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貯金・定期預金コラム:
トラストパートナーズ駐車場投資4.3%は魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。

トラストパートナーズ




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回も同じようにネット上で怪しい広告を探していたところ・・・見つけたのがトラストアセットパートナーズ社の駐車場投資商品「トラストパートナーズ」です。予定利回りが4.3%となかなか魅力的そうですが、実際にはどうなのでしょうか?

まずいつものようにチェックポイントをご案内するとこうなります。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性が高い。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性が高い。

3.運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性が高い。

では早速見ていきましょう。

まず1つ目のこの商品のリスクについてですが、残念ながら積極的には開示されていません。もちろん元本保証ではありませんので、

・賃料が下がった場合の減収リスク
・稼働率が下がった場合の減収リスク
・老朽化に伴う建物価値の下落リスク
・地価下落リスク

といったものが将来的な運用成績に影響してくるのではないかと思います。

まず最初の駐車場の賃料がどういうトレンドでこれからどうなるのかはわかりませんが、現在募集中の案件に含まれる物件が札幌・北九州・福岡・鹿児島という地方圏にあることを踏まえると、東京・名古屋・大阪の3大都市圏に比較すれば少子高齢化の影響を相対的に強く受けるわけで、2つ目の稼働率も同じですが、あまり強気にはなれそうにありません。



特に2〜3年ならまだしも、10年・20年といった長期間での投資は極めてリスクが高いものと思います。賃料や稼働率が下がっても固定費が下がるわけではありませんので利回りがみるみる下がっていく可能性は十分あります。

また、建物価値や地価についても同様ですね。駐車場の建物の耐用年数はどれくらいでしょうか?仮に30年とすれば年間3.3%分価値が損なわれていくわけですし、地価も基本的にはバブル崩壊以降下がり続けているでしょうから、仮に年1%下がるとすればそれだけで予定利回りの過半が失われるということを意味します。

つまりいくら利回りが4.3%であっても損益分岐点は高く、少しでも利回りが下がれば実質的に赤字になる可能性は十分あるということですね。

もちろん後段の建物価値の目減りや地価の下落がいきなり利回りに影響するわけではありませんが、最終的に換金しようとすると一般的には時価評価されますから、その時点でそうした資産価値の低下が明らかになるわけですね。

たとえば仮に4.3%×5年=21.5%のリターンを得られたとしても、売却時に100万円のものが80万円になっていればリターンのほとんどが吹き飛ぶわけですし、その21.5%のリターンも通常は20%程度の税金が取られますので実質的には赤字ということも十分考えられるということです。

そしてその資産価値の低下は必ず起こります。というのも土地はともかく建物の価値は必ず低下するからですね。新車より中古車の方が安いのと同じ理屈です。

ただし。

この商品が特異なのは5年後以降はトラストパークが買い取るという買い取り制度がある点です。その価格はこうなっています。

・買い取り金額は直近1年間の賃料収入を予定利回りの4.3%で割った金額

ということですね。なんだかわかりやすいようでわかりにくい定義ですが、元本100万円に対して賃料が予定通りの4.3%=4万3千円とすると、÷4.3%で100万円。仮に賃料が5.3%なら÷4.3%で123万円。逆に賃料が下がって3.3%なら÷4.3%で77万円ですね。

つまりは予定の4.3%に対して実際の利回りがいくらかで元本が増減するということになります。

これまた賃貸マンションと同じで新しければ新しいほど賃料が高く、古ければ古いほど賃料が安くなっていくのだとすれば、上記のような資産価値の目減りはやはり買取時にしっかり反映されるということですね。

また、うがった見方をすれば予定利回りが高ければ高いほど、トラスト社にとってはメリットが大きいということですね。というのもより多くの投資家が集まりますし、仮に5年後以降に「思ったほどの利回りにならない」と不満を感じて売却しようとしても実際の利回りが低ければ低いほど、買い取り価格は低くなることを意味します。

その点ではこの金融商品に投資しようとされる方はその「4.3%」の根拠や実現可能性をじっくり見極めるべきだと言えます。

結論としてはそのようなリスクに関してほとんど説明されていないという点でやはり「不誠実な商品」と考えて間違いなさそうです。広告にはファイナンシャルプランナー氏や会計士氏のような専門家がこの商品を推奨しておりますが正気でしょうか・・・。

なお気になるのは、この投資案件を提供しているトラストアセットパートナーズ社の親会社がトラストホールディングスという上場企業であるという点です。そこでこの親会社の直近の連結決算=2014年7月〜12月までの半期決算を前期比でチェックしてみるとこうなっています。

・売上高 : 61億円 → 48億円
・経常利益 : 4億円 → −2億円
・当期利益 : 2億円 → −2億円

なんと前期比で2割の減収となっているほか、利益に至っては赤字となっているのですね! 駐車場事業については+2億円程度の黒字を確保しているようですが、それ以外の不動産事業や新規参入事業であるウォーター事業等が赤字で足を引っ張っているようです。

半年で−2億円ということは年間−4億円。自己資本は9億円程度のようですから、こうした赤字が続くようであれば2年ちょっとで債務超過ということですね・・・ジエンドです。通期の決算予想としては+2億円ということですので、もちろん黒字回復の可能性はあるわけですが、予想どおりにいくかどうかは誰にも分かりません。

そうなってくるとこうした投資案件を通じて集めた資金が本当に駐車場の所有権獲得につながるのか疑問が出てきますね。あくまで一般論ではありますが、会社が傾き始めれば利用できる資金は何でも利用する、というのが前提になってきます。

あるいはいよいよ危ないということになれば、会社の存続よりも経営層の資産保全が重要になってきます。そうした状況下で投資家の資金が本当に保全されるのか懸念はぬぐえません。

この案件への投資を検討されている方はせめて親会社が今期本当に黒字化するのかどうか見極めてからでも遅くはないのかもしれませんね。

ちなみにチェックポイントの2つ目は「本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはず」という点ですが、仮に経営が傾きつつある中で銀行の融資利率が5%や6%になっているということであれば、利回り4.2%でも相対的には安い資金ということで説明がつきますね。

だからといって投資家からすれば歓迎すべき説明ではありませんが・・・。

チェックポイント3つ目の「運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性が高い」という点については、「詐欺」というのはさすがに言い過ぎだとしてもグレーであるのは間違いありません。

もちろん、現状の限られた情報の中で、この投資案件が危険だと断定する気はありませんが、もしこれから投資を検討される方は、そうした懸念が完全に払しょくされから投資判断されることを強くお勧めいたします。

もし本当に「ウマイ話」なら、普通は誰にも教えませんからね。

最後に、トップページで訴えられている「ローリスク・ミドルリターン」というのはもちろん現実的にはあり得ません。

参考になさってください。


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