当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはエクシアジャパン合同会社ですね。同社についてはすでにこちらのコラムで取り上げていますので、「そもそもエクシアジャパンって何だっけ?」と思われた方は先にご覧ください。
>>>50代男性「エクシアジャパンは投資詐欺ですか?」
また先日は読者の方から、「エクシアジャパンの営業担当の方から説明を受けました」ということで、やり取りについて情報提供を受けました。その内容とコメントについてはこちらのコラムをご覧ください。
>>>エクシアジャパンはポンジスキームですか?
さらには以下のコラムにて「大手町国際法律事務所の弁護士」からのメールの内容をご紹介しました。
上記コラムでもご案内したように、先方はこちらからの質問にほとんど答えることのないまま、「これ以上のやり取りは時間の無駄」と打ち切られたわけですが、その舌の根が乾かない間に再びアプローチされてきたことになります。
よく分かりませんねぇ(苦笑)。
>>>エクシアジャパンについて金融庁に調べてほしいこと
さてそのエクシアジャパンについて前回コラムではこう結びました。
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本日同社サイトにアクセスしてみると以下のようなページが現れ、連絡先や会社所在地なども含め全てまったく見れない状況になっています。
運用会社としてこんなことってありますか?既に夜逃げしたり破綻したりしたわけではないですよね?嫌な予感がよぎります・・・(汗)。
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あれから1ヶ月経って久しぶりに同社サイトをチェックしてみると・・・引き続き閉鎖中ですね!一体どうなっているのでしょうか。
>>>エクシアジャパン公式サイト
とは言いつつ同社はgoogleでは検索されない裏サイトをステルスマーケティングサイト=ステマサイトに提供しておりまして、そちらでは下記のような運用成績や
下記のような財務情報を公開していました。
というわけで公式サイトが閉鎖中なので裏サイトを久しぶりにチェックするとこうなっています。
こちらも閉鎖・・・何かよろしくないことが起きているのは間違いなさそうです。
そんなエクシアジャパン改めエクシア合同会社ですが、検索してみると新たなサイトを立ち上げたことが分かります。
>>>エクシア合同会社/エクシア・アセット・マネジメント株式会社
こちらもトップページのみでほぼ何も書かれていませんが、唯一新しい情報としては「エクシア・アセット・マネジメント株式会社」という会社が出来て、その会社はどうやら以下のような認可を受けているらしいということです。
・第二種金融商品取引業 / 投資助言・代理業 / 関東財務局長(金商)第2501号
同じ番号で検索すると「みらいアセットマネジメント株式会社」 が出てきますのでどうやらこの会社を買収したようですね!
この会社は2010年に当時の経営陣に売却された後、2017年に日本全国ソーラーセンターに売却されていますので、経営不振によりオーナーを転々としてきたということなのでしょうか。
業績が堅調なのであれば売りに出されることはないでしょうからね。
そしてこの認可欲しさにエクシアが買収した、ということなのかもしれませんが、その中身を見てみると上記の通り「投資助言・代理業」となっています。つまりこの認可をもってしてもエクシア社が実際に行っている「投資運用」については金融庁に全く許可されていないわけで、同社としては引き続き「合同会社の社員権の自己募集」というスキームを続けないといけない、ということになります。
一体何のために買収したんですかね(苦笑)。
ただこれによって金融庁が職務権限を利用して正式に同社を検査できることになりましたので、同社にとっては例え意味のない買収でも、投資家にとっては一歩前進と言えます。
上記コラムでご案内したように同社の運用は、意味も目的も不明な「大手町国際法律事務所の弁護士」のアプローチとも相まって、「疑惑だらけ」という印象ですので、ぜひ金融庁はしっかりチェックしていただければと思います。
ちなみに最近の金融庁のこうした許認可は極めて厳しく、ネット記事も隅々までチェックされるというのを関係者の方に聞きました。とするとこうしたコラムも職員の方の目に留まる可能性があり、しっかり情報発信していきたいと思います。
さて。
上記の通りそうした会社買収の動きとは裏腹に、サイトは次々と実質的に閉鎖されているわけで、同社を推奨していたステルスマーケティングサイト=ステマサイトの方々もさぞ動揺しているのではないかと思います。
ということで「エクシアジャパン」で検索すると上位に出てくるこちらのステマサイトの内容をチェックしてみたいと思います。
>>>エクシアジャパンの投資は詐欺…?EXIAの評判やリアルな口コミを公開!
