消費税の増税が大きな政治問題となりましたが、その影でなぜかあまり大きな議論もなく増税が決定されたものがあります。それが所得税の増税ですね。
消費税の増税が大きな話題になる一方で、なぜ所得税の増減税が話題とならないのか不思議な気がしますが、多くの方は給与天引きされてしまうので「税金を払っている実感がない」ということなのでしょうね。
一方で消費税は毎日のように払っていますので負担感が違います。そのうち消費税も給与天引きではないですが、値段の中で完全に見えなくなってしまうと、多少増税されても話題に上らなくなるのですかね?
それはどうか分かりませんが、国民としてはしっかり納税意識を持って、消費税にせよ、所得税にせよ、住民税にせよ、増税路線が定着しないよう注意を払っておきたいものです。
もちろん今回は東日本大震災からの復興に充てられるということですので、その意義に反対する人は少ないと思いますが、実際にはその使い道はかなりいい加減だったことが分かってきています。こうした使い道についても厳しく追求する必要がありますね。
さてその所得税の増税は、定期預金の利息にも影響しまして、今まで定期預金の税金といえば源泉徴収で20%と決まっていましたが、2013年1月1日以降、以下のような税率に変更となります。
<変更前> 20% → <変更後> 20.315%
20.315%!また細かい数字が出てきたものですね・・・。元々の税率20%のうち、国税が15%で、その国税が2.1%増税となるので、15%×2.1%×=0.315%増税になるということです。
20%が20.315%ですので、増加率は1.6%ということで、実際のインパクトはわずかですが、預金者にとっても、銀行にとっても、計算が極めて面倒になったのは間違いありません。もう少し切りのいい数字でも良かったと思うのですがどうでしょう・・・。
いずれにしても、2013年の1月以降、定期預金の利息がほんの少し減り、やたら端数が出てくるようになる点はご注意ください。
上記リリースではPayPay銀行が定期預金試算ツールの復興特別所得税対応を完了した、ということですので実際にツールを使ってインパクトを計算してみたいと思います。
・・・と、思いましたが、いろいろな期間を入れてみたものの、そもそも定期預金の利息がすっきりした数字にならないですね。複利計算になってしまうのでしょうか。
たとえば元本100万円で金利1%、期間1年の場合、定期預金の税引き前利息は10,000円となることを期待するのですが、この試算ツール上では「10,024円」ということになりますね。
期間を変えても切りのいい数字にはなりそうにないので、このまま進み、税金が20%だと定期預金の税引き後の利息は「8,019円」となる計算ですが、こちらのツール上では「7,988円」ということになります。この差額29円が概ね今回の増税の影響ということになります。
やはり直接的なインパクトは大きくはありませんが、来年以降の定期預金の金利計算にはご注意ください。
とりあえず「税金は20%」として計算してもそれほど問題はないとは思いますが。
ちなみにこちらの増税は、上記リリース内でも記載されているように2038年までという極めて長期間続きます。震災発生から数えて27年後ということですね。
27年後もまだ震災復興が完了していなければ問題ですが、一方で27年後のこの税金の使い道も気になるところですね。復興国債の償還に充てられるのかもしれませんが、お金に色がついていない以上、震災復興が完了に近づくにつれ、他の支出に実質的に回っていくことになります。
増税は残念ではありますが、どうせ増税されるなら有意義に使って欲しいですし、他の費用への流用などもってのほかです。繰り返しになりますが、その使い道については厳しくチェックしていきたいものですね。
ここで 市場の1年もの金利をチェックするとこうなっています。
下落基調は変わらずですね。足元では0.28%台となっております。となると1年もの定期預金の金利も早晩、0.2%台に下落しそうですがどうなるでしょうか?
11月の定期預金金利の動向に注目ですね。
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |