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貯金・定期預金コラム:
利回り7.0%!クラウドクレジットは魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2019/5/9 <クラウドクレジット

クラウドクレジット




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのはクラウドクレジットですね。伊藤忠やマネックス、第一生命、三菱UFJと言ったそうそうたるメンバーが株主となっている点に好感を持ちますが、現状このような商品群が並んでおります。



字が小さくて申し訳ないですが、期待利回り6%〜12%前後の商品が並んでいてなかなか魅力的です。

ただし、当サイト利用者の方は良くご存じの通り、ノーリスクでこういった高いリターンを得られることはありえません。この世にあるのはローリスク・ローリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、そしてハイリスク・ハイリターンの3つだけですね。

あえて言えば「ハイリスク・ノーリターン=詐欺的商品」を付け加えてもいいですが。

とするとこれらのファンドにはやはり6%〜12%と言ったリスクが「ないとおかしい」ということですね。

逆にそうしたリスクが積極的に開示されていないのであれば、「疑わしさ」は増していくことになります。

そんなわけで一番上に表示されている「リトアニアオンライン金融事業者支援ファンド4号」を詳しく見てみたいと思います。期待利回りは7%ですが、その裏返しとしてあるはずのリスクは何なのでしょうか?

その第一歩としてまず商品内容を見てみるとこうなっています。

−−−

・運用期間21ヶ月、表面利回り7.0%のユーロ建投資

・ヨーロッパとアジア地域10ヶ国以上でオンライン消費者金融事業を順調に拡大中のBB社グループのリトアニア法人BA社に対する貸付

・安定した経済成長を続けるバルト海沿岸国リトアニアにおいて、より多くの人々の日々のお金のニーズに対応するための資金

−−−

まずポイントとなるのは「ユーロ建て」ということですね。外貨建てということです。ということはつまり、円高ユーロ安になれば為替差損が発生するということですが、ここ数年のユーロ円のチャートをチェックするとこうなっています。



長い目で見れば円高ユーロ安トレンドになっており、やはり為替差損が発生する可能性があるということですね。

ただ7%の利回りから逆算すれば、110円近くまで円高が進まない限り投資全体が赤字になることはなさそうです。

次のポイントとしては、貸付先はBB社グループのBA社ということでその社名が開示されていないということです。となると7%という利回りが適正なのかどうか分かりません。超優良企業であれば高い利回りと言えますが、破綻寸前企業であれば倒産リスクと比して極めて低い利回りということになります。

少なくともBB社の本業が「オンライン消費者金融」であることを踏まえれば、ビジネスそのものがハイリスクであり、その会社への投資(融資)もまたハイリスクであると考えて良さそうです。

上記のような「為替リスク」と「投資リスク」を考慮すると、かなり慎重な判断が必要になってくるのは間違いないですね。

次にこのBA社に対する投資のスキーム図をチェックするとこうなっています。



最終投資先であるBA社には、「クラウドクレジット・ファンディング」「Crowdcredit Estonia」という2つの会社を通して投資を行うということですね。

となると、BA社以外にこの2社の信用力もカギになってきます。もしどちらかの会社がコケれば回収は困難になりますからね。

幸いにしてこの2社については2017年12月末現在の数値ではありますが財務状況が開示されており、こうなっています。

・クラウドクレジットファンディング社

 純資産:−8百万円 / 当期純利益:−8百万円

・Crowdcredit Estonia社

 純資産:78百万円 / 当期純利益:18百万円

まず前者のクラウドクレジット・ファンディング社は期間損益がマイナスであるだけでなく、純資産もマイナス=つまり債務超過であるということですね!実質的に破綻している会社と言えそうです。この会社に投資するのは難しいです・・・。

一方、欧州法人であるCrowdcredit Estoniaの財務状況はまだマシですが、ただその利益は18百万円とわずかであり、「零細企業」の域を出ません。

そのように考えるとやはりこの案件に投資するのは難しそうです。投資を検討するには少なくともクラウドクレジット・ファンディング社の黒字化と債務超過の解消が絶対必要です。

ちなみにこのクラウドクレジットを取り上げた前回のコラムでも指摘したことですが、伊藤忠やマネックス、第一生命、三菱UFJと言った大企業が株主でありながら、なぜ6%〜12%前後といった「法外な利息」を払ってまで資金集めをしないといけないのか、謎ですね。

出資者の信用力を利用すれば銀行から1〜2%といった低利で資金調達をすることは簡単だと思います。

これからこの会社に投資しようとされている方はリスクをしっかり把握した上で慎重に判断されることをオススメします。

参考になさってください。

では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方

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※ご参考:今回取り上げたサイトの複写です。