当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはエクシアジャパン合同会社ですね。同社についてはすでにこちらのコラムで取り上げていますので、「そもそもエクシアジャパンって何だっけ?」と思われた方は先にご覧ください。
>>>50代男性「エクシアジャパンは投資詐欺ですか?」
さてそのエクシアジャパンについて、読者の方から「エクシアジャパンの営業担当の方から以下のような説明を受けました」との情報提供を受けました。
それが本当なのかどうかは分かりませんが、公式サイトでは削除されている同社の過去の財務諸表について提供を受けたことから、一定の信憑性はありそうです(クリックすると詳細が確認できます)。
その後、その読者さんからはピタリと返事がなくなり、今にして思えば同社の言い分を間接的に伝えていたことを踏まえると、「同社関係者だったのかな?」と思わないでもないですが、であればなおさらそのお伝えいただいた内容を取り上げる意味がありそうですので、ご紹介したいと思います。
読者さんと「同社営業担当」とのやり取りを要約すると以下の通り。
−−−
1.CEOの運用が月間平均利回り25.7%で今なら4京2,547兆5,652億円の資産を持っているのでは?
ホームページに書いてあるのは月利平均25.7%・年利平均308.4%(2010年1月〜2015年12月の集計)だから5年分の年利は308.4%×5=1542%。
仮に1000万円だとしても1000×(1542/100)=15420(万円)になるから兆を超えることもない。
2.運用先であるシンガポールの法人の決算書を公表していないのはなぜか?
シンガポールは親会社であり別会社扱いだからエクシアジャパンの社員の人間はその情報を開示できない。
親会社のシンガポールはペーパーカンパニーであり従業員もホームページも存在せず菊地CEO本人がFXプロという証券会社で10個の証券口座に1000くらいのシステムの中からシステムを採用して日本以外で運用する為につくられた会社である。
日本で運用をすると金融商品取引業の免許取得が必須になるが日本で預かって、海外で運用する会社へ貸付るだけなら免許取得不要。
公表すると現在70億の資金があることで金融庁に目をつけられる。
ただし今後、金融庁に登録している会社を買収し、合同会社の傘下におくことで「合同会社として」金融庁に登録していることにした。2019年9月から正式に金融庁に登録していく予定。
3.表示されていた運用利回りが誤りだったようだが正しい数値は何か?なぜそれをサイトで公表しないのか?
今の運用利回り情報はエクシアジャパンに出資をされている方のブログを参照してほしい。
4.実際に資金が運用されているかどうか確認したいがどういう方法があるのか?監査証明書や銀行の残高証明書はあるのか?
運用しているのはあくまで親会社のシンガポールでありエクシアジャパンの社員は情報提供できない。
5.最大返還率は正しい数値か?
2016年4月(初月)に会社の資金100%で運用した結果。現在の運用方法ではその返還率になることはない。そのため2019年8月に社名、ロゴ、ホームページ、etcを一新するタイミングがあるのでそこで削除する予定。
6.なぜ社名を変更するのか?
金融庁に登録している会社を傘下にして「合同会社として」金融庁に登録していることにするため。
加えて「JPモルガン」と「ゴールドマンサックス」と業務提携したから。
社名変更に伴い名古屋支社と大阪支社は閉鎖し東京本社だけにする。
7.資金管理はどうなっているのか?
テレビにもでている弁護士の方を筆頭に裏側をしっかり見てもらった上で資産運用している。
8.なぜ合同会社なのか?
株式会社だと49人の投資者しか集められない。合同会社だと無限に投資者を集めることができるから。
9.ポンジスキームではないのか?
ポンジスキームではないと断言できる理由は2つ。1つ目は出金の申し出があればすぐに対応すること。2つ目は4年も続いているポンジスキームは聞いたことがない。だから、ポンジスキームではない。
−−−
いかがでしょうか?理路整然としている・・・と感じた方は人が良すぎるかもしれません。当サイトのコメントを「★」で書き込んでいきたいと思います。
−−−
1.CEOの運用が月間平均利回り25.7%で今なら4京2,547兆5,652億円の資産を持っているのでは?
ホームページに書いてあるのは月利平均25.7%・年利平均308.4%(2010年1月〜2015年12月の集計)だから5年分の年利は308.4%×5=1542%。
仮に1000万円だとしても1000×(1542/100)=15420(万円)になるから兆を超えることもない。
★月利平均25.7%で2010年1月から2015年12月まで運用したとすると、元本1,000万円なら141兆9,515億円になっている計算です。
2.運用先であるシンガポールの法人の決算書を公表していないのはなぜか?
シンガポールは親会社であり別会社扱いだからエクシアジャパンの社員の人間はその情報を開示できない。
★親会社なら逆に開示できます。
親会社のシンガポールはペーパーカンパニーであり従業員もホームページも存在せず菊地CEO本人がFXプロという証券会社で10個の証券口座に1000くらいのシステムの中からシステムを採用して日本以外で運用する為につくられた会社である。
★CEO本人が作ったペーパーカンパニーならなおさら開示できます。
日本で運用をすると金融商品取引業の免許取得が必須になるが日本で預かって、海外で運用する会社へ貸付るだけなら免許取得不要。
★日本で投資家の資金を預かって海外へ貸し付けるなら当然に金融庁の許認可が必要となります。
公表すると現在70億の資金があることで金融庁に目をつけられる。
★金融庁に目をつけられると困るような会社に投資してはダメです。
ただし今後、金融庁に登録している会社を買収し、合同会社の傘下におくことで「合同会社として」金融庁に登録していることにした。2019年9月から正式に金融庁に登録していく予定。
★なぜ同社自身が許認可を受けようとしないのか不思議ですが、仮に登録を受けられるようであれば一歩前進とは言えそうです。
3.表示されていた運用利回りが誤りだったようだが正しい数値は何か?なぜそれをサイトで公表しないのか?
