当コラムの執筆にあたり、何気なく定期預金関連のニュースを検索してみたところ・・・多いですね!銀行員による横領事件が。最近だけでもこれだけの横領事件が発生しています。
・10人から預金4,500万円着服 十六銀行員解雇
・定期預金3千万円を無断解約 容疑のハナ信組元支店長を逮捕
・三菱東京UFJ元行員、預金着服容疑で逮捕 「ぜいたくな暮らしするため」 33人の口座から1.1億円か
・懲戒解雇:掛け金など3600万円着服疑い JAいずみ、職員を
・横領?:預金1300万円 県信漁連が県警に告訴 職員関与の疑い
・横領:顧客預金7830万円 JAいわて花巻の支店長代理
感覚的なものですが、月1件は報道されているイメージでしょうか?もちろんこれは氷山の一角ですね。各金融機関が発表していなかったり、逮捕・起訴・告訴されていないもの、はたまた発表されたけれど報道されていないものも含めればその10倍・100倍の横領事件が発生しているのだとしても驚きません。
こうした事件が発生する理由は簡単ですね。お金がなくて困ったときに目の前にお金があったり、簡単に引き出せたり、着服できるチャンスがあれば魔がさしてしまうということは、もちろんしてはいけないことではありますが、状況を理解することは容易にできます。
銀行員と言えば平均的には高給取りなわけであり、かつそれなりの就職戦争を勝ち抜いたのだとすれば、相対的にはこうした横領などの犯罪を犯す可能性は低いはずですし、そう信じたいわけですが、それでも一定割合の銀行員が横領してしまうということは・・・やはりお金には魔力があるということなのでしょうね。
1億円といった金額ならまだしも、3〜4,000万円といった横領金額であれば、その後もらえたはずの給料や退職金の総和より少ない可能性が高く、つまり全く損得勘定が合わないわけでその点でもまさに「魔が差した」と言えそうです。
その魔力の源泉はギャンブルや酒、異性といった、いかにもなものであれば同情する気にはなれませんが・・・。
しかしながら被害金額が結構大きいにも関わらずあまり積極的に報道されていないとすれば、人的被害が出ていないことに加え、最終的には銀行側が負担することにより、「経済的な被害も出ていない」という点が大きそうです。
上記紹介した記事でも、弁済に触れていないものもありますが、書かれているものについては
・本人が弁済した
・親族が弁済した
・銀行が弁済した
といった形で、預金者に不利益が出ていない状況が示唆されています。
容疑者がクビになり被害額が弁済されれば、基本的には一件落着ですから、ニュースバリューが下がり報道されにくくなるというロジックはあくまで仮説ではあるもののあり得そうですね。
とすると預金者からすれば何かあっても銀行が補てんしてくれるわけなのであまり心配せず安心して利用してよい、ということになります。特にいわゆる「渉外」のような家に来てお金を預ける場合にはこうした銀行の信用力は一定の安心感があります。
しかし。
何事もそうですが、無条件に、無防備に預けるのはよろしくありません。ではこのような銀行員の横領事件に関して肝に銘じておくことは何なのでしょうか?
もちろんその答えは1つではありませんが、間違いなく言えるのは「銀行が弁済してくれるのはその行員が本当にその銀行の行員である場合だけ」ということですね。
仮に行員でも何でもない人が例えば三菱東京UFJ銀行員を騙り、資金をだまし取ったとしても、三菱東京UFJ銀行がその被害を補てんしてくれるわけがありません。銀行はそこまでお人好しではないですね。
とすると利用者として最低限気を付けないといけないことは、その人間が本当にその銀行のスタッフかどうか確認することが重要、ということです。
もちろん名刺など何の役にも立ちません。簡単に偽造できますし、そこに記載されている電話番号も全くあてになりません。
大切なのはネットで調べるなり、電話帳で調べるなり、実際に店舗に行って聞くなりして、直接、自分の力でそのスタッフの存在を確認することです。
面倒かもしれませんが一度、「身元調査」が済んでしまえばその後は万全の「銀行保証」がつくわけですからやっておいて損はないですね。特に上記の通り、自宅など銀行以外の場所でお金を預ける機会がある人はしっかり注意していただければと思います。
結局のところ、こうした横領というのはいつも顧客からの通報で判明するわけですからね。「直接確認」は預金者のみならず、銀行にとっても有益である、ということです。
参考にしていただければ幸いです。
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