2018年もあと1週間弱というタイミングになりました。昨年に引き続き「来年の定期預金金利見通し」についてご案内したいと思います。来年=2019年に定期預金の金利は上昇するのでしょうか?それとも下落するのでしょうか?
その具体的な予測に入る前にこれまでの市場金利の動向を振り返ってみたいと思います。まず上記1年もの・5年もの市場金利の推移をチェックすると、2016年初頭に急落し、2016年7月にボトムをつけた後で上昇に転じた一方、2017年以降は上がりもせず、下がりもせず、安定していたことが分かります。
最も代表的な金利指標である長期金利=10年国債金利の動きをチェックしてもやはり同じです。
2016年1月の「マイナス金利政策発表」から7月の「Brexit決定」ごろまでが極端な金利低下局面であった一方、2016年9月の「新たな金融緩和の枠組み」発表や、2016年11月のトランプ氏当選に伴うアメリカ金利上昇をきっかけにして金利上昇局面を迎えたわけですね。
しかし2017年に入ってからはその「新たな金融緩和の枠組み」=「イールドカーブコントロール」が効果を発揮し、日銀の狙い通り長期金利は「0%前後」で推移して現在に至っているということになります。
その点では、預金者として理解しておかなければいけない点はただ一つ、「日銀によって長期金利は0%前後にコントロールされている」ということです。
言い換えれば、このイールドカーブコントロールが続き、長期金利の誘導目標が「0%」とされている限り、市場金利全体も、定期預金金利も「低いまま」ということですね。
となると気になるのが、「イールドカーブコントロールがいつ解除されるのか」という点ですが、その答えは「インフレ率が2%を安定的に超えた時」ですね。日銀は「2%のインフレ目標」を達成するために異次元緩和を行ってきたのですから当然です。
ではこれまでのインフレ率の推移をチェックしてみるとこうなっています。
消費税増税の影響で一時的に2%を上回ることはあっても、全体的には0%近辺をウロウロしてきたことが分かります。つまり、まだまだ目標達成には遠く、イールドカーブコントロールが解除されるのもまだまだ先であるということですね・・・。
とすると基本的には2019年の金利環境は2018年と変わらないということですから、「長期金利も市場金利全体も定期預金金利も低いまま」と予測することができます。
しかも2019年を俯瞰すると金利低下圧力となりそうな懸案事項が以下の通り目白押しですね。
・利上げに伴うアメリカの景気減速
・ハイテク景気の終焉
・ハードブレグジット懸念
・米中貿易戦争
日本国内では「消費税増税」もありますからね・・・とすると定期預金に預ける上では、いつ来るか分からない金利上昇局面をひたすら待つのではなく、少しでも良い金利の定期預金を見つけたら、早め早めに利用した方が良さそうです。
ちなみにそうした中ではありますが、あえて金利上昇要素を探すとすれば「日銀の本音は金利正常化=金利引き上げ」という点です。
長引く低金利によって金融機関の業績は悪化しており、「本業では赤字」とされる銀行が増えてきました。こうした異次元緩和の「副作用」を日銀も無視できなくなっており、多少なりとも金利を引き上げておきたいと考えている、というわけです。
実際、日銀が2018年7月に長期金利の変動幅を従来の「−0.1%〜+0.1%」から「−0.2%〜+0.2%」に引き上げたのも、本音としては「金利を少し引き上げておきたい」ということだったのだと思います。
その後の株価下落で残念ながら長期金利は変動幅拡大前の水準に戻っていますが・・・。
とするとチャンスがあれば
・国債買い取り額の減額
・変動幅の更なる拡大
・誘導目標の引き上げ
といった手法によって、より明確に金利引き上げを目指す可能性はゼロではありません。
上記のような景気の腰折れ懸念を考慮すれば、現実的にはそうしたチャンスはなかなかないと思いますが、期待だけはしておきたいと思います・・・。
そうしたわけで2019年の定期預金金利の予測として、メインシナリオは「長期金利も市場金利全体も定期預金金利も低いまま」
ですが、ただ2018年を振り返ってみれば、時期によっては高水準の定期預金を提供してくれる銀行がいくつもありました。
その点では引き続き積極的に情報を集め、良い定期預金を見つければ躊躇なくご利用いただければと思います。
当サイトでも引き続き、最新の金利情報をご案内していきますので、ぜひご活用ください。
>>>定期預金金利比較
参考になさってください。
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |