よく聞くフレーズに、「若い間は貯金するのではなく自分に投資せよ」というものがあります。記者自身は貯金と自己投資は全く別モノと理解しておりますので、この2つをトレードオフの関係に並べるのは極めて違和感があります。
あえて言えば「若い間は貯金も自己投資もせよ」 と言うことになるでしょうか?つまりは若い間には、遊びはほどほどに、きちんと仕事に打ち込む時期があってよい、ということです。もちろん過剰労働は当たり前です(笑)。今ならブラックだ、ホワイトだとあまり流行らない考え方もしれませんが・・・。
それはともかくとして、「若い間は貯金するのではなく自分に投資せよ」というフレーズの裏には「コツコツ貯金しても金持ちにはなれない」という考え方があるわけですね。
もしかするとそれは正しいのかもしれませんが、一方で、「自己投資したおかげで今は大成功しました」という話はほとんど聞きませんし(あえて言えば留学やMBAくらいですかね?)、むしろ「金持ちほどお金にうるさい」「金持ちほどセコい」というのもよく聞く話です。
実際のところ、コツコツ貯金する人は金持ちになれるのでしょうか?なれないのでしょうか?
上記コラムでは、お金の専門家として、3,000人以上のフトコロ具合を見てきた筆者の方が、お金に縁がある人の中にも、大きく分けて「お金を貯めるのが得意な人」と「お金を増やすのが得意な人」の2つがあると指摘しています。
「お金を貯めるのが得意な人」代表のA子さんは32歳で1,000万円の預金を持つとのことです。とりあえずは小金持ちまで行き着いた、ということですね。すばらしい。
倹約家で、無駄なお金をいっさい使わない。お金を貯めることにストレスも感じていない一方で、投資には向かず3ヶ月で撤退したとのことです。
一方、「お金を増やすのが得意な人」代表のB男さんは、タクシーに乗ってもお釣りは受け取らないし、飲みに行けばいつも人におごってしまうけれども、投資も思い切り良くお金を投入するので、暴落相場でしっかり安値を拾っていける。B男さんには貯金はないが、投資ではしっかりと儲けている、とのことです。
正直、リアルに「タクシーに乗ってもお釣りは受け取らない」という人は記者の狭い人生経験の中では一度も目にしたことも耳にしたこともありませんが、世の中にはそんなファンタジーな方もおられるということなのでしょう。
それはともかくとして、筆者の方は、「金離れの良さ」「リスクの許容度」という観点から「お金を貯めるのが得意な人」と「お金を増やすのが得意な人」がいると指摘しています。
いかがでしょう?
残念ながら記者はこれまた強い違和感を覚えます。つまりB男さんは本当に「お金を増やすのが得意な人」なのか?ということですね。
そもそも貯金がないという時点でかなりアウトな感じがしますが、預金はなくても投資資産がたくさんあるのだとしても、その理由が「暴落相場でしっかり安値を拾っていける」からなのだとすれば、あくまでそれは結果論に過ぎないのではないか?、ということです。
「暴落相場」というのは、当然のことながら、その後に回復した、というニュアンスが含まれているわけですが、仮にそのまま暴落が続けば「とんでもないタイミングで投資をした」ということになります。つまりお金を増やすどころか、お金を大きく減らす可能性もあったわけですね。
相場なんて循環的に上がったり下がったりを繰り返すので下がったときに購入すれば絶対勝つよ、と指摘される方もおられるかもしれませんが、それが当てにならないのは、日本の株価=日経平均が1989年12月29日につけた最高値38,957円まで一向に回復しないことからもよく分かります。
1989年からもはや25年ですか・・・(遠い目)。
というわけでB男さんは必ずしも「お金を増やすのが得意な人」ではなく、あくまで「積極的にリスクをとる人」である可能性が高まります。
もちろん、リスクの裏にはリターンがあるわけで、正しい投資をすれば、上記日経平均のような不幸なケースはあるにせよ、リスクが報われる可能性が相対的に高まるわけですが、上記のようなお金使いの荒さや貯金が一切ないことを勘案すれば、適切なリスク管理をしているようには思えず、単に「リスクをとるのが好きな人」である可能性も大きいですね。
筆者の方が冒頭、いみじくも指摘しているように、これはあくまで「お金に縁がある人」の中での分類であって、「お金に縁がない人」の中に死屍累々と「リスクを取って討ち死にした人」がいるのだとすれば、B男さんがそうかはともかくとして、やはり積極的にリスクを取ってお金を増やすのは結果論に過ぎないということになります。
特にこの1年間で為替相場も株式相場もようやく円安株高が進み、投資環境が一変したものの、それまではリーマンショックの影響で投資資産を大きく減らした人が山のようにいましたからね。その点でもやはり、投資=お金を増やせる、というのは結果論と感じます。
もし仮に明日、新たな金融危機が起こればA子さんの預貯金はビタ一文影響を受けない一方で、B男さんの投資資産は大きなダメージを受けるでしょうしね。
だとすると、A子さんとB男さんの2つの事例を見る限り、コツコツ貯金する人は金持ちになれるのか、という点では少なくとも「確実に小金持ちにはなれる」と言えそうです。
それだけでも「コツコツ派」にとっては相応に勇気付けられる結論ではないかと思いますが、付け加えるなら、投資で大金持ちになろうとしても、大切なのはリスク管理であり、その点でも中長期的に見ればA子さんの方がB男さんより分がありそうです。
さらに身も蓋もない言い方をすれば、投資でお金を増やそうという考え方自体が「貧乏人への第一歩」と言えなくもありません。
株式相場は概ねオープンで透明性が高く、フェアな金融市場ですが、ということは素人がホイホイ参加して大きく儲けられる余地がほとんどない市場と考えることもできます。
もちろん市場平均のリターンを得ることは比較的簡単でしょうけれど、それ以上のリターンを得て大金持ちになるのは極めて困難だ、ということですね。
だとすれば、どうしても大金持ちになりたければ、投資をする側ではなく、投資してもらう側に回った方が現実的には可能性が高いかもしれません。つまりは「起業」ということですね。
しかしそうした起業に挑戦する場合でも大切なのは資金をきちんと管理し、経営上のリスクを徹底的に排除する、守りの意識の高さです。そうすれば仮に失敗したとしても傷は浅くすみますからね。
記者が投資家なら、投資するのは間違いなく、B男さんではなくA子さんですね。しっかりした金銭感覚というのはスキルであり、才能です。
と、言うわけで・・・もろもろ考えても、コツコツ貯金する人の方がお金持ちになりやすいと思ったりするのですがいかがでしょう?
もちろん最終的にはお金は使うためにありますので、人生の幸福度・充実度という観点からは「大いに稼ぎ、大いに貯めて、大いに使う」というのが正解なのかもしれませんが・・・。
記者も大いに稼げるようになれば自己検証してみたいと思います。
参考になさってくだい。
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