定期預金の金利も株価も大きく低下し、なかなか魅力的な運用商品がない中で、今、注目を集めているのが「個人向け社債」です。
社債自体は古くからある伝統的な金融商品ですが、それを10万円からなど、個人でも購入しやすいように商品設計を見直したのが個人向け社債ですね。
加えて、ネット証券などでも取扱が増え、より気軽に利用できるようになった点も、人気の理由の一つかもしれません。
ちなみに社債の注意事項としては
・途中で解約できない(途中で換金しようとすると市場で売却するしかないが、売却価格によっては元本割れとなる)
・預金保険の対象とならない
と言った点が挙げられます。だからこそ金利が定期預金と比較すると相対的に高いわけですが、そうしたリスクをよくご理解の上、利用なさってください。
さてそんな個人向け社債の1つとして、SBI証券が10月18日から販売を開始したのが、関係会社である住信SBIネット銀行の劣後債です。発行条件は以下の通りですね。
◆住信SBIネット銀行株式会社第1回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)
・利率 :
1.2012年11月2日の翌日から2017年11月2日まで / 年1.43%
2.2017年11月2日の翌日以降 / 6ヶ月ユーロ円ライボー+2.55%
・申込単位 : 10万円以上、10万円単位
・募集期間 : 2012年10月18日(木)16:00〜2012年11月1日(木)12:00
・償還日 : 2022年11月2日(期間10年)
・格付 : A-(JCR)
・期限前償還条項 : 2017年11月2日以降のいずれかの利払日に、期限前償還することがあります。
・劣後特約 : 劣後特約付社債であり、発行者の一般債務が全額弁済されるまで元利金の支払は行われません。
何だか難しい言葉がたくさん並んでいますね。ポイントとしては4つでしょうか。
1つ目のポイントは、当初5年間の金利は1.43%ということでかなりの高金利ということになります。
2つ目のポイントは、6年目以降の金利が6ヶ月ユーロ円ライボー=6ヶ月もの市場金利+2.55%ということで極めて高金利になるということです。
3つ目のポイントは、期限前償還条項がついていますので、最長10年ですが、6年目以降は期間の途中でも満期になってしまう可能性があります。上記金利を勘案すれば、途中で償還されてしまう可能性が高そうですね。
4つ目のポイントは最後の「劣後特約」つきということで、要するに会社が倒産した場合、返済を受けるのが後回しになる、ということです。後回しになるということは・・・まず「お金が返ってこない」と考えた方が良さそうです。それだけ倒産時のリスクが大きいということになります。
これらの中では一番最後の「劣後特約」が気になるところなのではないでしょうか?だからこそかなりの高金利であるわけですが。
ただ格付けは「A−」ということでまずまず高いですね。実際、住信SBIネット銀行はその名の通り親会社が三井住友信託銀行とSBI証券という、日本を代表する金融機関です。そうしたこともこうした格付けの背景となっているのではないでしょうか?
ちなみにSBI証券で取り扱いの社債はいつもあっさり売り切れますね。ご検討中の方はまずは口座開設をされてはいかがでしょうか。
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仮に今回の募集に間に合わなかった場合でも、上記の通り最近では個人向け社債が結構な頻度で販売されている状態ですので、とりあえず口座を開設しておく、というのは無駄にはならないと思います。
ここで 市場の5年もの金利をチェックするとこうなっています。
下がり続けてきた市場金利ですが、ここにきてほんの少し持ち直しております。とは言え0.33%前後という状態です。
定期預金の金利がこうした市場金利を上回ることがなかなかないとすれば・・・来月の5年もの定期預金の金利は多少下がる可能性がありそうです。ご注意ください。
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