４００円が半年毎に振り込まれることになります。ちょっとしたお小遣いになりそうですね。

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ここで 市場の１年もの金利をチェックするとこうなっています。



ＬＩＢＯＲ不正金利騒ぎの余波でもあったのか、７月以降、ガクンと下がって０．３１％前後という水準ですね。ぜひこちらの動きも真相を究明してほしいものですが、それはともかくとして、定期預金の金利がこの市場の金利を上回ることは基本的にはありませんので、引き続き０．３％前後というのが今の１年もの定期の高金利の目安ということになります。

参考になさってください。当面、金利が上昇する兆しはありませんね・・・。