これから定期預金や普通預金を貯めていこうと思っているだけでなく、どんな人にもそれなりに気になるのが、「みんなは一体どれくらいの金額の定期預金・普通預金を保有しているのか、という点ですね。
大まかな年齢別の平均保有金融資産はこちらでご案内していますので参考になさってください。
>>>預貯金の目安〜みんなはいくらくらい貯めているの?
今回はせっかくですのでもう少し深堀してみたいと思います。
例によってこうした家計調査は金融広報中央委員会の「知るぽると」が秀逸ですのでデータを利用させていただきます。
さてまずアウトラインですが、家計の平均保有金融資産の額はどのように推移しているとイメージされているでしょうか?デフレ、デフレと言われ続けており、実際に日本のGDPも完全に停滞していますので、横ばいもしくはわずかに減少とお考えになるかもしれません。
特にここ数年はリーマンショックや東日本大震災といった経済危機があり、増加しているイメージは持ちにくいですね。
では具体的にどうなっているかと言うと、金融資産の平均保有額はこのように推移しています。
・2004年 1,052万円
・2005年 1,129万円
・2006年 1,119万円
・2007年 1,259万円
・2008年 1,152万円
・2009年 1,124万円
・2010年 1,169万円
・2011年 1,150万円
・2012年 1,108万円
・2013年 1,101万円
戦後最長の好景気の最終年である2007年に1,200万円台に乗せたのが最後、やはりリーマンショックや東日本大震災の影響が大きいのかここ数年は減少傾向にある、ということですね。不景気、不景気と言われているわけですが、それを実感するような金額の推移となっています。
それでも平均で1,000万円以上をキープしているのは立派と言えるかもしれませんが。
ただしこの数字には注意点が1つあり、それは金融資産を全くもっていない方々の数字も含まれている、ということですね。普通預金も金融資産なわけですから、10代の若者を除けば、「金融資産を1円たりとも持っていない」というのはどういう状況なのか少しピンと来ませんが、こうした方々はまさに金額がゼロなわけで、人数にもよりますが、全体の平均値を大きく引き下げることになります。
そうした影響を排除したデータも「知るぽると」では公表されておりまして、つまり金融資産を1円でも保有している世帯だけの集計結果がある、ということですね。もちろん当サイトの読者の方はさすがに金融資産が1円もない、ということはないかと思いますのでこちらのデータの方がより適切かもしれません。
その「金融資産あり世帯」の平均保有金融資産額の推移はこのようになっています。
・2004年 1,424万円
・2005年 1,582万円
・2006年 1,488万円
・2007年 1,624万円
・2008年 1,508万円
・2009年 1,478万円
・2010年 1,542万円
・2011年 1,659万円
・2012年 1,539万円
・2013年 1,645万円
こちらを見ると随分と風景が変わってきますね・・・。リーマンショック直後の2009年には平均残高が1,478万円と大きく減少したものの、その後は徐々に回復し、特に直近の2013年のデータを見ると平均1,645万円ということで、この10年の中では2011年に次ぐベスト2位の金額になっています。
前者のデータでは2013年の金額=1,101万円となっていて、こちらは逆に「下から数えて」2004年に次ぐワースト2位となっているわけで、つまり・・・数字の上からも二極化が進んでいることがよく分かります。
特に2013年は株式相場の上昇が後者の「金融資産保有世帯」の金額を押し上げた面があるのではないかと推測します。景気の先行指数である株式が先に上昇する傾向にある景気の回復局面では、かえって持つもの・持たざるものの差が開くという皮肉な状況になりやすいのかもしれません。
では本題に入っていきますが、後者の「金融資産保有世帯」の保有金融資産がどうなっているかと言うと、2013年のデータではこうなっております。
金融資産保有額 1,645万円
・定期預金 555万円
・普通預金 350万円
・金銭信託 9万円
・生命保険 262万円
・損害保険 39万円
・年金保険 98万円
・債券 50万円
・株式 136万円
・投資信託 92万円
・財形貯蓄 37万円
・その他 17万円
いかがでしょう?結構分散していますね!定期預金555万円、普通預金350万円が平均とのことですが、思ったより普通預金の割合が大きいですね。ちょっともったいない気もします。
また日本の家計は保険が多いのが特徴ですが、保険類をまとめると399万円ということでやはり結構なボリュームとなってきますね!よくFPが家計診断を行うと「保険の掛けすぎ」が指摘されるわけですが、それも分かる資産配分となっています。
一方、株式と投資信託は合わせて228万円と、諸外国と比較すれば控えめです。特に2013年は株価が1.5倍くらいになりましたから、それを考慮すればもともとはもっと少なかったということですね。
もちろん日本の株価は80年代のバブル崩壊以降、基本的には右肩下がりでしたので「投資をすれば損をする」状況が長らく続いてきました。株式投資に慎重になるのも当然かもしれませんが。
そうしたわけで、みんなが定期預金や普通預金をいくら持っているのか?という質問に対する回答としては、現時点では「定期預金555万円・普通預金350万円」というのが最も適切な回答になってくるのではないかと思います。
あくまで平均値ということですが、仮にこうしたバランスが多いのだとすると繰り返しになりますが、ちょっと普通預金の額が多すぎる感は否めませんね。定期預金は基本的にはいつでも解約できますから、普通預金は100万円くらいにしておいて残りは定期預金にしてしまってもいいと思います。つまり「定期預金805万円・普通預金100万円」くらいの比率にしておく、ということです。
そうしておけばついつい使ってしまう、というリスクもかなり抑えられますし、仮にキャッシュカードの盗難や、不正送金被害にあったとしても、被害は普通預金残高の範囲内に収まるわけで、より安全・安心と言えます。
しかしこれが20代や30代も含めた金融資産保有世帯の「平均値」なわけですから・・・やはり、一般的にはみなさん、相応にしっかり貯めておられるということですね。すばらしいことです。
参考になさってください。
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