当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはトータスパートナーズですね。同社ホームページを見るとまず飛び込んでくるのが上記の通り
「2020年、日本は大廃業時代を迎える」
というキャッチコピーですが・・・正直、そんな話は聞いたことがありません。その点ではのっけから信頼性に疑問を感じなくもありませんが読み進めるとこのような表現があります。
世の中に「黒字のまま廃業を迎えようとしている優良企業」がどれくらいあるのか分かりませんし、その本質的な価値のほとんどは現在の経営者に由来するものであり、誰かが引き継いだからと言ってそう簡単に黒字を維持できるものではないとは思いますが、ファンドの投資先についてはよく分かりました。
また、残念ながらこのファンドの運用実績は開示されていませんが、上記の通り「10年近くに渡り、10%以上の利回りを出してきたファンドマネージャー」ということですので、「10%以上の利回りが出る」ことが強く期待される文章となっています。
ではこのトータスパートナーズは魅力的なのでしょうか?
・・・もちろんそんなことはありません。会社概要を見るとこのようになっています。
一般的な会社であれば記載されているはずの、代表者の氏名も、電話番号もありません。所在地もレンタルオフィスですね。
つまりはどこの誰だか全く分からないわけです。そもそも実在しているかどうかも怪しいです。
そんな会社に大事な資産を預けようという方が一体どれくらいいるのでしょうか・・・。
というわけで既に結論は出ていますが、加えて「投資してはいけない理由」として一目瞭然なのはこの会社が「合同会社」である点です。合同会社に投資してはいけません。これは当サイトが言っていることではなく、国民生活センターが注意喚起していることなのです。
以下抜粋です。
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合同会社の社員権の自己募集では、第二種金融商品取引業の登録の必要がなく、消費者保護ルールも十分ではない。
さらに、会社法では合同会社への出資の払戻しには制限があるため、トラブルになった際、消費者にリスクが生じると思われる。
実質的には集団投資スキーム持分の自己募集であるにも関わらず、合同会社の社員権の自己募集というかたちで規制を逃れようとする事業者には注意が必要である。
>>>怪しいファンド、投資案件の見分け方
−−−
どんな理由であれ結果的に「規制逃れ」をしている会社に投資してはいけないということです。まともな会社であればそのうち登録するでしょうから、それまで待てばよいですね。
また同社の信用を著しく損ねているのがステルスマーケティングを利用している点ですね。たとえばこうした形で取り上げられています。
・shisan-unyou.jp
・alternative-asset-management.jp
・investment-trust.jp
・investin-emergingmarket.com
常識的に考えれば、運用実績すら開示されていないのに、数多あるファンドの中でいきなり同社が1位や2位になるはずがありません。
加えてこれらのページがステルスマーケティングの「証拠」としては、以下のような「Googleの検索結果に出てこないページ」にリンクを張っている点が挙げられます。
https://tortoisepartners.jp/039758/
https://tortoisepartners.jp/594874/
https://tortoisepartners.jp/641061/
https://tortoisepartners.jp/743998/
第3者サイトであればこうしたページにリンクを張るはずがありません。見つけられませんからね。
ちなみに上記ステマサイトは記者からすれば見慣れたサイトばかりで、これまでこうした会社を上位に推してきました。
・ファインドエッジ
>>>年36%のファインドエッジはやっぱり終了 黒幕は誰?
・キャロライナパートナーズ
>>>金融庁が警告!キャロライナパートナーズはやはり違法
・レッドキャピタル
>>>+53%!レッドキャピタルはどこに行った?
しかしながら、「ファインドエッジ」と「キャロライナパートナーズ」は金融庁によって違法だと指摘され実質的に破綻し、「レッドキャピタル」もいつの間にやらいなくなってしまいました。
つまりは
1. ステルスマーケティングによって問題がある会社を1位と賞賛して投資資金を集め
2.そうした会社が金融庁からの指摘などによって活動が困難になれば、新たな会社を興して投資資金を集める
という反社会的な投資勧誘が繰り返されてきたことになります。くれぐれもこうした問題のある広告手法に騙されないようにしていただければと思います。
なおここまで読んで、読者の中の一部には、指摘事項がBMキャピタルに似ていると思われるかもしれません。
>>>BMキャピタルへの投資はやめておくべきですか?
>>>利回り10%以上!BMキャピタルは魅力的?
それもそのはずで、一部のステマサイトではこのトータスパートナーズのファンドマネージャーがBMキャピタルのファンドマネージャーと同じであると説明されています。
であれば集金方法も同じようになるのは当然ですね。
しかしそうだとすれば、なぜ名前を隠して別の合同会社を立ち上げたのかその理由が気になるところです。わざわざ別会社にする合理的な理由など1つもありません。
あえて言えば、「アカ凍結用のサブアカ」といった感じでしょうか。要するに仮にBMキャピタルの経営が行き詰った時にすぐに集金活動が続けられるよう別会社を立ち上げておいた、という可能性があるわけですね。
真偽は分かりませんが、ファンドマネージャーが坂本氏であってもなくても投資をしてはいけないということです。
そもそもドバイ在住の氏が、投資先である日本の中小企業と直接交渉が出来るはずもありませんしね。
では最後に、あくまで一般論ですが、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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