当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、定期預金などの銀行預金の魅力の1つに「その資金はどこまでも自分のもの」という点が挙げられるかもしれません。つまり、好きな時に引き出せて自由に使えるということです。
これが株式投資の場合はまさに株式に変わってしまうわけで、少なくともその資金は売り手に渡ります。不動産投資も同じですね。
証券、債券、投資信託などもすべからくそのお金は相手に渡るわけで、単に「銀行に預かってもらっているだけ」の預金とは根本的に性質が異なります。だからこそ預金は他の投資商品と比べると安全性が高いと言えます。
そんな「預かってもらっているだけ」の定期預金ではありますが、残念ながらいくつかのケースで預金口座が凍結され自分のお金なのに引き出せない、という悲しい事態が起こりえます。
その最も典型的な場合というのは「相続」でしょうか。つまり、名義人が亡くなってしまい誰が正当な受取人かわからなくなってしまうケースですね。そうした場合には銀行としても間違った人に預金を渡すわけには行きませんので、口座が凍結され、正当な受取人が誰かの確認作業が行われます。
仮にそうした作業を怠って払い出してしまうと銀行が訴えられてしまう可能性もありますので、慎重になるのは当然です。
また、キャッシュカードや通帳、ハンコを紛失した場合でも口座が凍結されるのではないかと思います。これまたそれらを手に入れた不当な持参人に預金を払い出すわけにはいきませんので、新たなキャッシュカード、通帳、ハンコの発行・登録が終わるまで残念ながら口座が凍結されることになります。
これらはいずれも預金保護の観点から行われるもので、預金者としても一定のメリットがあるわけですが、それらと一線を画すのが「不正取引を疑われて口座凍結されてしまうケース」ですね。
具体的には大きく「不正に口座から出金されていると疑われるケース」と「不正なお金が入金されていると疑われるケース」の2つに分かれ、前者については引き続き預金保護と言えますが、後者については預金者自身が疑われているわけで、これまでのケースとは全く次元が異なりますね。
「そんな疑われて口座が凍結されてしまうことなんてあるの?」と思われるかもしれませんが、ネットでの投稿などを見るとそれなりの数が発生しているようですので、預金者として知っておきたい事象と言えそうです。
その理由としてはもちろん、不正送金やオレオレ詐欺などの犯罪資金の受け取り口座となるなど、完全に「クロ」の場合もありますが、違法性のある事業者から資金を借りただけの「グレー」なケースや(預金者に罪はないという点では「シロ」と言っていいかもしれませんが)、オークションで頻繁に売買していたらいきなり凍結されてしまったという「シロ」の場合もあるようです。
本当に「シロ」かどうかは本人しかわからないわけですが、ただ少なくとも本人がシロと思っていたのに凍結されてしまった、ということはあると思います。たとえば本当は偽物や盗品を販売したわけではないのに、そう疑われて凍結されてしまうということでしょうか。
あるいは実際に不正送金の被害にあった人と取引をしてしまったために、その送金先=クロとして一斉に凍結されてしまうこともあるかもしれません。
いずれにしてもこうした口座凍結は「予防的」に行われることがあり、そうなってくると一定割合で「シロなのに凍結される」事態が発生することになります。そうした場合にはどうすればいいのでしょうか?
まず慌てなくてよいのは、いくら口座が凍結されても、その定期預金などの預金が自分のものであり、自分のお金であるという事実は揺るがない、ということですね。つまりは最終的に「シロ」と判明した時点で凍結は解除されます。
恐らく口座凍結される前に事前に連絡があるケースもあると思いますが、仮になくても銀行に電話をしてきちんと説明すれば凍結を解除してくれるものと思います。
とは言いつつ銀行としても不正が疑われる口座の凍結解除をすぐにしたくないのが正直なところではないかと思います。もし誤って解除してしまうとそのリスクは自分たちに降りかかってくるからですね。
しかしながら預金者としては1分1秒でも早く解除してほしいわけで、そこで利害が対立します。そうでなくても人手不足等の問題で手続きが後回しになることもあるでしょうからね。
そうした場合に役立つのが「外圧」であり、具体的に言えば監督官庁である金融庁を利用するということですね。銀行行政に対する苦情受付窓口に電話すればかなりの確度で対応が早まる可能性があります。銀行からすれば当局に対する面倒な報告義務を負いたくないはずだからです。
それでも埒が明かない場合は・・・最終的には弁護士を利用するということでしょうか。実際に裁判を起こさなくても弁護士名で内容証明郵便を送るだけでかなりの効果があると思います。弁護士についても無料相談窓口がありますので、困った場合は利用してみてはいかがでしょうか。
ただ実際のところそこまでこじれることはないと思います。まずは銀行に電話し、きちんと説明をし、いつまでに解除してもらうのかしっかり聞きだすだけで十分ではないかと思います。
いずれにしても繰り返しになりますが、銀行が預金者の定期預金を奪ってしまうということはありませんので落ち着いて対応いただければと思います。
参考にしていただければ幸いです。
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