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貯金・定期預金コラム:
レオパレス21の30年一括借上げは魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュースから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる情報はこちらです。
2017/2/23 <レオパレス21

レオパレス21の30年一括借上げシステム




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのは株式会社レオパレス21が提供する30年一括借上げシステムです。

これまでアパート経営に関わる「一括借り上げ」や「家賃保証」の問題点は何度もご案内してきましたが、かいつまんで言えば「賃料を数十年保証してくれるものではない」ということですね。

確かに契約期間中の数十年借り上げてくれるのは間違いないものの、肝心の賃料については数年ごとであったり、あるいは経済状況が変われば変更になるわけで、もちろん変更=減額ですからほとんど全く意味がありません。

さらに悩ましいのはこうした賃料交渉において大家は弱い立場にあるということです。レオパレス社の話ではありませんが、報道によれば仮にこうした「一括借り上げ契約」を解除すると、入居者が全員退去させられるという話も聞きます。

一時的にせよ家賃収入がゼロになるわけで、これは大家にとってはかなり「怖い」仕打ちだと言えます。やはり世の中、ウマイ話はないということですね・・・。

さてそのように根深い問題を抱えている「一括借り上げ=家賃保証」ですが、先日レオパレス社について以下のような報道がなされていました。

−−−

訴状などによると、愛知県の男性(80)は愛知県知多市に2階建てアパート(20戸)を建て、2005年1月にサブリース大手「レオパレス21」(東京都)と月額77万7800円のサブリース契約を結んだ。同社は「30年間、賃料は減額しない」と説明。契約書では「賃料は当初10年間は不変」と明記されたが、経営難を理由に11年10月に約10万円の減額を求め、男性はやむなく受け入れた。だが業績の回復後も家賃は戻らないことから、男性は家賃の増額と、交渉を始めた16年7月からの差額約81万円の支払いを求めている。

一部オーナーで作るレオパレス・オーナー会(名古屋市)によると、同様に減額された会員100人以上も訴訟を検討。前田和彦代表は「倒産すると言われ、やむなく減額を受け入れた人がほとんど」と話す。

同社の広報担当者は「家賃を増額した例もあるが、当物件は近隣の相場と比較しても妥当な家賃と考えている。裁判所の調停による解決を目指したが、先方が取り下げた」としている。

−−−

・・・事実であれば、典型的な「一括借り上げ」に関するトラブルですね。特に

・30年間、賃料は減額しない

・賃料は当初10年間は不変

と説明していたのであれば、アウトな気がします。後は証拠が残っているかどうかですが・・・健闘を祈りたいと思います。

一方、レオパレス社側のコメントとしては「当物件は近隣の相場と比較しても妥当な家賃と考えている」とのことであり、恐らくそれは理にかなっているのではないかと思いますが、残念ながらポイントはそこではありませんね。

仮に本当に「30年間、賃料は減額しない」「賃料は当初10年間は不変」と説明していたのであれば、やはりその約束は守る必要があります。なぜならもしそうした約束がなければ原告の男性氏はアパートを建てていない可能性が高いからです。

家賃があくまで実勢であり、入居率も市場平均並みで、さらに今後の人口動態を考えて収支計画を試算すれば、地方マーケットでのアパート経営の勝敗はかなり厳しいものであるのは素人でも十分わかったのではないかと思います。

それでもアパート経営に踏み切ったのであればやはり、この「家賃保証」が相当な後押しになったことは想像に難くありません。

そもそも「家賃保証があるから」ということで、まともに将来の家賃収入のシミュレーションを行っていなかった可能性すらあります。「軽率だった」と批判するのは簡単ですが、日本の社会はやはり相互の信頼関係と阿吽の呼吸で成り立っていますからね。「大企業が約束するのだから大丈夫だろう」と考えたとしても無理からぬことだと思います。

なお今回のトラブルの背景として忘れてはいけない点は、レオパレス社がリーマンショックの影響を受けて2010年3月期と2011年3月期に巨額の赤字を計上したという事実ですね。前年は100億円程度の利益だったところ、2010年3月期は791億円の赤字、2011年3月期は409億円の赤字となっています(2012年3月期は16億円の黒字に回復)。

強烈だったリーマンショックの記憶がまざまざと思い出される数字ですが、それはともかくとして会社が傾けばこのような「一括借り上げ=家賃保証」契約も見直されるのは、会社の立場からすれば当然ということですね。会社が倒産してしまえば元も子もありません。

上記記事でも「倒産すると言われ、やむなく減額を受け入れた人がほとんど」とのことですが、おそらく・・・その通りなのでしょうね。

その点ではレオパレス社に対して同情する余地がないわけではありませんが、ただそのような理由で大家に迷惑をかけたのであれば、業績が回復した時点で元に戻すのが筋だと思います。実際、2016年3月期は194億円の黒字を計上しているようですからね。大家が怒るのも当然でしょうね・・・。

いずれにしても、ここから得られる教訓としては

・いくら一括借り上げ=家賃保証があっても会社が傾けばそうした約束は真っ先に反故にされる

・そうでなくても会社が倒産してしまえば一括借り上げ=家賃保証そのものがなくなってしまう

という点です。 つまりは全然あてにならないということですね!

繰り返しになりますが世の中にウマイ話はありません。ぜひ、多額の投資を行う際は慎重にも慎重を期し、「性善説」ではなく「性悪説」に立って検証していただければと思います。「自己責任」とはそういうことですね。

なお現在のレオパレス社のサイトをチェックするとこのように注意書きがなされています。



きちんと現場でもこのように説明がなされているのであれば新たなトラブルは起きなさそうではありますが、実態はどうなのでしょうか?

参考になさってください。

では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方

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