先日も取り上げたように、資産運用サービス「いつかはゆかし」を運営していたアブラハム社は6ヶ月の全業務停止命令が出たわけですが、そのグループ会社が運営している「ゆかしメディア」は今のところ運営中のようですね。
>>>「いつかはゆかし」の評判、批判、悪評について
ぜひ、そのまま一味違ったニュースを配信し続けていってほしいものです。
今日はその「ゆかしメディア」から、記者のような庶民には関係ないといえば関係ない、しかしかなり衝撃的なニュースをご紹介したいと思います。何と日本の富裕層の数が2012年の395万人から、2013年は265万人へと一気に130万人も減少したのですね!ちょうど3分の2になった計算です。
ちなみにここで言う富裕層の定義とは「資産100万ドル以上」です。今の為替レートで言えばちょうど約1億円以上、ということですね。
2012年と比べれば株価は1.5倍になっていますし、国内の富裕層も同様に増えていてもおかしくないわけですが、減少したということは・・・やはり円安の影響でしょうね。
つまり日本円で資産を持っていても、円安になれば丸々その分、ドルベースでの資産が減少することになります。
とは言いつつ昨年からの円安度合いで言うと、1ドル=80円→100円程度の動きで、ドルから見れば円は20%くらい価値を失ったレベルです。つまり仮に保有資産が1億円であれば、昨年は125万ドルだったものが今年は100万ドルということです。
だとすると富裕層の数も20%くらい減少するのであれば何となく腑に落ちますが、実際には3分の2になっているということは・・・やはりこの1億円近辺に富裕層の数が多い、ということなのでしょうね。
具体的には「8,000万円以上1億円未満」の資産を持っている人が今年は富裕層ではなくなった、ということになります。そしてこのレンジの方が日本には130万人いる、ということですね。
ただ上記の通り、昨年から今年にかけて株価は1.5倍に上昇していますので、それなりに金融資産を増やした富裕層もおられるわけで、それでも130万人減ったということは、1億円近辺に「ギッシリ」富裕層がいる、ということなのかもしれませんね。
ちなみにそれ以外の国の推移はこのようになっています。
つまりはアメリカから、ユーロ危機に見舞われたヨーロッパ諸国、はたまた中国にいたるまで、軒並み富裕層の数を増やしている一方で、逆に富裕層の数が減っているのが日本、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、ロシア、エジプトの6カ国ということになりますが、その中でも日本の減少数が断トツですね。
ワースト2位のブラジルのマイナス1万2,000人から何と、「100倍以上」ということですね(苦笑)。
全世界では181万人、富裕層が増えているわけですが、日本で130万人減少したということは大きく足を引張った、ということですね。世界のプライベートバンカーのみなさま、申し訳ありません。
たださすがに日本の数は「減りすぎ」の気がしないでもありません。正確な情報ソースなのでしょうか。
なお、このクレディスイスのレポートでは、2018年までにこうした富裕層がどれくらい増えるのかというのを主要国を中心に予想しています。それがこれですね。
現状、317万人いる富裕層が5年後には476万人に、50%増えるという試算です。もちろん増加率が「50%」となっていることから分かる通り、多分に「希望的観測」ということになりますが、アメリカ、ヨーロッパ諸国、東南アジアを中心に順調に増加することが期待されています。
ではわが日本はどうかと言うと・・・どこにもありません・・・。これはまぁ、2013年に思いっきり減少したので予測がつきにくいというのはあるのでしょうけれど、それに加えて、富裕層の増加が期待されていないということでしょうね・・・ここにも日本パッシングですか。残念なことです。
まぁ、庶民からすれば多少の愛国心は別にして、富裕層が増えようが増えまいが関係ないとは言えますが、しかし保有資産の多寡に関わらず日本国民として、ここで忘れてはいけないポイントは、円安になると相対的に日本の富が失われてしまう、という点ですね。
当然、日本円の価値が低下するわけですから、海外のものはその分、高くなります。同じ日本円であれば以前より少ない量しか購入できない、ということですね。
「じゃぁ、日本製のものを利用すればいいじゃない」と思われるかもしれませんが、資源がほとんどない日本では、何を作るにも海外からの原材料に頼っています。
政府が必死に守ろうとしているコメですら、石油などから生成される肥料等がなければ満足に生産できないのではないでしょうか。
実際、ガソリンスタンドに行くと、ガソリンの値段に驚きますし、消費者物価も徐々に上昇していますが、円安の影響が結構大きいのではないかと思います。
つまりは円安が進めば、せっかく蓄えた日本円の資産がどんどん目減りしてしまうわけですね。
では外貨預金などをしておけばいいのではないかと言われれば確かにその通りなのですが、長い目で見ればニクソンショックやプラザ合意以降、日本は長い長い円高トレンドを継続しています。
つまり外貨運用をすると負け続けてきた長い歴史があるわけですね。
だとすると庶民が望むものといえば・・・やはり円高でも円安でもない、為替レートの安定、ということなのでしょうね。
メディアを中心に「円安待望論」が主張されやすいですが、定期預金ユーザーからすればそれは、定期預金の価値が目減りしていくことにほかならないわけで、どんどん円安が進む事態というのはノーサンキューということです。
富裕層の激減が示唆する、「円安デメリット」には注意が必要ですね。
参考になさってください。
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