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貯金・定期預金コラム:
日本クラウド証券に業務停止命令!どう考える?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2015/7/9 <日本経済新聞

金融庁、日本クラウド証券を処分




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そうした中で最近増えていると感じるのが、個人投資家から資金を集めて必要としている会社に貸し出すと謳う、「ソーシャルレンディング」や「クラウドファンディング」と呼ばれるサービスですね。

もちろんソーシャルレンディングやクラウドファンディング自体がアヤシイわけではなく、むしろ銀行にお金を貸してもらえない人にお金を貸してビジネスを支援していくというスキームには一定の社会的な意義があるわけですが、ただ結果的にハイリスク・ハイリターンの投資となるわけで、そのハイリターンの部分のみが強調されると途端にアヤしくなる、ということですね。

したがって記者がいつも気になっているのはその「ハイリスク」の部分なのですが、これがどの会社も全く開示されておりません。つまりはどの会社も相当アヤシイということですね。

さらに記者の懸念を増大させるのが、こうした怪し気な「ソーシャルレンディング」「クラウドファンディング」に対して、日経新聞などの有力紙が好意的な記事を掲載しているという点です。

BtoBビジネスに関して適当な記事を書いても、読む相手は企業ですから一定のスクリーニング機能を有しているわけですが、このようなBtoC(CtoB?)ビジネスの場合、相手は個人となりますので鵜呑みにしてしまうリスクが極めて高いですね。それこそ「日経新聞で紹介されました」と言われるだけでお墨付きがあるかのような印象を持ちます。

もし仮にこれらのサービスが投資詐欺に近いものなら、当然、メディア各社には「紹介責任」が発生します。もちろんメディアだって万能ではありませんので、結果的に間違った報道をしてしまうこともあり得ますが、こうした「ソーシャルレンディング」「クラウドファンディング」は素人目から見ても明らかに怪しいものが多いですからね。専門家に裏どりすればすぐボロが出るものばかりであり、免責される余地は少ないと思います。

メディア各社はそうした責任をかみしめて慎重な報道をしていただきたいと思います。

そもそも日本では「お金を貸したい」という人は大勢いますが、「お金を借りたい」という人はどんどん減っています。少なくとも「お金が借りられる人」が減っているのは間違いありません。そうした状況ではこうした「金貸しスキーム」そのものがかなり成功することが難しいことを理解しておく必要があります。

だからこそ消費者金融会社はあれだけ大規模なCM広告を流しているのです。もし借り手がいっぱいいるのであればわざわざ巨額な広告費を捻出する必要などありませんからね。

さて前置きが長くなりましたが、そうした懸念を述べさせていただいたのが前回のコラムで、日本クラウド証券についてご案内させていただきました。

>>>日本クラウド証券のクラウドファンディングって信用できるの?

気になった点を再掲すると主にこういうことになります。

・ファンドの投資先が開示されていない

・会社の業績も開示されていない

・どんな先にでも好きなように貸せる条項がついている

・「お客様の出資金は、出資された段階で営業者の財産になる」という意味不明の宣言がされている

どれをとっても赤信号ですが、やはり最大のネックは1つ目の「ファンドの投資先が開示されていない」という点でしょうね。これが開示されないことには仮に投資利回りが5%と謳われていてもそれが適正かどうかわかりません。

仮に10%の損失リスクがあるのだとすれば、想定リターンはマイナス5%ですからね。誰も投資しません。

そんなわけで強い懸念を抱いていたわけですが、上記記事の通り驚くほどタイミングよく(?)、金融庁がこの日本クラウド証券に対して一部業務停止命令と業務改善命令を出したということですね!内容は「顧客からの預かり金の管理が不適切だった」ということです。

「やっぱりか」と思われた方も多いと思いますが、記者の感想は少し違います。新聞記事では詳細が分かりませんので同社のホームページから引用すると、このように説明されています。

−−−

今回の行政処分の対象となった事項は下記の二点です。

・分別管理を適切に行っていない状況
・顧客に対し必要な情報を適切に通知していないと認められる状況

「分別管理を適切に行っていない状況」とは、クラウドバンクの業容拡大に伴い、増大するクラウドバンクの取引データを発生当日内に、既存の証券システムに取り込むことが追いつかない状態となり、その結果、第一種業務及び第二種業務に係る顧客預り金残高を正確に把握できず、一時的に適切な分別管理ができていなかったというものです。