ちなみになぜステマサイトと分かるかと言うと、上記の通りgoogleでは見つけられない裏サイトへリンクを貼っていたからです。第3者サイトであればそのようなサイトにリンクを貼ることはありません。見つけられませんので。
またこのような表現はステマサイト共通のものですし
管理人が主張するこの配当実績も同社の決算書と整合性が取れません。
2016年は9月から12月までの4ヶ月で平均残高を1,250万円とすると190万円≒15%のリターンを得たという主張ですが、同社が発表していた運用実績はこうなっています。
・2016年9月:6.27%
・2016年10月:10.75%
・2016年11月:4.69%
・2016年12月:10.73%
合計すると確かに32.44%であり、投資家に分配されるのはその半分ですから約15%のリターンというのは整合性が取れています。
しかし前回のコラムでもご案内したように、2016年の決算を見ると、投資残高平均3億81百万円に対して最大でも82百万円の分配しかしておらず、その分配率は最大でも22%ということで、同社の主張する2016年の運用実績=194.79%と大きく乖離しています。本来であればその半分の97%が投資家に分配されないといけないわけですからね。
要するに全体としては全く整合が取れていない数字に基づき「本当に受け取った」と主張しているわけですから「疑わしい」ということです。
そもそも2016年12月の運用実績の分配を受け取るのは2017年1月以降でしょうから、本来はこの3ヶ月分の実績なはずです。
・2016年9月:6.27%
・2016年10月:10.75%
・2016年11月:4.69%
つまり2016年においては合計約20%の半分の約10%しか受け取れないはずなのに「約15%受け取れた」と主張しているわけですから、やっぱり疑わしいですよね。
その点ではもう結論は出ていますが、一応このサイトが「エクシアジャパンが詐欺ではない」と主張するその根拠をチェックしてみたいと思います。
1.2009年の実績が驚異的ですね。おそらく自己資金でレバレッジをかけて勝負を仕掛けたんでしょうね。
→何の証拠もありません。
2.現在は出資額の20%を運用にあて、残り80%はJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスなどで固い運用をしているみたいです!リターンが大きいことも有り難いですが、守りも充実した方針となって個人的には安心しています。
→何の根拠もありません。
3.過去実績はいまのところ問題ありません。
→何の客観的な根拠もありません。
4.エクシアジャパンの場合は、定期的に出資者向けに東京や大阪でレセプションパーティを開いています。なのでそこに行けば、ほかに出資している人がどんな人たちなのかなんとなくわかります。
→同社を信頼する理由にはなりません。
5.実際に電話をかけるときちんと社員の方が出てくれましたので、このあたりは安心と言えます。
→同社を信頼する理由にはなりません。
6.投資詐欺の多くは半年とか1年といった短い期間で飛ぶので、4年続いているのは個人的には安心材料だと思っています。
→何の根拠もありません。大型投資詐欺はいずれも10年を超えています。
結論.以上の6つのチェック項目から考えて、エクシアジャパンが詐欺である可能性は低いでしょう。
→何で!?
結局のところ「エクシア社の発表しているものが本当に正しいのかどうか」という視点からのチェックが欠落しているのでこういう説得力のない話になるのでしょう。
ステマサイであれば当然ですが!
では話がだいぶ脇にそれた感がありますが、こうしたステマサイトでは現在のサイト上の「閉鎖」状態についてどう説明しているかと言うとこうなっています。
あらら、もはやステルスではなく公然と勧誘を始めているわけですね。たぶん、これは「社員権の自己募集」という枠組みからも外れ、完全に「違法行為」の可能性があります。リンクを貼るだけではなくてラインを教えることによってご本人が主体的に勧誘するわけですからね。
金融庁にはこうした疑惑もしっかりチェックいただければと思います!
なお上記の通りサイトが閉鎖状態ですので、今回も同社の連絡先と顧問弁護士の方々の連絡先を抜粋しておきます。不安に思われた方は連絡してみてください。
・エクシア合同会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館20階
TEL | 03-5288-7005
FAX | 03-5288-7006
・弁護士法人わかさ
代表弁護士 若狭勝(第一東京弁護士会所属 登録番号 39621号)
〒120-0012 東京都足立区青井3-7-19 若狭法律事務所本部オフィス
TEL | 03-6326-8825
・川戸淳一郎法律事務所
弁護士 川戸淳一郎(東京弁護士会 登録番号 第20693号)
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-5-2 ビュレックス麹町507
TEL | 03-3237-8771
・大手町国際法律事務所
弁護士・ニューヨーク州弁護士 近藤哲也(東京弁護士会 登録番号 第30124号)
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル27階
TEL | 03-3242-3480
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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