最近はよくインフレ・デフレという言葉を耳にするようになっています。
インフレというのは物の値段が上がり、お金の価値が下がるときで、デフレというのはその逆で、物の値段が下がり、お金の価値が上がるとき、ということですね。
で、日本は1980年代のバブル経済崩壊以降、ずっとデフレ経済が続いています。つまり、物の値段が下がり続け、お金の価値が上がり続けている、ということです。
お金の価値が上がるといわれてもピンと来ませんが、「金利が低い」のとほぼ同義語ですね。つまりデフレ経済というのは金利が低い状態、逆にインフレ経済というのは金利が高い状態、と言い換えても良いと思います。
では定期預金や定期預金金利にとって、このインフレとデフレ、どちらがいいのでしょうか?
定期預金金利は何が何でも高金利が良い、ということであればインフレの方がいいということになります。
しかし本当にそうでしょうか?
ポイントとなるのはインフレ経済の時というのは上記の通り「物の値段が上昇している」という点ですね。
仮に金利が5%だとしても、物の値段の上昇率=インフレ率が10%だとどうでしょう?
税金を考慮しなければ、1年後に定期預金500円が525円となる計算となります。一方で500円のハンバーガーセットが1年後には550円になるということですね。
1年前であれば、その500円でハンバーガーセットが購入できたのですが、1年経つと物価の上昇率の方が高いために利息でカバーできず、購入できなくなってしまう、ということです。
一方で金利が1%だけれど、インフレ率=−1%、つまり「物の値段が下落している」デフレの場合はどうでしょうか?
1年後に定期預金は505円にしか増えませんが、ハンバーガーセットは495円に値下がりしているために、10円のお釣りがくるようになりました。
つまり、インフレだと金利が高いから良い、デフレだと金利が低いから悪い、という単純な話ではなく、インフレ率と定期預金の金利の関係によって、インフレとデフレのどちらがいいのか変わってくる、ということですね。
上記の通り、いくらインフレでも、金利よりインフレ率の方が高ければ実質的に預金は目減りしてしまいますし、逆にデフレでも、金利よりインフレ率の方が低ければ実質的に預金は増えていきます。
では定期預金にとって、インフレが得なケースとデフレが得なケースとで比べるとどちらが多いのでしょうか?
実際には・・・デフレの方が得になるケースが多いと思います。デフレとは物価が年々下がっていく経済状態で、そう考えると定期預金の金利もある程度マイナスにならないと整合性が取れないわけですが、常識的にも、実務的にも、歴史的にも、定期預金の金利がマイナスになる可能性というのは極めて低いですね。
とすると、物価が下がっているのに、金利がつくわけで、定期預金の価値は見た目以上にどんどん高まることになります。
一方でインフレの場合は、物価上昇を見ながら徐々に定期預金金利が上がっていきますので、物価よりも金利上昇が遅行することが多く、その間はずっと預金が目減りしていくことになります。
デフレは金利が低いので定期預金には損、というイメージがありますが、その裏側にある物価の動向を考えれば、実際には真逆なことが多いということですね。
やはりインフレは怖いもの、特に預金者にとっては危険な経済状態である、という認識が重要ですね。参考になさってください。
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