また、「顧客に対し必要な情報を適切に通知していない状況」につきましては、上記の証券業務システムへのデータ取込が遅れたことによって、一部のお客様の預り金の情報が不正確な状態にある中で取引残高報告書が交付されていたというものです。

−−−

要するに集まった資金をデータに取り込むのに何日もかかっていたため、その間は分別管理もできていなければ、顧客データにも反映されず、そうした間違った情報に基づき残高報告書を発行していた、ということですね。

業容が拡大し一時的に入力が遅れる事態は理解できるとしても、そうした資金をまとめて分別管理口座に入れておけば少なくとも全体的には分別管理ができるわけですし、残高報告書にしても発行を遅らせれば問題はなかったはずです。

加えて手作業の要素があるのであれば、短期的には人員増、中長期的にはシステム対応することで対処できます。

そもそも仮に恒常的に入力遅延が発生しているのであれば一旦新規募集を停止しないといけないはずですね。そうしなかったところを見ると確信犯であり、相応の責任は免れません。だからこその業務停止命令なわけですが。

ただその「業務停止命令」のイメージほど悪くないというか救いの点は、社員への流用・還流・悪用が少なくとも今回の処分では指摘されていなさそう、ということですね。であれば、このサービスが「ストレートに投資詐欺」という可能性は幾分減ったと考えてもいいかもしれません。

ただし。

とは言いつつ最大のネックである「ファンドの投資先が開示されていない」という点や、「会社の業績が開示されていない」という懸念は1mmたりとも払拭されていません。

もし今回の金融庁や証券取引等監視委員会の調査で、そうした貸出実態や経営状態が「シロ」と判定された、ということであれば一定の安心感を感じることができますが、それについてはどこにも触れられていない以上、「そこは今回の調査の対象外だった」と保守的に考えておく方が現実的ですね。

同社QandAでは以下のような説明もあります。

−−−

Q:今回の処分によって日本クラウド証券の経営状態は大丈夫か?

・当社の主要な収益源である融資の残高をベースとしたスプレッド報酬及び、グリーンシート発行企業に対するコンサルティング報酬は業務停止期間中も継続して発生いたしますので、この度の処分に伴う財務への影響は限定的であると考えております。

・また、直近の自己資本規制比率は287.9%(5月末時点)であり、財務状態は証券会社として求められる健全な状態の基準である140%以上の数値を維持しております。

−−−

「財務への影響は限定的」とのことですが、その肝心の財務内容が開示されていなければ全く説得力はありません。

自己資本規制比率が287.9%とのことですが、そもそもこの数字が正しいかどうかわからないことに加え、単なる取引の取次を行う証券会社ではなく、資金を集めお金を貸している経営実態は銀行そのものであり、より分厚い自己資本が求められることは間違いありません。だとすればやはりこちらも説得力は低そうです。

あくまで一般論ではありますが、毎回ご案内しているように、ソーシャルレンディングサービスやクラウドファンディングが日本に根付くには相応の期間の浄化プロセスが必要なのでしょうね。

なおもう1点、気になることと言えば、前回ご案内した同社のホームページはこうなっておりました。



つまりこういう数字ですね。

・累計応募金額 : 40億円
・償還金額 : 14億円
・分配金額 : 71百万円

※上端に記載されている数字の方です。

一方、本日現在の数値はこのようになっています。

・累計応募金額 : 42億円
・償還金額 : 14億円
・分配金額 : 71百万円

つまりこの数週間で応募金額は約2億円増えているにも関わらず償還金額や分配金額は全く変わっていないわけですね。この間に分配や償還のタイミングが来ていないのであればそれも分かりますが、各ファンドの説明書を見ると月初の5営業日以内に分配されるようですので、今月で言うと遅くとも7日には分配されているはずです。

もちろん今回、顧客からの預かり資産が正確に把握されていないことが判明しましたので、データがすべて入力し終えるまで分配できないということかもしれませんが、一時的にせよ分配や償還が遅延しているのだとすれば・・・気になるところですね。

投資家の方々の資産が1円も毀損しないことを祈りたいと思います・・・。

最後に、いつものようにアヤシイ投資案件のチェックポイントをご案内するとこういうことですね。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性が高い。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性が高い。

3.運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性が高い。

参考になさってください。


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