当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはエクシア合同会社ですね。同社についてはすでにこちらのコラムで取り上げていますので、「そもそもエクシアジャパンって何だっけ?」と思われた方は先にご覧ください。
>>>50代男性「エクシアジャパンは投資詐欺ですか?」
また、その後も何度か検証記事を書いておりますので、興味がある方はこちらのコラムもご覧ください。
>>>エクシアから出金できないというツイートの報告がありました
>>>EXIA JAPANは詐欺業者、との投稿がありました
>>>46ヶ月連続プラスリターン!エクシア合同への投資は危険?
>>>エクシアはサイト閉鎖中!ステマサイトをチェックしてみる
>>>エクシアジャパンについて金融庁に調べてほしいこと
>>>エクシアジャパンはポンジスキームですか?
さてそのエクシア合同会社についてですが、先日読者の方から以下のようなタレコミをいただきました。
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エクシアジャパンの大手町の事務所に行ってみました。
資金運用についてはGSやJPモルガンに運用委託をしている。とは言っていましたが、一体どのようなポリシーでどんな分野に運用をしているのかや上記投資銀行での運用成績等は資料・説明無く、エクシアジャパンに投資すると儲かるとう言う話、運用実績という表、配当金を通知するメール等を見せられました。
シンガポールの会社については口頭のみで投資銀行の話と同様実績等の資料は無し。とにかくお金が集まっていて儲かっているという話のみ。
最後に毎月の配当総額に上限があるので配当を申し入れても配当できない事がある。その時は翌月配当の支払いを申し込んでください。と言う説明をしてました。お金を払い戻ししない予防線を張っている感じでした。
こんな組織にお金を出すのは決してお勧めできません。
こんな組織をお勧めしているブログもありますが、皆さんお友達なのでしょう。クワバラクワバラ。
情報のみ。
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ゴールドマンサックスのことをGSと略すあたりは金融関係者なのではないかと思いますが、短い投稿ながら本質を突いていますね。
要するにエクシア合同会社の最大の闇は「実際に運用している会社=エクシアプライベートリミテッドの中身が全くのブラックボックスだ」ということです。
ここで投資家の資金が本当に運用されているのか、それともただ単にお金がプールされているだけでポンジスキームとして投資家の資金が溶かされているのか誰にも分かりません。
もちろん実際に運用されていることを証明するのは簡単ですね。運用先の金融機関の残高証明を開示すればいいだけです。
しかし上記タレコミにもある通り、このエクシアプライベートリミテッドの中身について教えてもらった投資家はいないはずです。いれば教えてください。
ちなみに以前の記事でご紹介したように、別の方のタレコミによれば同社社員から以下のような説明を受けたということです。
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シンガポールは親会社であり別会社扱いだからエクシアジャパンの社員の人間はその情報を開示できない。
親会社のシンガポールはペーパーカンパニーであり従業員もホームページも存在せず菊地CEO本人がFXプロという証券会社で10個の証券口座に1000くらいのシステムの中からシステムを採用して日本以外で運用する為につくられた会社である。
日本で運用をすると金融商品取引業の免許取得が必須になるが日本で預かって、海外で運用する会社へ貸付るだけなら免許取得不要。
公表すると現在70億の資金があることで金融庁に目をつけられる。
>>>エクシアジャパンはポンジスキームですか?
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ぜひ金融庁には目をつけていただきたいものですが(本当に仕事をしているのか?)、いずれにしてもこのタレコミが事実であるとすると、親会社であればむしろ情報を開示できるわけで、
・情報を開示できない
か
・情報を開示したくない
ということで、どちらにしても性悪説に立てば「運用はしていない=ポンジスキームの可能性がある」と考えておいた方が良さそうです。
ちゃんと運用していれば情報開示できない理由など1つもありませんからね。
ついでに別の方の口コミというか質問についても回答しておきたいと思います。こういう内容でした。
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エクシア合同会社が貸金業の免許を取得したとのことですが、免許取得によって同社への信用度は増すのでしょうか?
(ちなみに同社CEOインスタアカウントからの情報です)
全くの検討外れの質問かもしれませんがご意見を頂けると幸いです
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多少、信用度は増すかもしれませんが「本質的には関係ありません」。なぜなら繰り返しになりますが疑惑の根源は「実際に運用している会社=エクシアプライベートリミテッド」だからです。ここがブラックボックスである限り、ポンジスキーム疑惑が晴れることは永遠にありません。
そもそも、本当に年利62%といった水準で運用できるのであれば、あるいは年利62%といった水準で運用しないといけないのであれば、なぜ貸金業の免許を取得する必要があるのでしょうか?
利息制限法によって金利は最大でも年20%しか取れませんし、元本が100万円以上の場合は最大で年15%なので確実に運用成績が下がってしまうことになります。
言い換えれば同社の実際の運用は年15%を下回っていることを示唆していると考えてもいいのかもしれません。
いずれにしてもいつもご案内しているように、同社は「合同会社」で、この会社への出資は「合同会社の社員権への出資」というスタイルを取るわけですが、これについては国民生活センターや東京都などが積極的に注意喚起を行っています。
>>>相談事例
>>>「合同会社への出資」って何?怪しげなもうけ話に注意!
上記国民生活センターの指摘通り
・合同会社の社員権の自己募集では、第二種金融商品取引業の登録の必要がなく、消費者保護ルールも十分ではない。
・会社法では合同会社への出資の払戻しには制限があるため、トラブルになった際、消費者にリスクが生じる。
ということですからね。
合同会社の社員権への出資は投資家を守ってくれる金融商品取引法の「対象外」なのです。
投資をご検討の方は国民生活センターと東京都の以下の言葉をしっかり噛みしめていただければと思います。
・実質的には集団投資スキーム持分の自己募集であるにも関わらず、合同会社の社員権の自己募集というかたちで規制を逃れようとする事業者には注意が必要である。
・「合同会社」の仕組みを悪用する事業者がいるので注意しましょう。
そうしたわけで、仮にこの「エクシアジャパン」に投資するとしても、同社がきちんと許認可や登録、届け出を行った上で、しっかり金融当局のチェックを受けてからでもいいのではないでしょうか。急いで投資する必要など全くありません。
なお、上記スキーム図にあるように同社は第二種金融商品取引業の登録を済ませているエクシア・アセット・マネジメント株式会社を買収していますが、これまた同社の信用力に全く関係ありません。この登録はあくまで「投資助言・代理業」であって、同社の運用とは無関係だからです。
今回の記事も金融庁に通報することにしておきます。金融庁は仕事をサボっていないでぜひ早く動いてほしいものですね。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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