当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはBlock
Charter社が提供する高配当ウォレット「ブロックエコトークン」ですね。こちらについては読者の方から以下のような質問を頂きました。
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いつもサイトを拝見しております。
今回は高配当ウォレットについての御社の考察をお聞きしたく連絡いたしました。
高配当ウォレットは一般常識で考えると確実に詐欺であると感じるほどの利率でありますが、複数のサイトで称賛されています。
私自身は投資するつもりは毛頭ありませんが、投資している人をネットでたくさんみかけます。
もしかすると、広告料をもらった人が告知し、被害が増えるなどありえるのかなと危惧しています。
高配当ウォレット『ブロックエコトークン』について、御社の考察をお願いします。
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不勉強ながら「高配当ウォレット」という言葉も「ブロックエコトークン」という投資もよく知りませんでしたが、質問をいただきましたので早速調べてみたいと思います。
まず公式サイトを見てみても見事なまでに何も書いてありません。何もです。
あえて言えば総資産額として86百万ドル≒90億円の記載がありますが、これが本当なのかダミーなのかはよく分かりません。
というわけで運営会社をチェックしてみると資料によればこういうことのようです。
・BLOCK ECO グループは、Block Charter社、Ignescent社、Hantes Finance社、Solaire
Resort & Casino社の4社で構成されています。
・Hantes Finance社 は、FINMA(スイス金融市場監督庁)を金融ライセンスを持っており、これは、他の配当系ウォレットには例のないことです。
・Ignescent社は、AIでのFXで、ローリスクトレーディングを確立しており、1日に1%〜30%の運用益をあげており、今回のblock
ecoでは運用実績を公開しながら進めて行きます。
・Block Charter社は2011年に設立された会社で、アビトラージのAI運用、マシンラーニングを得意とする会社で、こちらも日々の実績を可視化して進めていきます。
・Solaire Resort & Casino社はフィリピンにある、最大級のカジノであり、今回のオンラインカジノでの、提携先でもあります。
まず冒頭のHantes Finance社については公式サイトが見つかりません。そんなことあるのでしょうか!?実在しないということはさすがにないとは思いますが、提携の事実が確認できない以上、嘘の可能性があります。
次にIgnescent社ですが、こちらは会社の住所や電話番号、業績など、実態を示すものは何1つありません。「実在しない」と考えて良いと思います。
ちなみに社長は何と苗字だけ。どういうこと!?いや実在していないからなのでしょうけれど。
写真もどこかのファッション誌から転載でもしたのでしょうかね・・・。
でもってドメインが作られたのは2019年5月ですが、それ以前にも活動していたかのような運営計画が示されています。嘘っぽいです・・・。
しかしそんなことはどうでもいいのです。注目は2019年12月の計画ですね!これだけ英語ではないのが分かりますが、どうやらラテン語のようです。というわけでgoogle翻訳さんにその意味を教えてもらいましょう。
・ムーア人のスカートは、ニンジンの漫画を滅菌しました。整数ない動物だろう。しかし、メイクはサッカーを予約します。
支離滅裂ですが少なくとも単語の誤訳はないかと思います。要するに「どうせ日本人は読まないだろう」と適当なことを書いているわけですね!
ちなみに「業績っぽい」数値はこうなっています。どれも分かりそうで全く分からない数字の羅列ですが、これはさすがに記者でも分かります。
ラティーナ・グラフィックス・・・アップル製品に搭載されているディスプレイですね。確かに背景画像にはマックブックが使用されています。
まぁそうしたわけでこのIgnescent社については繰り返しになりますが「実在しない」ということでいいと思います。
次にBlock Charter社ですが、こちらもやはり普通はあるはずの電話番号や経営陣などの情報はありません。住所も都市名までで不完全です。
「実在しない」と考えて良さそうです。
なお会社資料によれば2011年に設立された会社とのことですが、ドメインが作られたのは2018年10月ですから嘘ですね。
ちなみにこのBlock
Charter社についてはもう1つ別のサイトを見つけました。こちらです。社長は例の「名無し」バートマン。
住所なし、電話番号なし、業績なし、そして意味不明の数字もIgnescent社と全く同じです。
「25人待ち」って一体どういう意味だよ!
というわけで繰り返しになりますが、このBlock
Charter社も「実在しない」ということでいいと思います。
最後にSolaire
Resort & Casino社ですが、こちらも公式サイトでは提携の事実を確認できませんでしたので「虚偽」の可能性があります。
・・・と思ったら、Solaire
Resort & Casino社自身がブラックエコと何も関係ないと発表しているではないですか!!
最初にこれを調べればよかった・・・というわけでウソをついている以上、「詐欺確定」です。
投資されている方は急いで資金を引き揚げてください。
話はここでオシマイでいいわけですが、このブロックエコに投資してはいけない理由をもう2つほど述べるとすれば、まず1つ目は上記の通り配当の高さです。
もし本当に毎月8%以上の運用ができるとします。で、今手元に100万円あるとします。これがどのように増えていくと思いますか?
・1年後:252万円
・2年後:634万円
・3年後:16百万円
・4年後:40百万円
・5年後:1億1百万円
・6年後:2億55百万円
・7年後:6億42百万円
・8年後:16億16百万円
8年後に16億円を超えてくるわけすね。
思い出してください。Block
Charter社は2011年から運用しているわけですからすでにもう十分な資金があり、今更、日本人から少額の資金を集める必要など一切ないのです!
また会社を設立しているわけですから資本金が少なくとも1,000万円くらいはあるでしょうし、毎月の配当額を8%〜20%と言っているわけですから、8%なはずがありません。会社に利益も必要ですからね。
というわけでその中間の14%で運用したとすると、8年後である現在の手元資金はこうなります。
・2兆9,031億円
国家予算の規模ですね!羨ましいです。
そうしたわけで、全く信憑性のない、物理的に不可能な配当を約束しながら投資を募集しているわけですから、やはり「詐欺」と考えて良さそうです。・・・と言うかすでに詐欺確定でしたね。
最後に投資してはいけない理由のもう1つはこれですね。
ネズミ講ですよ・・・ポンジスキームですよ・・・一体誰が投資するというのでしょうか?
加えてこうした金融商品を紹介している人々というのは「自分さえ良ければいい、他人のお金がどうなって関係ない」ということなのでしょうから、一切縁を切りましょう!
是非金融庁がこうした仮想通貨を通じた投資詐欺についても目を光らせてくれることを期待したいと思います。
それから質問者の方、情報提供ありがとうございました!また怪しい商品を見つけたらぜひ教えてください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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