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貯金・定期預金コラム:
利回り7.0%!みんなで大家さんの疑問点をまとめると

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2017/7/13 <みんなで大家さん

みんなで大家さん伊勢U




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのは都市綜研インベストファンド株式会社が運用する「みんなで大家さん」ですね。商品名を広告などで見た人は少なくないかもしれません。

当サイトでもすでに常連となっておりまして過去のコラムを列挙してみるとこうなります。

>>>利回り6.1%!みんなで大家さんはやはり疑惑だらけ

>>>利回り7%!みんなで大家さん伊勢は魅力的?

>>>元本割れナシ年利6%!みんなで大家さんは魅力的?

>>>6.1%の高金利な投資 みんなで大家さんは魅力的?

>>>みんなで大家さんの債務不履行=デフォルト率は70%?

>>>想定利回り7.0%!みんなで大家さん19号は魅力的?

>>>行政処分!「みんなで大家さん」のその後は?

もう本当ツッコミどころ満載で、よくまぁ資金集めが続けられるものだなぁと思うわけですが、今回はツッコミきれなかったものも含めて疑問点を整理していきたいと思います。

1.地熱発電所はどこに行った?

これは「みんなで大家さん20号・21号・23号」にかかわるもので、土地だけで総額16億円も投資するということですから、稼働すればかなりの大規模設備になるはずですね。すぐに見つかるはずです。ということで記載されている「大分県別府市大字鶴見字上サ1520番24」を探しても地熱発電らしきものは見当たりません。検索しても何も出てきません。

念のためその近くにある地熱発電所である「瀬戸内自然エナジー」社をチェックしてみると、ホームページで大変興味深いリリースを見つけました。引用するとこういうことです。

−−−

弊社は、弊社開発事業用地において建設中の温泉熱を利用した地熱発電所が都市綜研インベストファンド株式会社、みんなで大家さん販売株式会社による不動産特定共同事業法上の投資対象商品になっているとの弊社顧客の情報に基づき調査した結果、上記2社が運営するインターネットホームページ「みんなで大家さん」において、みんなで大家さん20号、21号、23号として投資対象商品として掲示されていることが判明致しました。

そこで、弊社は、上記調査結果に基づき、上記対象商品であるみんなで大家さん20号、21号、23号が対象とする弊社との地熱発電所建設契約当事者会社に対し、当該契約の解除の意思を表示しており、また今後、都市綜研インベストファンド株式会社・みんなで大家さん販売株式会社と何らかの契約関係を持つことのないことを表明すると同時に、今後、都市綜研インベストファンド株式会社、みんなで大家さん販売株式会社の商品であるみんなで大家さん20号、21号、23号に投資もしくは出資された方に、何らかの損失が生じたとしても、弊社には一切関係はなく、従いまして弊社に何らかのクレーム等を申し入れられたとしましても、一切関知しないことを表明させて頂きます。

>>>全文

−−−


このリリースが出た2016年7月1日時点で、地熱発電所建設用地のオーナー=地主が契約を解除してしまったわけですから、発電所建設計画は完全にストップしているはずですが、ではその「みんなで大家さん20号・21号・23号」の運用実績はどうなっているかと言うとこのように報告されています。



ちょっと小さくて申し訳ないですが、「評価額、想定利回りともに下回ることなく安定した運用をしています。」と涼しく報告されているわけですね!しかも興味深いのは少なくとも2016年7月時点で計画は頓挫しているはずなのに、なぜか2015年12月から分配が開始されているわけです。

一体、その分配金はどこから来たのでしょう?もちろん他回号からの流用ということなのでしょう。だって利益が出るはずがありませんからね。

また、そもそも例えば23号ではこのように説明されておりますが、これは虚偽記載ですね。



なぜなら「瀬戸内自然エナジー」社が説明しているように、この発電所は同社所有地に建設予定だったわけですから。

もちろんこの説明も同様です。



>>>みんなで大家さん23号

なぜ金融庁は黙って見過ごしているのでしょうか・・・。


2.伊勢案件の投資リスクがヤバイ

「みんなで大家さん伊勢」、そして現在募集中の「みんなで大家さん伊勢U」では併せて50億円を「安土桃山文化村」に投資する計画となっております。

ただ残念ながらこの「安土桃山文化村」は厳しい経営状態が続いておりまして、朝日新聞の記事によればこのように指摘されています。

−−−

開業した93年には約180万人が訪れたが、昨年(2007年)は約10万人に落ち込んだ。

>>>全文

−−−

現在ならもっと落ち込んでいてもおかしくありませんが、いずれにしても当初の18分の1まで減っているわけですから、利益がおそらく出ていないであろうことは素人でも分かります。

