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貯金・定期預金コラム:
サラリーマンボンド 予想分配率2.8%は魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2015/7/30 <株式会社マリオン

サラリーマンボンド




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。その中の1つが株式会社マリオンが募集しているマリオンボンドです。

>>>利回り3.75%!マリオンボンドは魅力的?

上記過去記事の通りですが、一応、怪しいポイントを「復習」すると、マリオンボンドの紹介ページを見てみると、このような文言が躍っています。

・創業55年の賃貸業ノウハウで安定的な入居率を確保します。マリオンボンドは過去に元本割れを起こしたことがありません。

この表現だけで「グレー」ではなく「ブラック」確定と言えます。なぜかと言えば、リスクとリターンの関係から考えると、同社のHPでうたわれているように、毎年4%前後のリターンが出ているのに元本が全く痛んだことはないということはあり得ません。

振り返ってみればリーマンショックの時には株式もREITも価値が4割ほど吹っ飛びましたが、マリオンボンドだけはこうした金融商品や不動産価格の暴落から無縁だったなんてことは常識的には受け入れられませんね。

おそらく実質的には元本割れしていたのだけれど、時価評価していないのでそれが表面化しなかっただけ、ということなのでしょう。もし時価評価していないのであれば、今でもその元本割れ状態が続いている可能性は十分あります。

また、百歩譲って仮にもしこれまで本当に元本割れを起こさずこれたのであれば、金融機関が競って資金を貸してくれるわけで、わざわざ3〜4%というリターンを外部流出させてしまう意味が分かりませんね。無垢な個人投資家から資金を集める必要など全くないのです。

加えて、経常利益は2014年9月期で1億3千万円程度のようです。前年度より大きく伸びているのはいいことかもしれませんが、申し訳ないですが分類としては「中小企業」といった規模感です。

ではマリオンボンドは全体でいくらくらいあるかと言えば・・・商品一覧から確認できるものだけでも100億円以上もあります!もしマリオンボンドの一部に何かあった場合、とても賄いきれる利益水準ではありません。

加えて、マリオンボンドの平均配当率はおおむね4%程度ですから、利益は1億3千万円なのに4億円以上の配当を支払っていることになりますね。これは明らかに不自然です。普通の経営者ならもっと安い資金調達をして利益を会社に残すはずですよね?

またマリオンボンドは「優先劣後方式」が採用されていて、もし運用で損をしても30%まではマリオン社のみが損をして、投資家に迷惑をかけない仕組みになっているということですが、それを担保するためには少なくとも100億円の30%、つまり30億円以上の自己資金が必要になってきます。

しかし今のところ資本金は11億円しかないようですから、そもそもその約束を履行する体力がないということですね!完全な「空手形」、ということになります。こうした体力を超えた保証を吹聴するというのは誇大広告にならないのですかね?

そうしたわけで、ちょっと考えてみただけでも安心して運用を任せられる先とはなりそうにありませんが、そのマリオン社が上記の通り「サラリーマンボンド」なる商品の販売を開始していますね!

今度は我々庶民を食い物にする気か!とこの上なく不快感が高まってくるわけですが、それはともかくとして商品性はこのようになっています。

・商品名 : サラリーマンボンド1号(対象不動産:コンパルティア練馬)

・募集総額 : 3億2,000万円

・募集口数 : 3,200口

・募集単位 : 1口10万円

・募集期間 : 7月13日から優先出資募集口数に達するまで

これまでマリオンボンドが1口100万円だったのに対してこちらのサラリーマンボンドは1口10万円ということですね。ハードルが下がっている点が「サラリーマン」向け、ということなのでしょう。

それではこの中身をもう少し詳しく見てみると、対象不動産である「コンパルティア練馬」の購入価格は4億5,800万円であり、そのうちの1億3,800万円をマリオン社が負担し、残りの3億2,000万円を投資家が負担する、ということになります。

満期日は平成32年=2020年ですので、5年後の時点でいくらで売却できるかがポイントですね。少なくとも3億2,000万円以上で売却できれば投資家の出資金は守られることになります。

その売却価格の計算は割と簡単で、賃料からおおよそ求められますね。全部で13室で、ワンルームが5室、1LDKが8室となっています。

では練馬駅から徒歩10分の「新築物件」の賃料(除く管理費)がどうなっているかと言うとこうなっています。

・ワンルーム : 8万円
・1LDK : 12万円

ここから考えれば年間のキャッシュフローは1,632万円ですね。投資家が求めるリターンは少なくとも5%は必要でしょうからそこから類推すればこの物件の時価評価は「3億2,640万円」ということで・・・つまりピッタリ、投資家の負担額を一致します。

逆に言えば購入価格が4億5,800万円というのは全く信憑性がなく、自社で自己資金を投下する気など一切なく、100%投資家の資金で購入しようとしているということが強く示唆されます。

言い換えれば投資家からすれば、少しでも値下がりすれば即「元本割れ」するということですね。

ではその元本割れの可能性ですが・・・残念ながら「確実」と考えた方がいいでしょう。と言うのも上記キャッシュフローは奇跡的に満室になった時の収入であり、通常は10%程度の空室はあると思います。とすると実質的なキャッシュフローは1,469万円であり、そこから推定される時価は2億9,376万円となります。

つまり投資のタイミングですでに元本割れ状態ということですね・・・。

さらに上記賃料は「新築プレミア」がついていますので、次の入居者にはもっと安い賃料が提供されることになります。1割とは言わないまでも5%低下するのであれば、時価はさらに減って2億7,907万円ということです。

加えて建物の目減りも考慮する必要があります。建物に寿命がある以上、毎年その分だけ価値が減っていくからですね。仮に3億2,000万円の6割が建物価格であり、これが40年かけて価値ゼロになっていくのだとすれば、毎年2.5%、全体から見れば毎年1.5%ずつ物件価格が下落していきます。

とすると5年後には1.5%×5年=7.5%程度は価値が減価しているはずであり、それも考慮すれば売却価格はさらに2,400万円減って2億5,507万円ということですね。

3億2,000万円だったものが最終的に2億5,507万円になるわけですから、21%の損失であり、単純計算すれば年間4%の損失ということになります。一方で2.8%の分配がありますから、差し引き・・・「マイナス1.2%の運用」ということですね。

これで投資される方はいるのでしょうか?

やはり故意であるかどうかはともかくとして、結果的にサラリーマンが食い物になる商品であるのは間違いなさそうです。十分ご注意いただければと思います。

加えて東京都内の地価はすでに十分高いですからね。このタイミングでの不動産への投資は「高値掴み」となる可能性が高いです。その点でも「元本割れ」のリスクが極めて大きいという点には十分ご注意ください。

最後に、いつものようにアヤシイ投資案件のチェックポイントをご案内するとこういうことですね。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性が高い。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性が高い。

3.運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性が高い。

参考になさってください。


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