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資産運用と定期預金、どっちがお得?


最初にお断りしておきますと、タイトルの「資産運用」と「定期預金」は対立する概念ではありません。むしろ資産運用の中の1つの方法が「定期預金」という意味においては、定期預金は完全に「資産運用」というくくりの中に内包されているわけですが・・・今回のタイトルは、これまでの韻を踏襲した言葉遊びとご理解いただければ幸いです。

ただあえて「資産運用」と言う言葉を選んだのには理由がありまして、久しぶりに「資産運用をしないリスク」を語る記事に出くわしたからですね。「資産運用をするリスク」というのは皆さん、よくご存じのことだと思いますが、では「資産運用をしないリスク」というのは具体的にどういったことが挙げられているのでしょうか。記事から引用していくと以下のような点が指摘されています。

1.アメリカでの個人の金融資産における株式・投資信託の割合は45%であるのに対して日本は14%であり、結果としてアメリカの個人金融資産は大きく増えた。

2.マイナス金利政策に伴うインフレや円安で日本円での資産が目減りするリスクがある。

3.日本の金利は海外の金利と比較して2〜3%低く、長い目で見れば大きく見劣りしてしまう。

いつもどこかで聞く話であり、逆に言えば一定の説得力があるわけですが、実際にはどうなのでしょうか?こうした指摘は正しいのでしょうか?1つずつ見ていきたいと思います。

まず1つ目の個人金融資産におけるリスク資産の割合については日本の場合、低いのは間違いないと思います。ただそれは国民性であったり、金融に関する知識が低いから、というわけではありません・・・おそらく。

想像するにその理由はとてもシンプルで、「アメリカの場合は長期投資が報われたけれど、日本の場合は長期投資が報われなかった」という点に尽きるのだと思います。NYダウの1980年からのグラフはこうなっています。



多少のデコボコはあるものの、全体的には右肩上がりで推移しているわけですね。であれば資産運用として株式や投資信託に積極的に投資してみようと思うのは自然です。

他方、日経平均はと言うとこうなっています。



90年前後のバブル崩壊から絶賛下落中ですね。昨年は一時2万円を超え、ようやく本格的な回復局面に入っていくのかと期待されましたが、足元では1万6,000円台ということで再び失速しています。

要するに日本株に何年投資しても全然儲からないばかりか損してしまった人も多いわけで、そのように実績が全く伴わない中で株や投資信託での資産運用の人気が高まるはずがありません。

逆に言えば、この30年間は、「日本株に投資しないことこそベターな資産運用だった」可能性が高そうです。

2つ目のマイナス金利政策に伴うインフレや円安で日本円での資産が目減りするリスクがある、というのはどうでしょう?

確かに経済学としてそうしたリスクがあるのは全く正しいですが、とは言いつつ現実問題としてそうしたリスクを実感をもって感じるのは難しいと言えます。

日銀は過去30年間、金融緩和を拡大し続けてきたわけですが、では大幅なインフレや極端な円安が起きたことはあったでしょうか?答えはもちろん「ノー」です。

つまり今回の「マイナス金利」政策をもってしても十分なインフレや円安が起こる可能性は低いということですね。

実際のところマイナス金利始動後の足元の物価はインフレというよりデフレの状態ですし、為替相場も円安どころか急激な円高となっています。

やはり残念ながら、マイナス金利によってインフレや円安が起こると予想するのは難しいですね・・・。それだけ少子高齢化に伴う「デフレ&円高」パワーは強いということなのでしょう。

しかし何より引っかかったのは3つ目の、日本の金利は海外の金利と比較して2〜3%低く、長い目で見れば大きく見劣りしてしまう、という指摘ですね。

一見、尤もらしいですが、では実際にずっと外貨預金を利用して資産を大きく増やした人の話を聞くでしょうか?

・・・聞きませんよね。なぜ聞かないかと言うと、そうした「金利差」によって資産を大きく増やすのは難しいからです。なぜ難しいかと言うと、自由な為替相場のもとでは、金利が高い通貨はどんどん価値が下がっていき、金利が低い通貨はどんどん価値が上がっていくからですね。

要するにいくら5%の利息がもらえる通貨でも、価値が毎年5%ずつ下がっていくのであれば実質的には全く増えていない、ということです。

実際、金利が相対的に高かった米ドルと、金利が相対的に低かった日本円との為替動向を見てみると超長期ではこのようになっています。



やはり米ドルは右肩下がりで下がっておりますね。要するにいくら金利差があっても為替相場の動きによってバッチリ補正され、円高ドル安に向かい、結果として米ドル資産が円建てでは思ったほど増えない、ということです。

つまりは長い目で見れば、通貨ごとの金利差というのはほとんど意味がないということです。それが分からないということは・・・恐縮ですが書かれた方は金融に関しては素人、ということなのでしょうね。

そうしたわけで上記の指摘はいずれも説得力が弱く、「資産運用しないリスク」が少なくとも現時点でそれほどあるとは思えません。焦らず、落ち着いて、資産運用の是非を検討していただければと思います。

なお、 それでも本格的な資産運用を予定されている方に記者からアドバイスするとすれば「誰が見ても絶好の投資のタイミングを待つ」ということでしょうか。我ながら当たり前のことを書いておりますが・・・。

資産運用の本などを読むと、タイミングは関係ない、という指摘も見かけますが、リーマンショックを体験した者からするとやはり絶好のチャンスはあるように思えます。要するに十分な「円高株安」局面がその時ですね。

具体的には為替相場で言えば80円近くまで円高が進み、日経平均で言えば1万円を割る水準まで株安が進めば、絶好の機会と言えるのではないでしょうか?

世の中にはビジネス面で、「預金者が保守的なままでいるよりは、積極的に投資をしてもらった方が好都合」と考える人・企業の方が圧倒的に多いわけで、上記のように尤もらしい理屈で投資を勧められる事がままありますが、本当にそうなのかじっくり精査していただければと思います。

なお、「日本では資産運用で長期的に勝ち続けている人はなかなかいない」という点は頭の片隅に入れておいてもいいかもしれません。

相場が過熱した時にはたくさんの投資成功者が出てきますが、残念ながらそうした方の多くがその後の相場下落のタイミングで姿を消します。やはり世の中にはウマい話はない、ということですね。

参考にしていただければ幸いです。

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