ご存知の通り日本の国債残高は巨額になっておりまして、今後も安定的に国債発行を続けるためには、国債購入者の裾野を広げていくことが重要です。その切り札の1つとして登場したのが「個人向け国債」ですね。
広告等を通じそれなりにPRされていますので目にしたり耳にしたことがある方も多いかもしれません。
また定期預金などで資金集めができない証券会社にとっては、個人向け国債は預金性の資金を自社に預け替えてもらういいキッカケですね。そうしたわけで証券会社などはこの個人向け国債を積極的に販売しています。
では定期預金と個人向け国債を比べた場合、どちらが良いのでしょうか?
もちろん商品性が異なりますので一概には言えないわけですが、個人向け国債の注意事項を書いていくとこういうことになります。
1.発行、募集の時期が決まっている(いつも購入できるわけではない)
2.購入金額は1万円以上1万円単位などとなっている(小額では購入できない)
3.預金保険機構の対象ではない(国が破綻した場合に債務不履行となる可能性がある)
4.購入後1年間は中途解約できない
1については例えば「7日から30日」と言った募集期間となるので、月末月初などは購入できません。また「変動10」や「固定5」といった商品は3ヶ月に1回の発行なので発行月しか購入できません。
2についてはそのままですが、毎月コツコツ貯金しようとする方には不向きということです。
3については、国が破綻した場合にそもそも預金保険制度を維持できるのか、という話があり、必ずしも国債より預金の方が安全であるとは言えない気もしますが、ただ一方で、古くはアルゼンチンやロシア、最近ではギリシャのように国が破綻しかかると真っ先に棒引きされるのが国の借金であり国債です。
そう考えると国債を購入する場合、やはりそうした国の破綻リスクというのは頭の片隅で意識しておいた方が良さそうです。
とは言いつつ、日本の国債は世界的にも最も安全な資産の1つであるのは間違いなく、多額の金融資産をお持ちの方がリスクヘッジのために個人向け国債を大量に購入するということもありえるのではないかとは思います。
4の中途解約条項についてもそのままですが、悪い話ばかりではなく、1年経てばいつでも換金でき、ペナルティも直近1年の利息分のみということで決して重くはありません。ということは運用期間が3年や4年といった短めの資金でも十分活用可能ですね。
逆に。
ここまで個人向け国債の注意事項をご案内しましたが(一部はメリットでもありましたが)、利点は何かと言うと、最も特徴的なのは変動金利型の商品である「変動10」の存在ですね。
言葉どおり期間10年で変動金利の商品ですが、そもそも変動金利の商品というのは定期預金ではなかなかありません。
どうしても金利を固定したくなければ普通預金や3ヶ月もの・6ヶ月もの定期預金を自動継続していくのも手ですが、金利は残念ながら全く当てにありません。
一方、個人向け国債の「変動10」はそのように変動金利というユニークな商品性を持ちながら高金利が特長ですね。
>>>最新の個人向け国債金利はこちら(マネックス証券)
ネックとしては10年という長さがあるかもしれませんが、それも上記の通り1年経てばいつでも解約できてペナルティも軽いので、3年といった期間であれば十分おつりがきます。
そうしたわけで金利上昇メリットを狙いたいという方は個人向け国債の「変動10」を検討されてはいかがでしょうか。
ということで。
ここまでご案内したように定期預金と国債には商品性の違いがあり、それぞれ長所と短所がありますので、それを理解した上で、両方上手に活用されればいいのではないかと思います。
またあえて乱暴に言えば、たしかに定期預金と国債に商品性の違いはあるものの、大雑把に言えば「安全性の高い似たような商品」ととらえることもできます。
とするととりあえず金利を比べてみて、魅力的であればそこからしっかり比較・検討する、といった姿勢でもいいような気がしますね。上記の通り「変動10」については金利以上の魅力があったりするのではありますが。
定期預金で飽き足りない方は参考になさってください。
>>>最新の定期預金・個人向け国債金利比較/金利ランキングはこちら
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |