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貯金・定期預金コラム：
利回り８％！「みんなの年金」は魅力的？

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。

2021/5/27　＜株式会社ネクサスエージェント＞

みんなの年金

※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのは株式会社ネクサスエージェントが運用する「みんなの年金」ですね。読者の方から以下のようなメールをいただきました。

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最近、みんなの年金というみんなで大家さんに似た名前の小口不動産の投資が有りますがこれはみんなで大家さんと関係があるのでしょうか？またこれも詐欺の疑いは有りますか？

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「みんなの～」と名のつくものは割と簡単に消え去っていくイメージがありますので、この「みんなの年金」も響きは決してよくありませんが、予断を持たずにチェックしていきたいと思います。

最新商品である「みんなの年金／３号ファンド」は以下のようなスペックになっています。

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・募集金額：3,500,000（7口・優先出資枠）

・出資総額：4,000,000円（※うち500,000円は同社が劣後出資）

・予定利回り（年率・税引前）：8.0％

・募集単位：50万円/1口

・予定運用期間：12ヶ月（2021/6/1～2022/5/31）

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まず８％という利回りの時点で「かなり怪しい」と言って良いと思います。低金利・運用難の時代に８％のリターンを得られる投資などなかなかありません。不動産投資において「表面利回り」で８％を超えるものはありますが、ランニングコストなどを考慮すると少なくとも４～５％に下がるものと思います。

言い換えれば８％も投資家に還元すると運営会社としては赤字になるものと思われ、何が目的なのか、運営としてどうやって利益をあげるつもりなのか、慎重に見極める必要があるということですね。

加えて今の状況なら、銀行からお金を借りれば高くても２～３％程度で調達できるでしょうから、やはりわざわざ個人から８％もの金利を払って資金を調達する意味がありません。

ボランティアでやっているわけではないでしょうから、運営側のメリットが見えないと怪しいです。

という訳ですでに結論が出ているようなものですが、この３号ファンドの中身を見てみるとこちらのマンションに投資するようですね。

このマンションの一室を約４００万円（募集金額３５０万円）で購入するということですが、ではこのマンションの実勢価格はと言うとこうなっています。

間取りによって金額に違いがあるかもしれませんが、仮にこの査定価格が正しいとすると、２９０万円～３００万円ということであり、

・３５０万円集めて８％の配当＝２８万円払ってもお釣りがくる。

ということになります。

まぁさすがにそんな少額の利益のためにわざわざ手間暇かけてファンドを作るのかという気もしますので意地悪な見方かもしれませんが、ただ上記の通り運営側のメリットが見えない以上、

・割安な物件を割高で投資家に販売して、その売却益の一部を高配当の形で還元するビジネスモデル

である可能性があるわけですね。

ちなみにこれはまさに「みんなで大家さん」のビジネスモデルなわけですが・・・。

＞＞＞６０代女性「みんなで大家さんに投資していますが詐欺なのですか？」

いずれにしても８％という高配当を説明できる合理的な理由がない限り、投資はやめておいた方が良さそうです。

最後にもう１つ、投資をやめておいた方がよい理由を付け加えると、ホームページを見る限り、運営会社である株式会社ネクサスエージェントの財務内容は一切分かりません。

運営会社に体力があれば、ＳＢＩが実質的に破綻したＳＢＩソーシャルレンディングの返済を肩代わりしたように、万が一の時にも救済が期待できますが、この会社の場合は体力があるのかどうか、そもそも赤字か黒字かも分かりません。

もし仮に会社が倒産すれば、投資スキームが健全であったとしても回収はかなり困難になります。

慎重にご判断ください。

では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

１．リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年５％のリターンなら毎年４％といった損失が、毎年１０％のリターンなら毎年９％といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

２．もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が１％～２％といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

３．「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

＞＞＞＜備忘録＞怪しいファンド、投資案件の見分け方