子どももできたし、将来の学費に備えて学資保険でも入ろうか・・・と言った夫婦の会話は残念ながら過去のものとなりつつあるのではないでしょうか?そもそも子どもの数が減ってきていることに加えて、低金利時代においては学資保険であっても大した運用ができるわけではないからですね。
実際、記者もこの10年に「学資保険」という単語を聞いたのは1、2回しかなくすっかりマイナー商品という認識ですが念のため調べてみると、2013年の調査では10歳未満の子どものいるご家庭のうちで、学資保険に加入している人は・・・何と約6割とのことです!
何かの間違いではないかと思うくらい高い割合ですね・・・。
ちなみに別の調査では2011年度の出生数は約105万人である一方、学資保険の新規契約数は66万件であり、こちらも約6割となっています。
つまり記者の完全な勘違いで、学資保険は子どもの数の6割をカバーする強大なガリバー商品である、ということになります。なるほど、おみそれしました・・・。
それはともかくとして学資保険のメリットを 挙げれば大きくは以下3つではないかと思います。
1.計画的に学費を準備できる
2.払った保険料より多い教育資金を受け取れる
3.契約者(親)がなくなった場合、保険料をはらわなくても契約通りの教育資金を受け取れる
ということですね。
確かにこうメリットを挙げれば魅力的な商品にも感じますが、一方でよく考えるとそのメリットは限定的な気もします。
まず1の「計画的に学費を準備できる」 というのはその通りですが、ただこれは自分で積み立て預金をすれば代替できますし、そもそも子どもが小さいうちに大学に行くのかどうか、行くとすれば国公立なのか私学なのかなど全くわかりません。
とすると大学受験が現実的になった時点で、より確度の高い教育費を貯金し始めるという手もあるはずです。
次に2の「払った保険料より多い教育資金を受け取れる」という貯蓄性についてですが、その利回りは18年かけて+7%〜14%といった感じのようですので、年間の利回りは+0.3%〜+0.5%といった感じになりそうです。
だとするとより金利の高い定期預金を利用していった方がさらに高い利回りが期待できそうですね。仕組み預金などを活用すれば平均利回りは0.6%を超える場合もありそうです。
一方で定期預金では絶対に代替できないのが3の「契約者(親)がなくなった場合、保険料をはらわなくても契約通りの教育資金を受け取れる」という点ですね。これについては学資保険ならではの一定の安心感を感じることができそうです。
とは言いながら大学卒業時の親の年齢を50歳前後とすると、統計的にはそうした年齢でなくなってしまう割合はかなり低いと思います。安心感はよく理解できるものの、実際に「入っていて良かった!」と感じる可能性はそれほど高くはなさそうですね。もちろんそれでいいわけですが。
加えて、子どもがいる親はおそらく生命保険の1つや2つは入っているでしょうし、住宅ローンだって万が一の場合は団体信用保険によってチャラとなります。そのように考えると一定のセーフティネットはすでに確保されているということになります。
そんなわけで記者の知らないところで圧倒的なガリバー商品となっている学資保険ですが、定期預金と比べて必ずトクかと言われるとそういうことはなさそうですね。「入っていてもいいが、入っていなくても困らない保険」という位置づけと考えて良さそうです。
とは言いながら、逆に「定期預金が学資保険に比べて必ずトク」ということもありませんのでその点では、無理のない金額を多少掛けておくというのは悪くはなさそうです。
しかしながら、そのように安心感を与えてくれる学資保険ですが、満期の前に解約してしまうと多少なりとも「元本割れ」する可能性があるようです。その点からも「無理のない金額で」というのが大前提ということですね。
参考にしていただければ幸いです。
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