今回取り上げるのは、配偶者との預金引き出しに関するトラブルについての記事ですが、その前に日本での離婚率を調べようと思うと・・・意外に正確な数字がないのですね。
1年間での結婚数と離婚数を比較すれば、離婚数は結婚数の約30%に相当するようです。
約30%となるとかなり高い印象がありますが、しかし晩婚化や少子化の影響により、結婚数自体が恐らく減っているでしょうから、それにより数値が高くなっている可能性がありますね。
単年度の単純な割り算ではなく、「生涯離婚率」のようなものがあればいいのですが・・・と思って調べてみたら、厚生労働省のデータが出てきました。
それによれば過去40年の結婚数が3,202万人で、一方、過去30年の離婚数が748万人であり、ここから導き出される離婚率は約23%ということです。どうでしょう?実感としては10%−20%の間かな、という感覚ですが、23%はそれよりやや高い数字となっています。それでも「30%」よりは納得のいく数字ですね。
さてそうした夫婦間の危機に際して問題となりそうなのが、お金に関わる経済的な事柄です。離婚の理由や夫婦の関係、経済的な環境にもよるのでしょうけれど、素直に財産を二分してサヨナラ、ということにはならない場合の方が多いのではないですかね?おそらく。
揉め事の最中に、配偶者が勝手に預金を引き出してしまった、なんてこともあるかもしれません。
そうしたことが背景にあったのかどうかは分かりませんが、上記記事では、自分の預金口座から、妻によって199万円×2回=398万円を引き出されてしまった男性が、その銀行を訴えた裁判の結果が紹介されています。
銀行側に過失があった、という訴えですね。
記事によれば、妻は正しいハンコと通帳を持って預金の払い出しを行ったものの、200万円を超えると本人確認が別途必要なので、それを下回る199万円を2回、同じ日の別の支店で行った、ということです。
そもそも正しいハンコと通帳が提示されているということですし、夫の代わりに妻が銀行手続きを行うというケースもよくあります。また、本人確認書類を忘れたので、199万円にしておく、あるいは複数回に分けて引き出すということもあり得ると思います。
そう考えると記者の個人的な印象としては「銀行に過失はなかったのでは?」と思いますが、判決結果は、1回目の預金引き出しについては「妻の挙動に不審点はなく、名義人とは別人というだけで疑うのは困難」として過失を否定したものの、2回目の預金引き出しについては「2度にわたって199万円を引き出すのは不自然。本人確認手続きを回避する意図を推測できたのに、氏名や名義人との関係を確認する義務を怠った」、とのことで銀行側の過失を認め、2回目の預金引き出し額=199万円の支払いを銀行に命じたようです。
いかがでしょう?
ちょっと無理がある判決のように感じるのは記者だけでしょうか?
本人確認手続きを回避する意図は1回目の199万円の引き出しでも十分感じられますし、仮に、2回目に怪しいと思って本人確認を行ったとしても、やはり妻は妻であるわけで、すんなりパスした可能性が高いですね。
とすると、ちょっと銀行側に酷な判決な気がしますね。
それはともかくとして、預金者としての教訓としては、仮に配偶者が勝手に預金を引き出し、返還してくれない場合でも、銀行を訴えれば銀行側の過失が認められる場合がある、ということですかね。
もちろん、そんなことにならないよう、通帳とハンコ、キャッシュカードをしっかり自分で管理しておく、というのが大切なのかもしれませんが・・・。
こうした事態は避けるべきに決まっておりますが、運悪く、配偶者とのトラブルに発展された場合には、頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれませんね。当然、その予防策も含めて、ですが。
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