8月となりました。連日、ロンドンではオリンピックでの熱戦が続き、寝不足の方も多いかもしれません。
それでなくても8月は夏休みやお盆、帰省などもあり何かとバタバタする時期ですね。定期預金などの預貯金に関しては「後回し」になりがちです。
それもやむをえない気はしますが、金利は最近結構動いていますので、知らぬ間に金利が変わっていた、ということも十分ありえます。お盆までは何かと忙しい方も、お盆が終われば、じっくり世の中の金利の動向と、ご自分の定期預金などの預貯金の満期や利率をチェックされてみてはいかがでしょうか。
さて8月の定期預金金利ですが、一部で新しい定期預金キャンペーンを開始する動きがあるものの、全般的には下落傾向ですね。残念なことです。当サイトでご紹介している日本の主要な銀行の預金金利のレンジは以下のようになっています。
・普通預金(含む1週間定期): 0.02%〜0.25%
・1年もの定期預金: 0.01%〜0.30%
・3年もの定期預金: 0.01%〜0.35%
・5年もの定期預金: 0.04%〜0.40%
・3年もの仕組み預金: 0.2%→0.4%
・6年もの仕組み預金: 0.4%→0.6%
・10年もの仕組み預金: 0.7%→1.0%
>>>詳しくはこちら 定期預金金利比較(TOPページ)
1年ものの最高が0.30%ということで、7月より0.05%下がってしまいました。
定期預金の金利が下がってしまった理由は、ボーナスシーズンが終わりつつあるから、というのもありますが、もっと直接的には世の中の金利が下がっているからですね。金利の指標として最も有名なものは長期金利で、これは10年もの国債の市場金利ですが、この長期金利の最近1年間の動きはこのようになっています。
4月までは何とか1%を維持していたのですが、それからあれよあれよという間に下がり、今や0.70%台ですね。10年もの金利が1%を下回るということで、如何に金利が低いか直感的にも分かりますが、歴史的に見ても2003年に1度あったきりの低水準です。
それにつられるように1年もの市場金利も5年もの市場金利も下落しており、足元では1年もの市場金利は0.31%台、5年もの市場金利は0.36%台という水準です。基本的に銀行側からすれば、この市場金利より高い金利で資金を集めてもメリットはあまりありませんので、定期預金の金利もこの市場金利が「上限の目処」となってきます。
そう思って上記預金金利のレンジを見てみると、5年もの金利や仕組み預金の一部で市場金利を上回る、相対的にお得な預金がありそうです。
さて、このように市場金利が下落を続けている中では、定期預金の金利がじりじり下がり続けているのも当然と言えるのかもしれません。逆に言えば、定期預金の金利が上昇するには市場金利の上昇が必要ということですね。
と言うことで再度、上記長期金利のグラフを見てみると、7月の下旬あたりから何度か金利が上昇する局面がありますね。これはなかなか気になる動きです。このまま上昇に転じてくれれば期待が持てるわけですが、恐らくこれは・・・政局の混乱により消費税増税法案の採決に不透明感が出てきたことによるものでしょうね。
将来の日本の財政に不安が広がれば、国債の値段が下落し、金利が相対的に上昇することになります。いわば不安が増加することによる「悪い金利上昇」ですね。良かろうが悪かろうが金利が上昇することには変わりなく、預金者からすれば理由はどうあれwelcomeだ、と言えるかもしれませんが、ではこの消費税増税法案がどうなるかと言うと、8月9日現在では採決される可能性が非常に高くなっています。
とすると、少なくとも政局に伴う金利上昇は落ち着き、その後は・・・やはり金利は低下方向に向かうと考えた方が自然です。何せ4ヶ月以上、金利は大きく低下を続けているわけで、その動きをすぐに止めるのはちょっと難しそうな気がしますがいかがでしょうか?
加えて、1年もの市場金利や5年もの市場金利はもう少しデジタルに下落していまして、これは・・・例のLIBORの不正金利騒ぎの余波のような気もしますがいかがでしょう?
その真偽はともかくとして、市場金利が引き続き下落傾向を維持するのであれば、来月=9月の定期預金金利はさらにもう一段、下がるかもしれませんね。今後、金利が上昇するのか、それともやっぱり低下するのか、当面は動きが出ている長期金利の動向に注目と言えそうです。
下旬に機会があれば再度、この金利の動きをチェックし、9月の定期預金金利の動向を見通してみたいと思います。
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