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貯金・定期預金コラム:
JALCO社のJ.LENDING利回り6%は魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2016/6/9 <J.LENDING

J.LENDING




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのはJ.LENDINGですね。上記の通り想定運用利回りは3%〜8%ということでなかなか魅力的です。

個人的には6%や8%といった高い利回りをリスクフリーで実現することは不可能だと思いますが、他方、3%くらいの利回りであればあり得るかも・・・しれません。オフィス物件の賃貸利回りが直接的な経費を除けば3%くらいだったと思いますので。

とは言いつつ、建物の減価償却や定期的なメンテナンスコスト、空室率を考慮すれば「純粋なリターンが3%」というのは難しいでしょうね。

あえて言えば実質的な利回りはほぼトントンだとしても、売却した時の売却益は期待できるかもしれません。特にここ数年は特に都心部の地価は上昇傾向にありますからね。

ただそうしたキャピタルゲイン頼みの投資なのであれば、「想定利回り○%」といったような「賃料から安定的に収益が上がる」かのような表現はNGですね。全くもって不適切です。

もし景気が腰折れして思うように不動産売却が進まず、物件価格が下落した場合に割に合わない含み損を抱え込んでしまうことになるわけですからね。

また、仮に物件売却がうまくいったとしても、その売却益を素直に投資家に分配してくれると考えるのは甘すぎるかもしれません。売買手数料を適当に設定すればいくらでも収益を運用会社が吸い取れるからです。

投資の最も大切な要素の1つは「透明性」ですが、不動産業界は魑魅魍魎の世界だけに素人が投資目的でホイホイと紛れ込んでもそう簡単には利益を得られないような気がするのは記者だけでしょうか。

・・・と、本題に入る前から脇道にそれておりますが、J.LENDINGに話を戻すと1号案件の概要はこのようになっています。



無事に2億円が集まり、案件成立となっております。12月11日から募集を開始して、1月8日に終了したようですから約1ヶ月ですね。なかなかの集客力です。

予定利回りは6%ということで、数字自体は魅力的ではあるものの、記者の体内信号はすでに黄色信号が明滅しております・・・案件の中身を見るとこうなっています。

案件1:不動産担保ローン/年6%×6ヶ月×1億円

<同社説明> 本件借り手のA社は、売上高1,000億円超で複数のパチンコホールを運営する企業です。今般、新規出店に関わる運転資金として1億円の募集を行います。本件貸付けでは、A社が保有する店舗不動産(土地および建物)を担保とし、第1順位の根抵当権設定を行うことで債権の保全を図ります。同物件は、平成27年8月に行った不動産鑑定調査において、3億5,700万円の評価がなされており、本件貸付額に対して十分な担保であると判断しております。 加えて、A社の代表者個人から連帯保証を得ます。

案件2:不動産担保ローン/年6%×6ヶ月×1億円

<同社説明> 本件借り手のB社は、首都圏の一等地に複数の事業用不動産を保有する不動産事業者のグループ会社の一つです。 今般、売却を前提とした事業用不動産購入のための一時取得資金として1億円の募集を行います。本件の担保物件は、東京都内の高級住宅街にある邸宅で、大手不動産業者による査定では1億2,000万円〜1億5,000万円と評価されており、 本件貸付額に対して十分な担保であると判断しております。加えて、同社グループのオーナー個人から連帯保証を得ます。

同社説明に目を通すと、どちらも信用力には全く問題ないように見えますね。業績が安定している上に十分な担保まで得られるわけですから、リスクはかなり低いように思われます。

しかし。

だとすると、この6%という利回りが全く説明つかないということになりますね!もし本当にリスクがかなり低いのであれば銀行が喜んで融資するはずであり、その時の金利も6%よりはるかに低くなるのは間違いありません。

とすれば借り手企業もわざわざ割高なソーシャルレンディングサービスを利用する必要など一切ないですね。この矛盾を素直に解釈すれば、「上記勧誘情報の何かが間違っている」ということなのでしょう。

いずれにしても、いつもご案内しているようにリスクとリターンが比例する関係にあることを踏まえれば、仮に6%の想定リターンがあるなら、それと同じくらいのリスクが「ないとおかしい」です。

そしてそのリスクが判然としないのであれば、悪意がある可能性も排除できません。「危うきには近寄らず」が賢明ですね。1号案件の募集以降、半年が経ちますが、今のところ2号案件は募集されていないようですので投資しようと思っても投資できないわけですが。

なお、とは言いつつこちらのソーシャルレンディングが他の出処不明な投資案件と一線を画すのは、上場企業であるJALCOホールディングスによって運営されている点ですね!上記の通り「透明性」の問題もある程度は期待できそうです。

そんなわけでJALCO社の連結決算をチェックすると、2015年3月期決算から2016年3月期決算の変動はこのようになっています。

売上高 :  8億88百万円 → 5億67百万円
経常利益 :  −46百万円 →   59百万円
当期利益 :  −48百万円 → 1億13百万円

2015年3月期は経常利益・当期利益ともに赤字だったほか、2016年3月期は売り上げが大きく減少しており、ビジネスがうまくいっていないのは明らかです。その証拠に今期=2017年3月期決算の予想はこのようになっています。

売上高 :  5億67百万円 → 4億20百万円
経常利益 :   59百万円 →   90百万円
当期利益 : 1億13百万円 →   30百万円

売り上げ、当期利益ともに引き続き落ち込むわけで、率直に言って「経営危機」ですね。

とは言いつつこちらは「連結」なので「単独決算」、つまりJALCO社自身の経営はピカピカの可能性があります。そこで単独決算をチェックしてみると、2015年3月期と2016年3月期はこのようになっています。

売上高 :      72百万円 →    72百万円
経常利益 : −1億35百万円 → −1億40百万円
当期利益 :   −30百万円 →   −49百万円

売り上げが72百万円なのに対して経常利益は1億40百万円の赤字であり、さらにその赤字幅が拡大しているということで、もはや経営維持すら危ぶまれる状態と言えそうです。

残念ながらいくら運営会社であるJALCO社が上場企業といっても全く安心できないばかりか、むしろ不安が募る財務内容ですね・・・。もしこのJ・LENDINGに何かあってもカバーできる体力は全くないということになります。

個人的にはこうした窮状を赤裸々に開示した勇気に称賛を送りたいという気もしなくはないですが、とはいえ投資という点ではマイナス材料であるのは間違いありません。

このソーシャルレンディングへの投資を検討されている方はこれらのリスクをしっかり理解した上でその是非をご判断いただければと思います。

参考になさってください。

では最後に、あくまで一般論ですが、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方

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