サラリーマンなら少なくとも一生に一度は経験するのが退職です。退職後のセカンドライフについて、精神的にも物理的にも準備ができている人は・・・稀ではないでしょうか。多くの方はセカンドライフについて漠然とした夢を抱きつつも、実際に行動に移すのは退職して落ち着いてから、と考えているように感じます。
同様に、実際に受け取るまではあまり思いが及ばないのが退職金の運用かもしれません。
実際、いくら手取りでもらえるかはすぐには分かりませんし、退職金の受け取り方も一括払いもあれば年金払いもあるわけで、すぐに決断できません。だとすればこれまた退職してからゆっくり考えようと思う人が多いのも理解できます。
慌てて退職金の運用先を決めるくらいなら、虎の子なわけですから、それくらい余裕をもって慎重な姿勢でもいいかもしれませんが、ではいざ時間に余裕ができて、退職金受取口座の普通預金に振り込まれた退職金の運用について考え始めた時、運用先としてはどういった商品がいいのでしょうか?
利便性を考えてそのまま普通預金に預けておく、という手もありますし、慣れ親しんだ定期預金を利用するというのも有力な選択肢です。
また、退職金の運用に関するアンケートを見るといつも上位に来るのが「日本株」です。株式投資に挑戦して、自分の腕一本で(正確には指一本かもしれませんが)、一攫千金を狙うというのは永遠のロマンなのかもしれませんね。
そうしたロマンで言うならよりハイリスク・ハイリターンなのがFXです。一時期の人気はないかもしれませんが、運用商品としてはしっかり根付きましたね。
それ以外にも、もっと間口が広いものとしては外貨預金や投資信託も定番ですし、個人向け社債や個人向け国債も金利次第ではありますが結構人気ですよね。ローリスクな点が受け入れられています。
後は不動産関連商品で言うとREITですかね。高い分配金が特徴です。さらにもう一歩踏み込んで、実際に不動産投資を検討されている方もおられるかもしれません。
こう書き出していくとたくさん出てきて目移りするというか、かえって頭がクラクラしそうですが、では退職金の運用先としてベストな商品はどれでしょうか?
・・・残念ながらもちろん、「これが最適!」などと言う商品はありません。どの商品にも一長一短がありますし、預金者の方々のニーズや、リスク許容度、投資経験もさまざまですので、当然、人によって出す結論は異なってくると思います。「ベストな商品は人によって違う」ということですね。
とは言いつつ退職金運用ならではの共通のポイントがあるのも事実です。たとえば、退職金運用で最も大切なことは何かといえば間違いなく「リスクをなるべく減らす」ということですね。
退職後は一般的には収入は年金だけとなりますので、現役時代と比べると大きく減ることになります。全てが生活費に回り、貯金する余裕がない、という方も多いのではないかと思います。とすると、仮に運用で損を出してもそれを収入で穴埋めするのは極めて困難ということですね。であれば、退職金の運用はなるべく「安全第一」というのが原則です。
また、別の見方をすれば、退職金の運用は「リスクを取る必要がない」とも言えるかもしれません。
老後の生活の良いところは、生活費の見通しが立てやすいという点です。子どもが増えることもなければ、新たな住宅ローンを抱え込むこともないでしょうから、出費はかなり正確に読むことができます。
加えて収入面も年金が中心なわけですから、これまたかなり正しく把握できます。収入と支出が概ね正しく把握できれば、必要な預貯金の金額も概ね正確に算出できるわけで、もしそれをクリアしているならあえて退職金をリスクにさらす必要は全くありませんね。
残念ながら預貯金が必要な金額に届かない場合もあるかもしれませんが、その場合はなおさらこれ以上預貯金を減らすわけにはいきませんので、やはり「リスクは取れない」ということになります。どちらにしても結果的にはリスクを取る必要がないということですね。
退職金運用に関する次のポイントを挙げるとすれば、1つ目と関連していますが「うまい話はない」ということです。
リスクとリターンは理論上も、現実的にも完全に相関しています。リターンの裏には必ずリスクがあります。
もしリターンしか見えない商品があれば、リスクが隠されてしまっているわけですから、さらに危険ですね。絶対、近寄らない方が無難です。
もちろん世の中にうまい話が全くないとは思いませんが、あったとしても絶対人に教えませんよね。その情報を独占し続けるかぎり利益を確保できるわけで、それを無償の愛よろしく見ず知らずの人に教えてあげるなんてことは絶対ありません。
その流れで行くと上記商品の中で「不動産投資」も同じことが言えます。簡単に儲かるような物件が売りに出されるはずがありませんね。もし仮に売りに出されたとしても不動産屋が自社で購入するか、あるいは適正水準まで販売価格を引き上げた上で販売するものと思います。
不動産投資に関連して、ワンルームマンション投資へのニーズは根強いですが、こうした投資で儲けた人を記者は知りませんし、リーマンショック以降、ワンルームマンション投資を提供する会社が次々と倒産した事実が、この投資の真実を雄弁に物語っております。
そのように考えていくと・・・退職金の運用先の中核は銀行預金、中でも定期預金が中心となるのは間違いなさそうですね。元本保証の商品はこれしかありませんので、「リスクをなるべく減らす」というポリシーに最適な商品と言えます。
もちろん普通預金も悪くありませんが、普通預金はいつでも引き出せるだけについつい出金してしまうリスクや、キャッシュカードの盗難など、金融犯罪の被害にあったときに一気に引き出されてしまう可能性もあります。
やはり・・・定期預金が無難ということですね。
逆に、虎の子の退職金を、金融機関の担当者に勧められるがままにポンっと一気に投資に回すのは絶対避けなければいけません。繰り返しになりますが、退職金の場合、損失が出たからと言って給与で穴埋めするわけにはいかないわけですからね。
くれぐれも退職金運用は「安全第一」でご検討ください。
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