当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは日本クリプトカレンシー協会の勉強会ですね。このような広告が配信されております。
本気で資産10倍を実現したいです!これは参加しないと!!・・・と思う方は少数派でしょうね・・・。直感的に「怪しい」と思う方が大多数だと思いますが、全くもってそれは正しいです。
もし本当に資産を10倍にできるのであれば、絶対に人には教えません。参加者が増えれば増えるほど自分の取り分が減ってしまうからですね。
もし「資産10倍法」を知っているとして正しい利用方法は、とにかくローンを組みまくって自己資金で投資することですね。いくら利息がかかったとしても投資家に払うお金よりははるかに安いはずですし、何といっても今の日本は超低金利にも関わらず金融機関は貸出先が見つからない状態です。返済が確実な取引先であれば低利で喜んで資金を貸してくれるはずです。
それができないということは「返済が確実な取引先ではない」ということですね。
また、それでもそれなりに有利な投資方法なのであれば、みなお金を出してでもその情報を得ようとするわけで、このように広告をしている時点で「おいしい情報ではないのだな」ということが分かります。
というわけですでに疑いのまなざしとなっているわけですが、それだと話が終わってしまいますのでもう少し内容をチェックしたいと思います。
まず同協会サイトを見ると、あくまで「勉強会への募集」がメインになっています。当然、広告費をかけている以上、どこかで収益を上げないといけないわけで、おそらくそのビジネスモデルは以下のどちらかではないかと思います。
・参加費がやたら高い。
・商品を売りつけようとする。
で、調べてみると参加費は3,000円のようですので前者ではないですね。そうしたわけで後者の可能性が濃厚になるわけですが、実際に勉強会の説明を読むとこのような記述があります。
「仮想通貨がなぜ莫大な富を生み出すのか」その理由を教えてくれて、「どれを選べばいいか」も指導してくれるようですから、後者の
・商品を売りつけようとする。
というビジネスモデルであることが推察されます。繰り返しになりますが、本当に莫大な富を生み出す投資資産を知っていれば絶対人に教えませんからね。
では具体的にどういった仮想通貨が推奨されているのかということですが、この勉強会に参加された方のブログをチェックしてみると、アンティークコインを担保にした仮想通貨「XNC」が推奨されていたようです。
まずそもそもアンティークコインを担保にするというのが胡散臭いですね。担保というのは価格変動が少なく、将来も価値が守られるものでないといけません。
とすると、わかりやすいのがキャッシュですが、インフレの懸念があるとすれば「金=ゴールド」か「先進国の債券」が常識ですね。
ちなみに、こうした仮想通貨が詐欺かどうか見破る簡単な方法があるようです。それは何かといえば、仮想通貨の取引市場で取引されているか調べればいいのですね。もし取引されていれば実態があるわけですが、もし取引されていなければ「実態がない」、ということになります。
その取引市場のサイトがこちらです。
>>>Crypto-Currency
Market Capitalizations
では「XNC」が掲載されているかと言えば・・・当然掲載されておりません。
先日取り上げた仮想通貨であるエターナルコインも掲載されておりませんでした・・・いやはや。
>>>6ヶ月で約4倍!?エターナルコインは魅力的?
それはともかくこの「XNC」は同協会サイトによれば2016年秋に取引開始予定ということですので、秋となれば(と言ってももう9月下旬ですが)、取引が開始されるのかもしれませんが、現段階では取引できない以上、紙屑です。
いや、紙もないので単に「屑」ですね・・・。
いたいけな投資家に「屑」を売りつけようとしているのであれば、この勉強会ビジネスは「詐欺的」と言わざるを得ません。「未公開株の取引」と全く同じ内容ですね。
100歩譲って、本当に2016年秋に取引を開始するのであれば、その後で投資を検討しても遅くはないはずです。
そもそも仮想通貨は実際の需要があって初めて値段が上がっていくものですね。いくらキレイな絵を描こうともそうした需要が生まれなければやはり「屑」です。であれば取引が始まって本当に使える仮想通貨なのかどうか見極めないとむしろ「投資してはいけない」と言ってもいいかもしれません。
ちなみにこの「XNC」については別の方が「「詐欺が疑われる仮想通貨(暗号通貨)」として取り上げています。
>>>詐欺が疑われる仮想通貨(暗号通貨)への投資
抜粋するとこのようなことが指摘されています。
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・アジアンペイという会社の口座で運用するという記載が出てきます。このアジアンペイという会社はXRCコインという仮想通貨に関して登場した詐欺会社と同じ会社と思われます。
・アンティークコインに投資して担保とするという主張ですが、これが事実であるとしても仮想通貨の価値担保になるかどうかは極めて疑問です。いずれも即時に換金するのが難しい資産ですし、勿論値下がりの可能性もあります。仮想通貨を買った人の多くが現金への換金を望んだら投資対象を即時に換金しなければならないはずなのですから話しになりません。そもそもこれらの資産に本当に投資しているのか確認のしようがありません。こんな投資をするのは担保価値の保全ではなく単なる「使い込み」です。
・XNCについては運営主体がNumismatic Labという会社です。住所を検索するとMade Simpleというバーチャルオフィスの住所です。つまり架空住所です。そもそも「Numismatic
Lab Ltd.」と英語の会社名で住所もイギリスなのにこのサイト(xnc-uk.com)は日本語でしか表記出来ないのは明らかに茶番です。イギリスの会社は明らかにダミーで実際には日本国内の詐欺グループが運営していると考えるのが妥当でしょう。
・「収納代行を行うエーティーエム社」というのが出てきますがこのエーティーエムという収納代行業者はオーシャンコインの検証でも登場しており、リディアリッチ系列の詐欺グループが立ち上げたグループ企業とされています。
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なかなか渋い状況ですね!
やはり慎重な判断が必要ということです・・・。いずれにしても、実際に取引所で取引されるまでは「投資してはいけない」ということは間違いなさそうです。
参考になさってください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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