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トランプショックで金利はどこまで上昇する?


このコラムを執筆している2016年11月現在、アメリカ次期大統領にトランプ氏が選ばれたことから金融市場が大きく動揺しています。具体的には株高・ドル高・金利高と「トリプル高」と言える状況ですね。

もちろん、上昇しているということはそれだけ期待値が高いということですから、「動揺」という表現は適切ではないかもしれませんが、しかし金融市場はトランプ氏勝利を予想していなかったと思いますので、大きなサプライズを伴ったという点では「動揺」という表現の方がしっくりきます。

株高も、ドル高も、金利高も、日本の預金者にとってはwelcomeということではないかと思いますが、特にこうした「トランプショック」の中で注目を集めているのが最後の「金利高」ですね。最近の金利の動きはアメリカ・ドイツ・日本でこのようになっています。



つまり三国ともに上昇しているわけですが、アメリカやドイツの急激な上昇もさることながら、日本の長期金利もマイナス圏からついにプラス圏に浮上したという点でかなりエポックメイキングな出来事と言えるかもしれません。2月以来ですから、9ヶ月ぶりにプラス金利の世界に戻ってきた、ということですね。

とすると日本の預金者としては更なる金利上昇を期待してしまうわけですが、常識的に考えれば「これ以上金利上昇しない」理由の方が多くあります。

まず1つ目は、日銀が現状、長期金利の誘導目標を「0%」に設定している点ですね。もし仮に長期金利が0%を大きく超えてくれば、国債を無制限に購入することで0%に戻すことができます・・・理論的には。

後は、いったい長期金利がいくらになるとそうした措置に出るのか、またそのような「無制限購入」ということが物理的に可能なのかどうか、というのがポイントになってくるわけですが、多少の攻防はあっても最終的にはやはり日銀の思惑通りの金利水準になってくるのではないかと思います。

つまり何だかんだ言って長期金利は「0%前後」という水準に落ちつくのではないか、ということですね。だとすると預金者の期待は裏切られることになります。

2つ目は、今般の金利上昇が「トランプショック」に基づく金融市場の動揺なのだとすれば、早晩落ち着いてくる可能性が高いということですね。トランプ氏の公約はいずれもかなり実現のハードルが高いことを踏まえれば、実際の政権運営はかなり「現実的」なものになるかもしれません。

とすると今の期待は徐々に冷めてくるのではないでしょうか。相場の動きはこれまでと逆の動きをすることになりますので「株安・ドル安・金利安」の「トリプル安」が起こるということですね。アメリカ経済にとってはその方がいいような気もしますが・・・。

他方で、トランプ政権が公約に忠実で、より挑戦的な政権運営を行うのであれば、それはそれでアメリカ経済には負の影響が大きいと思いますのでやはり「株安・ドル安・金利安」の「トリプル安」が起こりそうです。

また、そうした理由で再び円高が進めば日本経済には「デフレ圧力」が強まることになりますので、仮に日銀が物価を刺激するため追加緩和に踏み切ることになれば、今度は日本の金利がダイレクトに低下することになります。

そうしたわけでやはりフツーに考えると、こと日本の長期金利については早晩どこかで金利上昇が頭打ちとなり、再び0%前後、あるいはマイナス金利水準まで戻っていく可能性が高そうです。

ただ、今年は何度も予想が外れるサプライズが起きていますので、仮にこのまま日本の金利がどんどん上昇していくケースというのはどういう場合が考えられるのでしょうか?

あり得るとすれば、日銀が無理に長期金利をコントロールしなくても物価が上昇していくケースですね。

何も日銀は金利を下げたくて金融緩和を行っているのではなく、景気を刺激し、物価をインフレ状態に持っていきたくて金融緩和を行っているのです。

仮にどんどん円安が進み、原油などの資源価格が回復してくるのであれば、インフレ圧力が再び強まることになりますので、多少の金利上昇は許容するかもしれません。

円安が進んでいるところで金融緩和を実施すれば円安が加速することから、「為替操作をしている」と指摘されるリスクもありますからね。

あるいは日本の国債が売り浴びせられて日銀が何等かの理由で買いきれないと、歯止めを失い国債価格が暴落し、金利が急上昇する可能性はゼロではありません・・・まぁ、限りなくゼロではあるでしょうけれど。

とは言いつつ結論としてはやはり、アメリカやドイツの金利はともかく、日本の金利がここから大きく上昇することは考えにくいというのが正直なところですが、それでも日銀が仮に「−0.1%〜0.1%」の間なら「0%前後」として許容するということであれば、長期金利がその上限である0.1%に張り付く、といったことは十分考えられます。

仮に「+0.1%」でも、これまでのマイナス金利の世界からすればはるかにマシですね。定期預金金利も多少上昇するのではないでしょうか。

上昇し始めた日本の金利がどこまで上昇するのか注目です。

参考にしていただければ幸いです。

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