今の運用利回り情報はエクシアジャパンに出資をされている方のブログを参照してほしい。
★なぜ運用利回りを同社自身で公表せず、個人ブログ任せにしているのか、そしてなぜ個人ブログに誘導しようとしているのか全く謎です。
★もし仮に、現状の社員権の自己募集というスキームでは表立って運用利回りの開示ができないため、あえて個人ブログを利用しているのだとすれば不適切な勧誘行為だと言えます。
4.実際に資金が運用されているかどうか確認したいがどういう方法があるのか?監査証明書や銀行の残高証明書はあるのか?
運用しているのはあくまで親会社のシンガポールでありエクシアジャパンの社員は情報提供できない。
★親会社なら逆に開示できます。しかも投資先でもあるわけでなおさら開示できます。というか絶対開示しないといけないです。投資家として、運用実態を把握するのは当然の権利です。
★しかも同社の投資家は社員権を購入していることから「株主」と言えるわけで、会社を所有する「株主」の立場からも運用実態を把握する権利があります。
5.最大返還率は正しい数値か?
2016年4月(初月)に会社の資金100%で運用した結果。現在の運用方法ではその返還率になることはない。そのため2019年8月に社名、ロゴ、ホームページ、etcを一新するタイミングがあるのでそこで削除する予定。
★達成できない返還率を記載しているのであれば「虚偽広告」と言われても仕方ありません。しかも社名を一新するタイミングで削除する予定という理由もよく分かりません。問題を認識しているのであれば今すぐ削除しないとダメでしょう。
6.なぜ社名を変更するのか?
金融庁に登録している会社を傘下にして「合同会社として」金融庁に登録していることにするため。
★意味が分かりません。合同会社として登録するなら逆に社名変更の必要はありません。
加えて「JPモルガン」と「ゴールドマンサックス」と業務提携したから。
★意味が分かりません。社名変更の必要はありません。
社名変更に伴い名古屋支社と大阪支社は閉鎖し東京本社だけにする。
★意味が分かりません。支社を増やすという話ならまだ分かりますが。
7.資金管理はどうなっているのか?
テレビにもでている弁護士の方を筆頭に裏側をしっかり見てもらった上で資産運用している。
★少なくとも先方の顧問弁護士は運用実態についてチェックしていないようでしたが。
>>>50代男性「エクシアジャパンは投資詐欺ですか?」
8.なぜ合同会社なのか?
株式会社だと49人の投資者しか集められない。合同会社だと無限に投資者を集めることができるから。
★ちゃんと許認可さえ受けられれば無限に投資家を集めることができます。合同会社の社員権の募集は金融商品取引法の対象外であり、消費者保護の仕組みも未整備であることから東京都や国民生活センターが注意喚起を行っています。
9.ポンジスキームではないのか?
ポンジスキームではないと断言できる理由は2つ。1つ目は出金の申し出があればすぐに対応すること。2つ目は4年も続いているポンジスキームは聞いたことがない。だから、ポンジスキームではない。
★どちらも全く意味不明です。資金流入が資金流出より多ければ、ポンジスキームであっても出金にすぐに対応できます。
★ また、ポンジスキームは逆になかなか破綻しないのが特徴です。最近の巨額のポンジスキームとしては「MRIインターナショナル」と「安愚楽牧場」がありますが、前者は1998年から2013年までの15年間存続し、後者は1981年から2011年までの30年間存続しました。
−−−
繰り返しになりますが、このやりとりが本当に「同社営業担当」の方とのものなのかどうかは、筆者には確認のしようがありません。
しかしながら仮に同社社員が本当にこうした説明をしている場合には投資家にとって前知識として有用かと思いますのでご案内させていただきました。
なおこのやり取りの中で出ていた「2019年8月に社名、ロゴ、ホームページ、etcを一新するタイミングがある。」「社名変更に伴い名古屋支社と大阪支社は閉鎖し東京本社だけにする。」という点については確かにその後同社サイトで告知されており、上記財務諸表の提供と併せ、相応の信憑性があることは申し添えておきます。
EXIA
REBRANDING PROJECT 2019
ちなみに「資金流入が資金流出より多ければ、ポンジスキームであっても出金にすぐに対応できます。」と言う点について一応上記財務諸表から確認しておきます。
・2015年 : 出資金増加1億56百万円−出資金減少20百万円−配当等(売上)55百万円=+81百万円
・2016年 : 出資金増加6億74百万円−出資金減少1億85百万円−配当等(売上)82百万円=+4億7百万円
・2017年 : 出資金増加10億65百万円−出資金減少7億9百万円−配当等(売上)1億76百万円=+1億8百万円
・2018年 : 出資金増加24億55百万円−出資金減少5億86百万円−配当等(売上)4億54百万円=+14億15百万円
どの年度も資金流入が多いわけで、こうした状況が続く限り、仮にポンジスキームであっても出金にすぐに対応できますね。
では逆にポンジスキームではないことを確認するにはどうすれば良いかと言うと・・・
・金融庁の許認可を受け、金融庁が運用実態について確認していること
・監査証明書や銀行の残高確認書などによって、顧客資産が流用されずに運用されていることが明確になっていること
の「両方」が必要ですかね。
その点でも「運用先であるシンガポールの法人の決算書を公表していない」のは「論外」と言えそうです。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |