当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはスカイプレミアムインターナショナルが募集する投資案件「ライオンプレミアム」ですね。この案件については実は読者の方から以下のようなご質問をいただいています。
−−−
義理の父が定期を解約し、「スカイプレミアムインターナショナル」という海外投資に夢中になっております。口コミ勧誘でセミナーに参加、その場で申しこむという流れのようで、詳しい実態は不明です。
勧誘やセミナーではPCやiPadでパワポ資料を見せられるだけで、紙資料は配付しない方針だそうです。なお、ホームページに投資話については書かれていません。
個人的には怪しさしか感じませんし、ネットでも詐欺ではないのかという指摘が目立ちます。
先頃「テキシアジャパンホールディングス」が摘発されました。このニュースを見て驚きました。父の投資話とスキームが全く同じだったからです。不安が高まる一方です。
もしも「スカイプレミアム」について何か思うところがありましたら、ご意見を賜りたいと思っております。
−−−
いきなり結論となってしまいますが、典型的なネズミ講だった「テキシア」と同じスキームなのであれば詐欺である可能性は高そうです。低金利の今の時代に本当に高利回りで運用できるなら、わざわざ個人投資家から紹介制度みたいな危なっかしい形を使って資金を集めなくても、機関投資家から簡単に資金が集められるからです。
しかし最も怪しいと言えるのはこの「ライオンプレミアム」についてスカイ社のサイトを見ても、ネットで検索しても公式サイトが何も出てこないということです。真っ当な運用をしていてそんなことがあり得るでしょうか?
少なくとも日本で投資資金の募集をしているのであれば、金融庁への届け出が必要であり、それをしていないということであれば違法であるか、グレー案件であるのは間違いなさそうです。
上記質問に書かれている通り「紙資料は配付しない方針」 というのもそれを強く示唆していますね。
ただ「怪しい」だけでは今ひとつ説得力に欠けますので、ネットからもう少しこの「ライオンプレミアム」に関する情報を集めたいと思います。列挙するとこんな感じです。
・勧誘や紹介がマルチ商法
・月利約2〜3%の利回り=年利約30%
・100万円から始められる
・FXで運用
・具体的な運用内容は開示されていない
・Money BrokerはGQFX社
まず繰り返しになりますが「マルチ商法」という点でアウトですね。そもそも無資格の紹介者が金融商品の紹介で何等かのインセンティブをもらうのだとすると金融商品取引法的にもアウトな気がします。
次に月利2〜3%=年利30%というのもあり得ません。もし安定的にそんな高利で運用できるなら、違法な集金をしなくても自己資金で運用すればいいですね。元手が300万円としてこういう風に資金が増えていきます。
・10年後: 3,200万円
・20年後: 4億3,900万円
・30年後: 60億4,600万円
・40年後: 833億5,100万円
・50年後:1兆1,490億6,700万円
全く他人のお金に頼る必要はありませんね・・・。
この運用シミュレーションを見れば年利30%が如何に荒唐無稽かお分かりになると思いますが、ポイントはこの利回りをスカイ社の会員全員が期待しているという点ですね!50年後には会員100人の資産が日本の国家予算を上回ることになります。そんなことがあるわけありません。
あることのないリターンを期待させて集金しているわけですから詐欺かどうかは別にして「詐欺的」であるのは間違いなさそうですね。
さらにこの運用の中身がFXというのもアウトです。基本的に為替相場はランダムに動きますので勝ち続ける人などいません。
加えてFX取引で理解しておかないといけない点は、相対取引であり、完全なゼロサムゲーム=自分が得すれば業者が損をするということです。仮にこのライオンプレミアムが毎年30%のリターンを得ているなら、そのマネーブローカーとされているGQFX社は同じ分だけ損をしているはずですね。
そんなことはあり得ませんので逆説的に考えれば、ライオンプレミアム社は勝ったり負けたりしながら、いい具合に手数料をGQFX社に落としているのだと思います。
ちなみにスカイ社やライオンプレミアム同様、GQFX社もその経営実態は不明です。儲かっているのか儲かっていないのか、経営者は誰なのかも全く分かりません。こうした会社に資金を預けるべきではないのは明らかですね。
というわけで質問者の方は1日も早く義父の資金を取り戻していただければと思います。
そして金融庁には、被害がこれ以上拡大する前に迅速に動いていただきたいと切に願います・・・。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
![]() |
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |
![]() |