金利が全般的に大きく低下する中で普通預金や期間の短い定期預金の人気が高まっていますが、とは言いつつもっと長い期間で運用したい資金もあるわけで、そうしたニーズをお持ちの方々に一定の支持を集めているのが仕組み預金です。
仕組み預金とは中途解約できない、満期を預金者が選べない=銀行の判断で満期が延長される、と言った制約がある代わりに金利が高い預金ですね。
そんな仕組み預金ですが、昨年秋、次々と販売停止となりました。
と言うのも金融庁が今までの方針を転換をし、「仕組み預金の利息部分は預金保険の対象外」と言い出したからですね。その心変わりはよく分かりませんし、元本が保護されるのであれば、わずかな利息を保護しても保護しなくても預金保険制度としての負担はほとんど変わらないわけで、であればそのまま預金保険の対象にしておいてもバチが当たらないとも思いますが、何にせよ、そうした動きを背景に仕組み預金の販売は一旦停止となったわけです。
しかしその後、数ヶ月の「謹慎期間」を経て、年末年始あたりから、ボチボチ販売が再開されていますね。仕組み預金としてはパイオニアのSBI新生銀行の「パワーステップアップ預金」もまた、そんな販売を再開した仕組み預金の1つです。
さらに今月から金利をアップさせたとのことで気になる金利水準は以下の通りです。
◆SBI新生銀行/パワーステップアップ預金2
・金利 : 当初3年間0.4% → 以後、銀行の判断で継続するたびに金利がアップ → 10年目0.8%
・預入金額 : 店頭、電話/300万円以上、ネット/30万円以上
今月から、当初3年間0.3%だったものが0.4%へと0.1%引き上げになったようですね。
商品内容としては最短3年、最長10年で、満期となるかどうかは銀行が判断するわけですが、3年で0.4%であったり、10年目には0.8%まで金利が上昇する点は悪くありませんね。
ただこれを「期間10年の定期預金」と捉えると、平均金利は「0.545%」となり・・・ちょっと物足りなく感じる方もいるかもしれません。
ちなみにこの「パワーステップアップ預金」を利用すると自動的に新生ゴールド会員となり、他行宛ての振込手数料が月5回無料になるなどの優遇が受けられます。
仮に他行宛ての振込み手数料が一般的に315円とすると、月5回、年60回の優遇ですから、年間18,900円相当のメリットとなります。「パワーステップアップ預金」の元本が30万円なら、税引き前で「7.88%」の金利相当ということですね。
毎月5回、きっちり他行宛て送金するかどうかは別にして、こういった付帯サービスのメリットも勘案すれば、また違った魅力が感じられるかもしれませんね。
さて販売を再開した円仕組み預金といえば、今月は東京スター銀行の「右肩上がり円定期」も再開しており、金利条件は以下のようになっています。
◆東京スター銀行/右肩上がり円定期
・最長6年タイプ : 当初2年間0.3% → 次の2年間0.4% → 最後の2年間0.5%
・最長10年タイプ : 当初3年間0.7% → 次の3年間0.8% → 最後の4年間1.0%
こちらは最長10年タイプを利用した場合、10年間の平均金利は「0.85%」ということで、単純比較はできないものの、SBI新生銀行のパワーステップアップ預金よりかなりの高金利といえそうです。
通常の定期預金金利に満足できない方はこうした商品の利用を検討されてはいかがでしょうか。
ここで 市場の1年もの金利をチェックするとこうなっています。
順調(?)に低下し0.23%台ですね。こうした金利環境が続くかぎり、1年もの定期預金の金利は「高くても0.2%+α」ということになります。
とすると、やはり上記のような円仕組み預金の人気も相対的に高まってくるのでしょうね。また販売停止とならないよう祈っております・・・。
参考になさってください。
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