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貯金・定期預金コラム:
利回り6%!不動産クラウドファンディングcrealは魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。

creal




編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのは株式会社ブリッジ・シー・キャピタルの不動産投資クラウドファンディング「creal」ですね。直近で募集しているものは15ヶ月×年6.0%となかなかの利回りですが、この投資は魅力的なのでしょうか?

ちなみに最初にご案内しておきますと、これまで投資型クラウドファンディング=ソーシャルレンディングについては「みんなのクレジット」「ラッキーバンク」「maneo」などの大手が次々と破綻しておりまして、しかももてはやしたメディアや監督官庁である金融庁も含め、誰も責任を取っていない状況に大変不快感を感じております。

>>>実質的に破綻したmaneoの新体制がヤバイ!

>>>ラッキーバンクの登録取り消し!闇の解明はいつ誰が?

>>>再び行政処分!みんなのクレジットに懲りない人達

その点ではこの「creal」に対しても厳しい見方になってしまう点はご容赦ください。

さてこの「creal」への投資の是非について、最も簡単なチェックポイントは運営会社の財務状況です。具体的には

・きちんと黒字となっているのか?

・万が一の場合の体力があるのか?

の2つを調べてみるということですね。赤字なら存続が危ぶまれますし、体力がないともしもの時に耐えられません。

というわけで運営会社である株式会社ブリッジ・シー・キャピタルのホームページをチェックしてみると「資本金が1億円」であること以外、何も書かれていません。



「大赤字」かもしれませんし「債務超過」かもしれません。とすると現時点では

・投資してはいけない。

ということでいいと思います。投資するのは同社が財務状況を開示してからでも遅くはありません。

そんなわけで既に結論が出てしまいましたが、それだと話が終わってしまいますので、最新募集案件の中身を見てみたいと思います。保育園のようですが、金額や利回りはこうなっています。



上記の通り15ヶ月で6%と条件は良いですが、1年3ヶ月後に誰かに売却しないと元本は回収できませんね。

物件のスペックはこのようになっています。



「東京都品川区旗の台3-3-20」に所在するこの物件の価値が4億6,900万円あるのかどうかという点ですが、「旗の台」の地価がおよそ1平方メートルあたり90万円くらいのようですので、

・土地代:90万円×293.7平方メートル=2億6,000万円

ということですね。次に鉄骨3階建ての建物の価値ですが、積算評価シミュレーションを使うと

・建物代:1億2,000万円

と出ました。両方合わせると土地+建物で

・土地+建物:3億8,000万円

ということになります。4億6,900万円という募集金額に対する差は極端ではありませんが、「割高」な可能性は十分あります。

さらに言えば、4億6,900万円の中に同社の劣後出資部分が含まれているかどうかも気になるところです。劣後出資とは、仮に物件が値下がりしても投資家がすぐに損をしないよう同社自身が物件の何割かの部分について直接資金を出すということです。



残念ながら物件ページには同社がいくら出資するのか書かれていませんが、仮に上記図のように20%出資するのだとすれば、この物件の売値は

・投資家への販売価格:4億6,900万円÷80%=5億9,000万円

ということになります。ここまで来ると想定値3億8,000万円からの乖離は「極端」になってきますね。ということで「高値掴み」の可能性がある以上、

・投資してはいけない。

ということでいいのではないかと思います。

そもそもコロナウイルス問題によって今後大幅な景気後退や、相応の企業倒産・リストラは確実であり、その結果として

・地価の下落→元本損失

・テナント(保育園)の撤退→賃料減少

の可能性は十分考えられます。同社の以下のような説明はあまりに能天気で無責任ですね。



最後にもう1つ、この「creal」のリスクについて考えると、投資対象にホテルが散見されることですね。







これらのホテルの運営が大変厳しくなっているのは間違いありません。外出自粛が求められているわけですからね!

単に賃料が滞るだけならいいですが、それぞれ運用期間が終わると売却しないといけません。仮にテナント=ホテルが入居していない状況だと売却価格は大きく下がるものと思います。当然ですね。

そしてそうした売却価格の下落は投資家のみならず同社の資本を直撃するということです。というのも上記の通り、同社はこれらの物件に1〜2割の劣後出資をしているからですね。

もし仮に物件価格が2割下落するとすれば、3物件合計の16億円の2割=3億2,000万円が同社の損失になるわけですね。

さらに言えば上記の通り、この募集金額に同社劣後出資分が反映されていないとすると、その1.25倍の4億円にまで損失が膨らむことになります。

ここで思い出していただきたいのは同社の資本金は1億円しかないということです。4億円もの損失が出れば「債務超過」となり、経営が困難となる可能性が高いですね。

こうした「ホテルリスク」を内包している点でも、やはりこの「creal」には

・投資してはいけない。

ということでいいと思います。

冒頭ご案内したように、融資型クラウドファンディング大手が次々と破綻してきた事実も踏まえ、慎重にご判断ください。

では最後に、あくまで一般論ですが、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方


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