貯蓄を進めていくにあたって、周りのみんながどれくらい貯めているのか気になるところですが、金融広報中央委員会から2018年の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」が発表されていますので早速チェックしてみたいと思います。
まず気になる金融資産の保有額ですが、「金融資産保有世帯」に限ればこのようになっています。
2017年には1,729万円の高水準だったものが、2018年にはなぜか1,519万円に大きく減少していますね。経済情勢を考えれば不自然な動きです。全国8,000世帯への調査ということですので偏りは考えにくいですが、異常値と捉えておいた方が良さそうです。
ただそうだとしても金額自体は高額ですが、その内訳は前年比でこういうことですね。
・預貯金:937万円→667万円
・保険:425万円→503万円
・有価証券:311万円→292万円
・その他金融資産:56万円→57万円
やはり預貯金がいきなり300万円近く減るのは不自然です。何があったのでしょうね。ちなみに総務省が発表した「家計調査/貯蓄・負債編・二人以上の世帯」では、貯蓄現在高はこうなっていました。
2017年は「1,812万円」となっており、やはり上記「家計の金融行動に関する世論調査」の今年の数値がおかしいのでしょうね。
なお中央値を見てもこれまで切りのいい数字だったものが今年いきなり787万円となっているのも印象的です。統計的にはこれまでの「950万円」や「1,000万円」という値が不自然であるようにも感じますが・・・。
というわけでその正確性については多少の疑義はあるものの、これから資産形成を進めようとされている方は参考にしていただければと思います。
ちなみに預貯金が667万円であるのに対して保険が503万円、有価証券が292万円と見るからに過大である点も気になりますね。もう少し預貯金の比率を高めた方がバランスは良さそうです。
さて上記数値は「金融資産保有世帯」のものですが、金融資産を保有していない世帯も含めた平均の推移はこうなっています。
2018年の平均は1,151万円ということで上記1,519万円から大きく減少しますが、読者の方で金融資産が1円もないという方はおられないと思いますのでこちらはあまり参考にしなくていいかと思います。
それ以外の調査結果としては「金融資産の保有目的」はこうなっています。
ベスト5はこういう結果です。
・老後の生活資金:65.6%
・病気や不時の災害への備え:61.1%
・こどもの教育資金:30.1%
・とくに目的はない:20.7%
・耐久消費財の購入資金:15.4%
順当な結果ですね。
最後に元本割れリスクについての調査結果はこうなっています。
元本割れリスクに対する許容度はジワジワ上がってきているように見えますが、それでも8割を超える方が「そうした商品を保有しようとは全く思わない」と回答しているのですね!
とすると平均292万円にもなる有価証券の中身って何なのでしょうね!?一部の投資家の資産が全体の平均値を大きく歪めているのでしょうか。
そうしたわけで所々、首をかしげるところがないわけではないですが、しかし貯蓄に関するこれほど大規模な調査というのは他にはあまりありませんので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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