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貯金・定期預金コラム:
1.18倍!ソニー銀行のファットバーガー投資は魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。
2018/3/22 <ソニー銀行

Sony Bank GATE




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのはソニー銀行が提供するクラウドファンディングである「Sony Bank GATE」で募集された「FATBURGER」への投資案件ですね。

FATBURGER=ファットバーガーはロサンゼルス発祥のハンバーガーチェーンのようですが、日本初進出となる1号店の開店資金を募る内容となっています。気になる条件はこうですね。

・1口 : 5万円
・募集金額 : 8,000万円
・投資期間 : 5年半
・目標リターン : 1.18倍
・特典 : 1口につきハンバーガー2つ無料

まず約5年預けて1.18倍ということですから、単純に言えば年利3.6%ということになります。

ただし元本相当部分は毎年均等に返済されるようですので、平均残高は投資額の半分だとすると利回りは年7.2%ですね。恐らく大きく間違っていないと思います。

ではこの投資が魅力的か魅力的でないかと言えば・・・ 現時点ではそれなりに検討に値するのではないかと思います。その理由は

・ソニー銀行が提供するクラウドファンディングであり、一定の信頼感が得られること。
・投資先が見えること。
・募集金額が過大でないこと。
・投資先がクラウドファンディングを利用する理由が明確であること。
・利回りは高めであるが、広告効果を狙っているのだとすれば概ね納得できる水準であること。

と言った感じでしょうか。

では本当に「検討に値する」のかどうかじっくり見てみましょう。まず目標リターンは1.18倍となっていますが、その損益シミュレーションはこのようになっています。



つまり元本も含めた分配金は、完全に売り上げと連動しているということですね!売り上げが計画比100%に到達すればようやく想定利回りの「1.18倍」が達成できる一方、それを下回ればどんどん分配金は減っていき、計画比82%を下回ると、「元本割れする」ということになります。

かなり・・・リスクが高いですね・・・。飲食なので思い通りの集客ができるのかどうか全く分かりません。

加えて日本の飲食の難しいところは「すぐに飽きられてしまう」という点でしょうか。最初の1年は好調でもそこからどんどん経営が悪化していく可能性は十分あります。

飲食で、ビジネスをスタートしてから2、3年後まで生き残っているお店というのは少数派であるのは間違いありません。とするとやはりこの投資はハイリスクです。

念のため、売り上げ計画をチェックするとこうなっています。



ポイントは2期以降、2億15百万円という目標売上を達成できるかですね。

店内席数は50席で、ランチタイムの平均単価は1,100円、ディナータイムは2,500円とのことです。

正直筆者は飲食ビジネスについては全くの素人ですが、一般的にはざっくり1日を通してみれば「席が3、4割埋まっている」という感じでしょうか(根拠は全くありません)。

仮に3割として、平均滞在時間が1時間、実質的な営業時間が9:00から23:00までの14時間とすると1日の来店客数はこうなります。

・ランチタイム : 50席×3割×8時間=120人
・ディナータイム : 50席×3割×6時間=90人

それぞれ客単価をかけると1日の売り上げはこうなります。

・120人×1,100円+90人×2,500円=35万7,000円

さすがに1日か2日は休む日があるでしょうから、360日分を計算すると年間売り上げはこうなります。

・35万7,000円×360日=1億28百万円

うーん、2億15百万円という売り上げに遠く及ばないですね。この場合は達成率は約60%ということですから、元本が3割くらい失われてしまう計算となります。恐ろしい・・・。

ただそのようにリスクが明確になればなるほど、高いリターンの理由もはっきりしてくるわけで、他の「なぜかわからないけれどリターンが高い」というクラウドファンディングよりはるかに納得感があるのは間違いありません。

しかし気になるのは、この「ファットバーガー案件」に投資した方々がそのあたりのリスクをどこまで認識しているのかという点ですね。「ソニー銀行が紹介するものだし、1.18倍と言っているし、良いんだろう」といった安易な投資判断だったとすると後で痛い目に遭うかも・・・しれません。

加えてもう1つ気になったのが、このファットバーガーの日本での運営会社GREEN MICRO FACTORYの親会社であるG Three Holdingsの財務状況です。



今期の第一四半期決算はいきなり44百万円の赤字となっているのですね!赤字になった理由が今一つ分からなかったのですが、投資家の方々は単に売上目標が達成できるかどうかだけでなく、親会社の業績にも目を光らせていただければと思います。

そうしたわけで、この案件の評価は「検討に値する」というよりは「慎重な検討が必要」ということになりそうです・・・。

ただ当記事を執筆時点ですでにこの「ファットバーガー投資」は売り切れてしまっておりますので、それでも購入したいという方は次回の募集があるかどうかは分かりませんが、じっくりお待ちいただければと思います。

同社にとって「有利な条件だった」ということなら2回目もありそうです。ただそれは投資家にとっては「不利な条件だった」という意味でもありますが。

今回のコラムはこのままややネガティブなトーンで終わることになりそうですが、しかしソニー銀行も投資先企業もしっかり情報開示してくれているからこそ上記のようなより具体的な懸念点を発見できたと言えます。

その点では繰り返しになりますが、投資先企業も含めて中身がよく分からない他のクラウドファンディングと比べるとはるかにマシであるのは間違いありません。

投資家保護の観点からクラウドファンディングを巡る規制が整備され、この案件と同水準の情報開示が必要となることを期待したいと思います。

では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方

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