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景気がよくなると定期預金金利が上昇する理由


これまで当サイトでは繰り返し、いろいろな形で金利のメカニズムについてご案内してきましたが、その真髄を一言で言えば、「景気がよくなれば金利が上昇し、景気が悪くなれば金利も低下する」ということになります。

そういえば記者も中学か高校の授業でこの現象について学んだような・・・もちろん当時はちんぷんかんぷんでしたが。

それはさておき、一般市民の方々は、この金利メカニズムについて詳しく知る必要はなく、まさにその結論だけ理解していれば十分なわけですが、一方、金融関係者や専門家の方々はそうはいきません。と言うのも金利は経済の体温のようなものですので我々が思う以上に大切な指標であり、その動きは、株式相場や為替相場に大きな影響を与えるからですね。

と言うことで素人の記者が指摘するまでもなく、金融関係者には金利に関する相応の知識と理解、さらには一定の見通しが求められるわけですが、とあるWEB上の記事でこんな記述を見かけてしまいました。



FPの方が作者のようですがその「解説」をチェックしてみると、途中までは悪くないのですが・・・このくだりが圧倒的におかしいですね。

・金融機関は金利を上げて積極的にお金を貸し出し回収する

金利を上げることで貸し出しを積極化させる、と述べているわけですが、素人でもそのロジックがおかしいことが分かります。今、銀行が貸し出し競争に奔走しているのが住宅ローンですが、では住宅ローンの金利が上がっているかと言うとそんなことはありませんね。むしろ史上最低水準まで低下しています。

つまり金融機関が貸し出しに積極的になればなるほど金利は下がるわけで、金利が上昇する理由には全く当てはまりません。

あえて言えば、景気がよくなると多くの企業が銀行から借り入れをしようとするので、完全に「貸し手市場」となり、そうした力関係の変化が金利上昇の下地を作る、ということはあるかもしれません。つまりは「金融機関が金利を上げて積極的にお金を貸し出す」わけではなく「企業は金利が上昇しても積極的にお金を借りようとする」ことから、金利上昇が加速しやすくなる、ということです。

ただこれでも、なぜ景気が良くなるときに金利が上昇するかの説明としては全く不十分です。

結局のところ好景気のときに金利が上昇する理由とは、「中央銀行である日本銀行が政策金利を引き上げるため」ということに尽きるのですね。

その点ではむしろ、民間金融機関としては「日銀が政策金利を引き上げたので仕方なく追随する」といった関係性の方が正しいのかもしれません。金利が上がれば当然、借入しようという方は相対的に減るわけですから、金融機関の商売としてはマイナスとなります。

ではなぜ、景気が盛り上がっているときに、中央銀行である日銀は、金融機関からも企業からも感謝されない政策金利の引き上げに踏み切るのでしょうか?

それは好景気下で経済が過熱しすぎることをおさえるためですね。つまり日銀は、わざと金融機関や企業が嫌がることをするというわけです。

もし好景気のもとで金利が低いままだと、銀行はどんどんお金を貸すし、企業はどんどんお金を借りて設備投資を続けます。するとどうなるでしょうか?どこかで供給力が需要を大きく上回り、一気にビジネスが逆回転し始めるのですね。需要が足りないわけですから、作っても作っても売れ残り、大きな赤字を生み出していくことになります。つまりはバブルの崩壊ですね。

そのように経済が暴走し最後に大クラッシュするのを避けるために、景気の過熱を防ぐ日銀の最大の武器が「金利の引き上げ」なのです。

ただこのように書くと、こうした金融政策の「ブレーキ効果」が強調されますが、実際にはその反対の機能もあります。つまり、景気が悪くなってくると、中央銀行である日銀は反対に政策金利を引き下げてくるのですね!金利が下がれば企業活動はより積極的になりますので日銀は金利の引き下げによって経済の「アクセルを踏む」こともできるということです。

実際のところ、バブルが崩壊した90年代半ばから日銀は断続的に金利を引き下げてきていますが、これはまさにずっとアクセルを踏みっぱなしでここまで来た、ということになります。つまりはずーっと景気が悪かったということですね。

そんなわけでまとめるとこういうことになります。

・景気が良い時 : 日銀は、景気が過熱しすぎてバブルが起きないよう、金利を引き上げて「ブレーキ」を踏む。
・景気が悪い時 : 日銀は、景気を下支えするために、金利を引き下げて「アクセル」を踏む。

上記引用部分を修正するとこんな感じですかね。

「物価が上がる ⇒ 企業の売上(業績)が上がる ⇒ そこに勤める社員の給料やボーナスが上がる ⇒ その家族の家計に余裕が出る ⇒ 買い物でお金を使うようになる ⇒ モノが売れるので企業は更なる設備投資を始める ⇒ 景気が過熱し始める ⇒ バブルが発生しないよう中央銀行である日銀は経済のブレーキを踏むため金利を引き上げる ⇒ 金融機関もそれに追随し、金利を引き上げてお金を貸し出し回収する ⇒ 個人の預金者にも高い利子を支払うことができる」

つまりはなんだかんだと言って、金利は金融政策によって決められてしまう部分が大きいということですね。それは定期預金金利も住宅ローン金利も変わりはありません。

逆に言えば今後の金利見通しを立てようと思うと、日銀の金融政策がまだまだ低金利維持なのか、それともそろそろ金利を引き上げようと思っているのかを把握することが一番大切ということですね。

異次元の金融緩和が実施され、追加金融緩和の実施が確実視されている現状では、日銀が金利引き上げに転じるのはまだまだ先というのは間違いありませんが・・・。

参考になれば幸いです。


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