いよいよ2012年も年末を迎えましたね。何かとバタバタする師走ですが、今年は衆議院選挙もあり、余計に慌しかった気がします。
サラリーマンや公務員の方ならすでにもう冬のボーナスをお受け取りになったタイミングではないかと思いますが、この慌しさを考えると、その運用をじっくり考えられるのは年が明けて落ち着いてからですかね。
実際、メガバンクの経営層の方が「銀行のボーナスシーズンは1月から」と発言されていた記事を見たこともあります。少なくとも何かと物入りな年末のイベントをこなしてからでないといくら貯金できるのか分からないわけで、預金や運用について具体的に考えられるようになるのは1月になってから、という解説はそれなりに納得できますね。
さてそんなボーナスシーズンを前に各銀行の冬の定期預金キャンペーンが概ね出揃いました。市場金利は史上最低水準まで下がっておりますので正直、あまり期待していなかった面もあるのですが、フタをあけてみれば結構、有力なキャンペーンが出てきましたね。
まずSBI新生銀行が久しぶりに冬の円定期キャンペーンを実施しています。5年もの定期預金の金利が0.50%とかなりの高金利ですね!
加えて新規客限定ながら、じぶん銀行のキャンペーンは3ヶ月もの定期預金の金利が0.65%と驚きの金利となっています。3ヶ月ものの通常金利も0.40%にアップしている点は注目ですね。
さらに住信SBIネット銀行も冬の資産運用特別企画として、1年もの定期預金の金利を0.30%にアップしています。新規客なら実質金利が最大で1.80%になる現金プレゼントも用意されていますので要チェックです。
>>>最新の定期預金金利比較
このように期待値が低かっただけに予想以上に魅力的な金利が目白押しとなった感のある今回の冬の定期預金キャンペーンですが、キャンペーン実施期間中はそれでいいとして、気になるのはキャンペーン終了後の定期預金金利の行方です。
それを占う上で注目なのが市場金利の動向ですが、上記グラフの通り、足元の市場金利はこのようになっています。
・1年もので0.23%前後
・5年もので0.29%前後
先月のこの時期と比べるとどちらも大きく低下しています。特に下落傾向が顕著なのが1年ものの市場金利ですね。今や0.23%という状況です。
基本的には定期預金の金利がこの市場金利を上回ることはありませんので、こうした金利水準が続けば、キャンペーン終了後には1年ものの定期預金金利は軒並み0.2%台に下落することになりますね。
アナオソロシヤ・・・。
ただ一方で、上記グラフを見ていただければ分かるとおり5年もの金利は足元では多少、上昇していることが分かります。
ではなぜ1年もの金利が低位に留まる一方で5年もの金利が上昇するという「ねじれ」が起きているかと言うと、全くの推測ではありますが、1年ものについては安倍政権による追加的な金融緩和で金利低下期待が高まっている一方で、5年ものについては大型の補正予算による国債の増発懸念の方が強いからではないかと思います。
国債が増発されればされるほど、国債の信用力への懸念が高まり、金利が上昇するという構図は、財政危機に陥ったギリシャ、スペイン、イタリアと同じです。特に期間が長い金利ほど将来へのリスクが強く意識されますので、よりこうした動きに敏感な部分があります。
実際、10年ものの市場金利を見てみると、金利の上昇傾向はより顕著ですね。
こうした金利上昇が健全なのか不健全なのか、といった議論はともかくとして、金利上昇を待ちわびた預金者の立場からすると気になる動きと言えます。
ただしあくまでまだここ数日の動きでありますし、上昇したといってもごくごくわずかですね。そうはいっても日本の国債の信用力は、ギリシャなどの南欧諸国から比べればはるかに磐石です。
そんなわけで、ここからいきなり金利が大きく上昇することはないとは思いますが、少なくとも長らく金利の低下が続いていた市場金利がここで下げ止まってくれるのであれば、ありがたいことです。
さてそうした金利環境を踏まえ、1月の定期預金金利を占うとすると、キャンペーン金利を除き、1年もの金利はさらに低下する可能性が高いものの、5年もの金利はそろそろ下げ止まる可能性がありますね。その点は期待したいと思います。
ただし実際に利用すべきなのはやはり積極的な金利を提供している定期預金キャンペーンですので、やはり運用をご検討されている方はこうしたキャンペーンが実施されている間に利用した方がよいですね。
12月にはゆっくり考える時間がない人も1月になったらなるべく早く決断した方が良さそうです。
ちなみに今月の定期預金の金利レンジをご案内するとこうなります。
・普通預金(含む1週間定期): 0.02%〜0.25%
・1年もの定期預金: 0.01%〜0.30%
・3年もの定期預金: 0.01%〜0.40%
・5年もの定期預金: 0.04%〜0.50%
>>>詳しくはこちら 定期預金金利比較(TOPページ)
参考になさってください。
なお、個人的に気になっているのは11月くらいに相次いで販売停止になった仕組み預金が、チラホラ販売を再開している点ですね。中途解約できないなどの制約がありつつも金利は結構魅力的なものもありました。
こうした魅力的な仕組み預金が販売再開となれば、実際に利用するかどうかは別にして、預金者の選択肢はさらに増加することになりますね。それなりに期待しておきたいと思います。
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