前回のこちらのコラムでご案内したように金融広報中央委員会の調査では、過去10年の「金融資産を持っている世帯」の金融資産の保有額はこのように推移しています。
2016年の数字は過去最高だった2015年の数字と比べればやや見劣りするものの、それでも平均残高=「1,615万円」、中央値=「950万円」というのはかなりの高水準です。
この保有金融資産を年齢別に切り分けてみるとこのようになります。
・20代 : 平均残高385万円 うち預貯金307万円 うち定期預金150万円
・30代 : 平均残高612万円 うち預貯金362万円 うち定期預金109万円
・40代 : 平均残高939万円 うち預貯金472万円 うち定期預金222万円
・50代 : 平均残高1,650万円 うち預貯金786万円 うち定期預金451万円
・60代 : 平均残高2,202万円 うち預貯金1,236万円 うち定期預金714万円
・70代以上 : 平均残高1,963万円 うち預貯金1,198万円 うち定期預金759万円
なかなか壮観な金額ですね。特に40代の平均金融資産残高が939万円のところ、50代になると一気に1,650万円まで跳ね上がります。さらに60代では2,202万円ですから、みんな熱心に貯金している、ということのようです。
ではなぜこのように貯金されているかと言えばその目的はこのような回答となっています。
「予想通り」ということではないかと思いますが、圧倒的に多いのが「老後の生活資金」ですね。書き出すとこのような順位になります。
・1位 : 老後の生活資金 70.5%
・2位 : 病気や不時の災害への備え 63.7%
・3位 : こどもの教育資金 28.8%
・4位 : とくに目的はない 22.2%
・5位 : 耐久消費財の購入 13.8%
・6位 : 旅行・レジャー資金 12.7%
・7位 : 住宅資金 12.5%
・8位 : こどもの結婚資金 5.8%
いずれにしても「将来に対する備え」というわけですが、ではその1位となった「老後の生活」について、心配の有無はどうなっているかと言うとこのようになっています。
楽天的に考えている方は少数派ということですが、具体的な割合はこうなっています。
・それほど心配していない : 15.9%
・多少心配である : 43.0%
・非常に心配である : 40.4%
・無回答 : 0.7%
要するに心配されている方が何と8割以上ということですね!これだけ豊かな日本に住んでいながらここまで悲観的ということは、財政や年金問題などがあるとしても、もはや文化であり国民性である気がしてきます・・・。
それはともかくとして、では老後の生活に悲観的な理由はと言うとこういうことですね。
上位2つが圧倒的ですが、1位はやはり「年金や保険が十分ではないから」で73.4%、2位は「十分な金融資産がないから」で69.9%となっています。
ではその年金の見通しですが回答結果はこのようになっています。
具体的にはこういうことですね。
・年金でさほど不自由なく暮らせる : 4.0%
・ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる : 48.0%
・日常生活費程度もまかなうのが難しい : 46.2%
・無回答 : 1.7%
「不自由なく暮らせる」のがゴールなのかどうかは分かりませんが、少なくとも日常生活費はカバーしてくれないと困る、ということなのであれば合格ラインに達しているのは約半分ということで・・・なかなか厳しい状況です。
ただそうした悲観的な見通しが貯金の原動力になっているのであれば必ずしも悪いこととは言えなそうですね。
現実的には老後生活に入っているシニアの方々のほとんどが経済的に自立した生活を送っている点を踏まえればそこまで悲観的になる必要はないのでしょうけれど、「備えあれば憂いなし」ですし、お金がなくて困ることはあっても、お金があって困ることはまずありません。
さらにこうした貯金は「どれだけ早く始めたか」が相当効いてきますので、「後になって悔やんでみても遅い」という点でも、どんな動機であれ早めに貯金習慣を始めることは良いことですね!
将来に対して過度に悲観的になる必要はないとは思いますが、まだ本格的に貯金されていない方はぜひこうした統計データを参考にご自身のマネープランを計算してみてはいかがでしょうか。
参考にしていただければ幸いです。
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