大学卒業後、ずっと同じ会社に勤めてきました。ただ、その仕事も、私が辞めたら代わりの人が入ってやる程度のもの。私が辞めても会社は困りません。
20代の頃、手にした雑誌の記事に「今、何をしたらいいかわからない人は、とりあえずお金をためましょう。やがて自分のやりたいことが見つかるし、その時にお金は必要だから」とありました。若かった私は素直にそれに従い、貯金を始めました。額はいつの間にか数千万円となりました。でも、何も変わらずです。
才能のある人は一握りで、世の大半は平凡というのはわかっています。それでも「平凡が一番」といった言葉には満足できません。才能があって成功した人を羨ましく感じ、才能がない人には価値がなくて気の毒に思います。そんな私はこれからどう生きればいいのでしょうか。(大阪・A子)
<回答>
あなたの考える才能が具体的に何を意味するのかわかりませんが、すでにあなたは特別な才能をお持ちではないかと思います。
大学を卒業してから働き続け、いまや貯金が数千万円。能力がいかされないといっては転職を繰り返し、実家に寄生してふらふらしている中年も多い中、これを才能といわずしてなんというのでしょう。職場の人間関係に悩んでいる様子もありません。一つの会社でキャリアを積み、無駄遣いせずこつこつお金をためる堅実さはもっと高く評価されてもいいことです。
蓄財についてはもう十分成功したのですから、次に必要なのは行動です。当面使うあてがないなら、たとえば津波や台風で被災した地域の復興に役立てることを考えてみてはどうですか。直接の支援は無理でも、現地で活動する団体の後方支援や、企業の出資者となって再建を応援するシステムも整備されています。
非凡さは求めて手に入るものではありません。成功は必ずしも仕事と直結しません。自分を信じて何かを行う中で少しずつ充実感や誇りをもつことができたとき、平凡と思えた時間が彩り豊かなものに変化するのではないでしょうか。
今回は一風変わって、貯金を数千万円貯めながら平凡な自分を嘆く女性からの相談と、それに対する回答のコラムを取り上げてみたいと思います。
平凡かどうか。記者自身はあまりそういう悩みを持ったことはありませんね。むしろ悩みは劣等感のような、人より劣っている=平凡になれない、という観点からのものが多かったような気がします。
とは言え、成長(加齢?)と共に、そういった欠点も含めて自分を受け入れていくものでありまして、少なくとも今は、思春期のような劣等感はほぼ解消され、特段、大きな不幸せを感じずには生きております。細かい不幸せはそれなりにはありますが。
まぁ、そういう意味では今の自分にそこそこ満足しているのでしょうか。
一方、相談者の方は「自分が平凡で何の才能もない」ために幸せを感じられない、とのことであります。
そもそも幸せ=非凡で才能があること、なのでしょうか?・・・違いますよね。少なくとも記者が幸せを感じる瞬間−旨いものを食べ、旨い酒を飲み、楽しく語らい、楽しく遊ぶ−そこには全く、「才能」がかかわってくる余地はありません。
いやむしろ、少々おバカさんの方が心から楽しめるのではないですかね?(笑)
相談者の方は「平凡」という言葉にとらわれ、「才能があって成功した人を羨ましく感じ、才能がない人には価値がなくて気の毒」という価値観に取り込まれてしまっているようです。
うーん、才能ですか・・・。残念ながら共感できないですねぇ。記者の周りで考えても・・・幸せ度合いと才能は全く比例・相関していないように思います。
さらに才能と成功もまた、あまり連動していないような気がします。才能があるように見える人も意外に成功していなかったり、全く才能がないように見えて成功していたり。
アスリートの世界ならまだしも、一般社会や、仕事、ビジネスにおいて重要なものは才能よりも、顧客を理解する力であり、それはむしろ平凡な方がいいのかもしれませんね。
かつ、相談者の方は貯金を数千万円貯められたわけであり、それも1つの才能と考えてよいことだと思います。
コラム内での回答者も、「貯金力」を評価し、「一つの会社でキャリアを積み、無駄遣いせずこつこつお金をためる堅実さはもっと高く評価されてもいいことです」と述べています。
記者も同感であります。
回答者は続けて「蓄財についてはもう十分成功したのですから、次に必要なのは行動」と説き、たとえば被災地への復興支援などを紹介しております。
才能がないと嘆く相談者の方が最も求めているのは「人からの評価」なのかもしれませんね。人から評価されないから「私が辞めても会社は困りません。」という気持ちになってしまっているのかもしれません。
だとすれば、困っている人々とふれあい、自分が必要とされていることを感じることで、考え方が大きく変わるかもしれませんね。一度しかない人生ですから、ぜひ前向きに、楽しく過ごしてほしいものです。
しかし、お金がないのは不幸だと思いますが、一方で、お金があっても必ずしも幸せになれるわけではない、というのもまた真実なのでしょうね・・・。
記者の教訓としては・・・まずはがんばって貯金を数千万円貯めてから悩むことにしたいと思います(笑)。
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