3月というのは冬のボーナスシーズンも終わり、夏のボーナスまで端境期に入ってくる時期であることから、定期預金キャンペーンも概ね落ち着いてしまいましたね。
とは言いつつ良いニュースが全くないわけではなく、そうした中でも高金利キャンペーンが実施されていたり、一部の預金商品では利上げの動きもあるなど、少ないながらも預金獲得に積極的な金融機関が散見されます。
今月は個人向け国債の全商品が3ヶ月に一度発行されるタイミングであることも良いニュースの1つと言えるかもしれません。今回も、12月に引き続き東日本大震災の復興費用を賄う「個人向け復興債」として募集されておりますね。具体的な募集条件は以下の通りです。
◆個人向け国債
固定3年 : 0.05%
固定5年 : 0.06%
変動10年 : 0.42%
残念ながら12月の募集時点よりさらに金利が低下し、固定3年はもとより、固定5年も全くの魅力のない金利となってしまいましたが、こうした金利は市場金利から機械的に決められていますので、足元の市場金利の低下を考えるとやむを得ないということなのでしょう。
そうした中で唯一検討に値するのが「変動10」です。その名の通り、期間10年の変動金利の国債ですね。半年毎に金利が見直されるので、今後、金利が上昇してもそのメリットを享受できるというなかなかオイシイ商品性を持っています。
通常、半年毎に金利が見直されるということは、「6ヶ月もの定期」を自動継続しているイメージとなりますので、金利も「6ヶ月もの定期」と似たようなものになる、というのが金利の常識です。今の6ヶ月ものの定期預金金利といえば・・・0.025%程度ですね。
ところが、この変動10年タイプは、上記の通り昨年12月の時よりやや金利は低下したものの0.42%ということですから、17倍近くですね。6ヶ月もの定期どころか、通常の5年もの定期の金利をはるかに上回る高金利です。変動金利でありながら、これだけの高金利がつくというのは、相当魅力的な商品性であるのは間違いありません。
実際、民間ではこのような商品性の預金は提供されていません。商品性が良すぎるからですね。
ネックとなるのは10年という期間の長さですが、これも利便性が考慮されていて、1年経てばいつでも中途解約ができ、そのペナルティも2回分の利息=1年分の利息相当分のみですから、2年も運用すれば、十分元が取れます。
たとえば3年後に解約した場合、利率が3年間ずっと今の0.42%と仮定すると、ペナルティを払っても、トータルでは約0.28%の高金利ということになります。なかなかですね。
仮に5年後に解約した場合であれば、ペナルティを考慮してもトータルでは約0.34%の利回りですね。ネット銀行の定期預金と比較しても相応の高金利です。
あくまで金利が変動しない前提とはりますが、同じ個人向け国債である固定5年=0.06%よりもはるかに有利である点もポイントですね。
個人向け国債は1万円から購入できますので記者も愛用しておりまして、今回も「変動10」を多少買い増す予定です。
しかしいつも思うのは、なぜ「変動10」を毎月発行しないのでしょうね?であれば、より安定調達に資するのではないかと思いますが・・・。
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ここで 市場の5年もの金利をチェックするとこうなっています。
足元では多少、底入れの兆しはあるものの、全体的には金利は低下中ですね。こうした金利環境ではやはり、今後の金利上昇メリットも狙える「変動10」の魅力が相対的に増していると言えそうです。
参考になさってください。
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