2013年4月に「異次元緩和」が発表されたのち、市場金利は上下を繰り返しながらも全体的には大きく低下してきました。
そうした傾向を加速させたのが2016年1月末に発表された「マイナス金利政策」ですね。ただでさえ異次元のレベルにまで拡大した金融緩和をさらに強化するということですから金利がもう一段低下するのは間違いなかったわけですが、ここでいつものように長期金利の動きをチェックするとこのようになっています。
一時は当たり前のように「マイナス水準」だった長期金利ですが、ただ2016年後半から徐々に回復してきました。足元ではプラス水準となっています。これは2016年7月末に発表された追加金融緩和が期待外れだったことや、2016年11月以降の「トランプ相場」の影響です。
とすると更なる金利上昇を期待してしまいますが、残念ながら日銀は新たな金融緩和の枠組みにおいて長期金利を「ゼロ%前後」に固定することを目指しており、その水準から離れて大きく上昇することはなさそうです。実際、2017年以降は金利上昇はピタリと止まっています。
日本経済がインフレから抜け出し、金融緩和が縮小され、長期金利も預金金利も順当に上昇してほしいものです。
ただそんな低位安定を続けている長期金利ですが、良いニュースとなりそうなのが2018年7月末に発表された日銀の「金利変動幅拡大」で、これによって従来「−0.1%〜+0.1%」に操作されてきた長期金利が、「−0.2%〜+0.2%」まで容認されることになりました。
実質的には長期金利の「上昇容認」ということでいいと思いますが、これによって早速長期金利は上昇しており、本日の長期金利は「+0.105%」と節目の0.1%を上回って推移しています。
あくまで小幅な金利上昇ではありますが、これによって定期預金金利や国債金利が多少なりとも上昇することを期待したいと思います。
では気になる、今月の個人向け国債の金利はと言うとこうなっています。
◆個人向け国債
固定3年 : 0.05%
固定5年 : 0.05%
変動10年 : 0.09%
「変動10」の金利が久しぶりに0.9%に上昇していますね!
「変動10」はその名の通り期間10年の変動金利の国債です。半年毎に金利が見直されるので、今後、金利が上昇してもそのメリットを享受できるというなかなかオイシイ商品性を持っています。
通常この「変動10」のように半年毎に金利が見直されるということは「6ヶ月もの定期」を自動継続しているイメージとなりますので、金利も「6ヶ月もの定期」と似たようなものになる、というのが金利の常識です。今の6ヶ月ものの定期預金金利といえば・・・0.01%程度ですね。
ところが、この変動10年タイプは、上記の通り今月は0.09%ということですから、約9倍というわけですね。実際、民間ではこのような商品性の預金は提供されていません。商品性が良すぎるからです。
加えて、この個人向け国債の隠れたメリットが、商品設計上「0.05%より下がらない」という仕組みです。長期金利=国債金利ですから、2016年などは個人向け国債の金利もマイナスになってもおかしくなかったわけですが、そうならなかったのはこの仕組みがあるからですね。
そうしたこともあって、きちんとした専門家の方の多くがこの個人向け国債を推奨しており、金利への安心感も含めて「プロも認める金融商品」となっています。
また、個人向け国債は1万円から購入できるので、毎月、積み立て代わりに購入するといった利用方法も可能となっています。
一方、ネックとなるのは10年という期間の長さですが、これも利便性が考慮されていて、1年経てばいつでも中途解約ができ、そのペナルティも2回分の利息=1年分の利息相当分のみである点もポイントですね。
なお、個人向け国債はあらかたの証券会社で購入できますが、楽天証券では新規に口座を開設すれば最大で20,000円相当のプレゼントが提供されます。
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どうせ個人向け国債を購入するのであれば、こうした有利なキャンペーンを利用してみてはいかがでしょうか。
最後に、「それでも固定金利が良い」という人にはオリックス銀行のeダイレクト預金がこのような金利水準となっています(2018年8月現在)。
◆オリックス銀行/eダイレクト預金
・1年 : 0.25% ※キャンペーン金利
・3年 : 0.20%
・5年 : 0.20%
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こちらも商品性が良すぎる定期預金の1つですね。
参考になれば幸いです。
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