当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回は株式会社エターナルリンクが提供する仮装通貨「エターナルコイン」ですね。取引開始から6ヶ月で約4倍の上昇率ということで、なかなか魅力的に響きますが実際のところはどうなのでしょうか?
まずそもそも論ですが、仮想通貨とは何ぞや、ということですね。記者も残念ながら正確に理解しているわけでは全くありませんが、恐らくいろいろな意味で最も有名な仮想通貨である「ビットコイン」に関する記憶から引き出せばこういうことだったと思います。
・極めて安い送金手数料(特に海外向け)
・匿名性
・堅牢なセキュリティ仕様
・希少性
基本的には実需をけん引役に広がっていったということだと思いますが、これらを順番に解説していくと、記者の記憶が正しければ、まず銀行が運営しているわけではないので非常に安い手数料で送金・換金ができるという利点があります。
特に銀行を利用するとバカ高いのが海外送金で、着金までに1週間前後かかるばかりか、数%の為替手数料に加え、固定手数料としても2、3,000円取られるのが通例ではないでしょうか?10万円や100万円規模の送金ならまだしも1万円単位の送金の場合、こうした手数料は致命的だと言えます。
ところがビットコインを使えば詳しい金額は忘れましたがそれよりはるかに安いコストで送金できる、とのことでした。
また、もしかすると最も大きい需要かもしれないのがマネーロンダリングがらみの送金ですね。要するに犯罪にかかわるような資金の場合、銀行経由で送金しようとすると本人確認が必要ですのですぐに足がついてしまいます。
一方、仮想通貨であるビットコインでは厳格な本人確認は求められませんので、そうしたいわくつきの資金も自由に移動させることができます。
しかしながらいくらそのような利点があっても、仮想は仮想でも通貨としての信頼がなければみんなに利用してもらうことはできません。100万円+手数料を払えば必ず100万円が受け取れる、という安心感があって初めて利用されるわけで、そうでないとすれば誰も利用しないからです。
それを担保したのがビットコインの最大の特徴である堅牢なセキュリティ仕様ですね。これは取引所などが安全ということではなく、ビットコインという仮想通貨自体のセキュリティレベルが極めて高いということです。物理的なビットコインは数式データなわけですが、これが極めて複製や改ざん、偽造がしにくい仕様になっているということですね。
専門的なことはわかりませんので記者の理解はここまでですが、実際、マウントゴックス事件でも不正をしたのは取引所であり、ビットコイン自体は大丈夫だったというのは皮肉なことですね。
そしてビットコインのもう1つの顔と言えば上記のような実需に加え、どんどん値上がりしていくという投機性だったわけですが、その源泉となったのがビットコインの希少性です。要するにビットコインの総量は「発掘作業」を通じて毎年少しずつしか増えないように設計されているのですね。となると需要が増えれば増えるほどビットコインの実際の貨幣価値は上昇していくことになります。
以上が仮想通貨に関してはド素人の記者が認識するビットコインの強みですが、その観点からこのエターナルコインを比較するとどうなるでしょうか?
まずそもそもエターナルコインの取引所は日本にしかありませんので海外送金には使えません。当然、マネーロンダリングにも使えません。金融庁・警察庁の目も厳しいでしょうしね。
とするとそもそも実需がほとんどない、ということになりそうです。日本全国40以上の店舗で使えるとのことですが、日本であれば何と言っても手数料が完全無料の「現金払い」という決済手段がありますからね。やはり需要はほとんどなさそうです。
またビットコインを信頼足らしめた通貨そのもののセキュリティ仕様についても同社ホームページを見る限り全く触れられておりません。
さらに希少性についても全く期待はできないでしょうね。ビットコインにはそうした希少性が通貨そのものにビルトインされていたわけですが、このエターナルコインがサーバ管理型の「ポイント」のようなものだとすれば、必要なときに必要なだけ発行されるでしょうから、やはりビットコインのようにどんどん値上がりしていくということはなさそうです。
実際、足元のエターナルコインの交換レートを見てもこのようになっています。
少なくとも「6ヶ月で4倍」というペースではないですね。
そもそも論から言っても、資産や利益の裏付けが全くない仮想通貨に対して過度な値上がり期待を持つこと自体がおかしいですね。やはり投資目的で購入するというよりは、海外送金などの実需ベースで利用するかどうか考えるというのが基本だと思います。
ちなみに笑ってしまったのがエターナルコインが人気の理由として1つ目に来ているのが「広告戦略」とのことですね。
自社のことを「広告のプロ」として自慢してしまうのもどうかと思いますが、それ以上にそもそも論としてこうした仮想通貨のキモは実需であり、いくら認知度を高めても仕方ありません。広告戦略を上手に実施すれば仮想通貨が広がり、どんどん値上がりしていく、という根拠は全くありません。
加えて、エターナルコインの想定ターゲットはグローバルビジネスを行っている人や富裕層でしょうから、いくら美人やイケメンが3Dで飛び出してもそうした顧客に全くリーチしないものと思います・・・。
「円天事件」を持ち出すまでもなく、こうした資産の裏付けのないものに投資するのは極めて危険であるのは間違いありません。やはり今後、このエターナルコインの成長を期待するとしても繰り返しになりますがそれは、海外送金などより現実的な使用目的になってくると思います。
くれぐれも甘い期待をしないようご注意ください。
参考になさってください。
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