そこに少なくとも50億円を貸し付け、8.75%の利息を取るということですから、利益を4億4,000万円以上増やさないと利息が払えず破綻してしまいます。そうなると当然、「みんなで大家さん伊勢」シリーズの返済も滞るわけで、それはつまり投資家から見ると利息だけでなく元本も回収できなくなることを意味します。

ちなみに売り上げを4億4,000万円増やすには、客単価5,000円とすると8万8千人客数を増やす必要がありますが、増やさないといけないのは「売り上げ」ではなく「利益」ですね。利益率がどれくらいかは分かりませんが、甘く甘く50%と考えても、17万6千人の客が必要です。

要するにこの伊勢案件の投資はざっくり言えば「現在10万人の入場者が約30万人に増えれば利息と元本が戻ってきますよ、増えなければ利息と元本は戻ってきませんよ」という極めてハイリスクな投資だということですね!

ところがそんな説明はどこにもありません。

仮に将来的に損失が発生すれば、「リスク説明が不十分」として投資家は裁判に勝てるのではないですかね?裁判に勝てても投資資金が取り戻せる保証はありませんが。

なお実際には50億円ではなく総額100億円を投資する計画のようです・・・アーメン。


3.財務内容がヤバイ

そしてここから本日の本題に入っていくわけですが、この「みんなで大家さん」を運営する都市綜研インベストファンド社の2017年3月期決算が発表されていますのでチェックしてみたいと思います。

>>>都市綜研インベストファンド

まずポイントとなるのは利益剰余金で、−13億62百万円となっています。つまりこの会社は約14億円の累積赤字を抱えた会社なのですね!

ただし前年度の利益剰余金が−14億56百万円で、今回は−13億62百万円ですから、およそ94百万円の利益が出ている計算となります。利益が出ているのは良いことなのかもしれませんが、一方で「みんなで大家さん」の出資金は1年でこのように増えています。

・2016年3月期 :  76億29百万円
・2017年3月期 : 121億65百万円

なんと一気に45億36百万円も増やしているのですね・・・こうした資金流入が続く限り、仮に自転車操業となっていても表面化することはありません。もっと言うと「利息+満期元本」以上の資金流入があればお金を回していけるということです。

また、別の見方をすれば利益が94百万円しかないのに121億65百万円の借入をしているわけですから、極めて過大です。投資先に何かあった場合に弁済する能力はありません。まぁそれも本当に利益が94百万円出ていれば、という話ではありますが。

加えて決算書に関して何とも不透明なのが資産の大部分を占める固定資産の動きです。まず前年度の主要項目はこう。

・建物 : 23億27百万円
・土地 : 67億29百万円
・建設仮勘定 : 16億46百万円

それが2017年3月期はこうなっています。

・建物 :  23億38百万円
・土地 : 125億44百万円
・建設仮勘定 : 75百万円

「建設仮勘定」というのは文字通り、これから建設していくので先に資産計上しておきますよ、という項目ですね。で、完成したら建物に計上されるべきものですが、前年計上されていた約16億円が忽然と消えた一方で建物はほとんど全く増えていません。

16億円はどこに消えたのでしょうか!?

恐らく発電所の建設費だったのではないかと思いますが、それが頓挫したから計上をやめたということであれば理解はできます。しかし繰り返しになりますが、地熱発電所に関わる運用は「評価額、想定利回りともに下回ることなく安定した運用をしています。」と報告されているわけですからね!全く辻褄があっていません。

また、この1年の大型投資と言えば上記「伊勢」案件かと思いますが、その1号の方の中身はこのようになっています。



>>>みんなで大家さん伊勢

つまり「施設」を購入したにも関わらず建物の勘定はほとんど全く増えていないのですね!30億円かけた投資なのですが・・・。

逆に大きく増えているのは土地であり、「建物の価値はほぼ無価値で土地だけ買った」ということなら辻褄は合いますがもしそうなら、やっぱりこの施設は赤字ということになるのでしょうね。仮に黒字ならそれは建物価値に反映されるはずです。

だとすると、やっぱり「伊勢」案件への投資リスクは極めて高く、その説明が全く不十分である可能性があります。

決算書に関して最後の懸念が、以下2項目です。

・未収入金 : 13億59百万円
・仮払金 : 12億93百万円

なぜこんなに多額となるのか理解に苦しみますが、仮にこうした「支払われる」と想定していたお金が「支払われない」となれば同社の経営が傾くのは必至ですね。

もし「みんなで大家さん」シリーズへの投資を検討されている方は、慎重にその是非を判断されることをお勧めします。

参考になさってください。

では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方

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