当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは株式会社Cash
Flow Financeです。このCash
Flow Finance社についてはすでに以下の通り3回取り上げております。
>>>利回り10%!キャッシュフローファイナンスは魅力的?
>>>利回り9%!のコインランドリー投資は魅力的?
>>>業界初!?7%〜のコインランドリーファンドは魅力的?
一番最後に取り上げた3年前の指摘内容をざっと振り返ってみたいと思います。
まず最初に気になったのは、上記の通り同社トップページで表示されていたこのグラフですね。
今の日本の金利から考えて、ノーリスクで8%の利回りを20年も維持するのは不可能です。断言できます。
また、万が一「ノーリスクで8%の運用」ができるのであれば、わざわざ手間暇かけて投資家の資金を集める必要などなく、同社が自己資金をかき集めて投資するはずですね。
不可能かつ経済合理性に合わないことを喧伝して投資を促しているわけですから、故意であれば「詐欺」ですし、故意でなければ投資や資産運用に関して「無知」ということになります。
いずれにしても投資に値しません。実際、こうした投資イメージを広告に利用してきた会社をいくつも見てきましたが、すべて破綻しています・・・。
実際の投資の中身を見てみます。抜粋するとこういうことでした。
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<体験型エンターテインメント施設への投資>
・運用利回り : 10.00%
・投資概要 :
本物件は、商業施設「イトーヨーカドー八千代店(千葉県八千代市)」ならびに「千歳アウトレットモール・レラ(北海道千歳市)」内でアナザウェイ株式会社が直営する体験型エンターテインメント施設「Zoo
Adventure」です。
なかでも千葉県八千代市の施設は約15年間運営を継続している店舗であり、このアナザウェイ株式会社の高い運営能力から本事業の想定利回りは約20%、-20%の収支下方リスクに対応できる投資と考えております。
・契約内容 :
対象物件をFP社が3,500万円でアナザウェイ株式会社から購入し、同社と10年のリースバック契約を2018年7月に締結します。事業の撤退等で契約を自己都合により解約する場合は、6ヶ月前に解約予告を行なう契約となっております。
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エンターテイメント施設「Zoo Adventure」 の「店舗内の什器・備品の買取資金」ということですが、まず気になるのは直接的な担保は施設を運営するアナザウェイ社のものではなく、このキャッシュフローファイナンス社の100%子会社であるFP社の株式ということですね。
投資家からすればリスクは全く分散されておりませんので実質的には「無担保」ということになります。
しかしそれより気になったのは、そもそもなぜアナザウェイ社が10%もの金利負担を受け入れることになったのか全く分からない点でした。
上記の通り15年もの運営実績があり、想定を2割下回っても10%もの金利を負担できるのであれば、アナザウェイ社自身が金融機関から借り入れを行った方がはるかにお得ですね。
担保もあるとすれば1〜2%といった金利で資金調達できたのではないでしょうか?リース会社を利用しても3〜4%ではないですかね?なぜ10%の高利マネーを選んだのかさっぱり分かりません。
さらにこのアナザウェイ社のサイトを見ても同社の財務情報や損益情報は一切分かりません。投資先のリスクが分からないわけですから、投資家からすればこの10%が正当な利回りかどうかというのも判断できません。判断できないということは「投資してはいけない」ということですね。
ただ一方で、このキャッシュフローファイナンス社の財務情報が公開されたのですね。損益計算書はこうなっていました。
3,200万円の赤字だったわけですね。当然、このキャッシュフローファイナンス社が倒産すれば出資金は「元本割れ」となるでしょうから、慎重な判断が必要なのは言うまでもありません。
どうしてもこのファンドに投資したいという場合も
・投資先であるアナザウェイ社の財務情報が開示される
・まともな担保で保全される
・キャッシュフローファイナンス社が黒字になる
のを待ってからでいいのではないでしょうか、と結んだわけですが、執筆から3年経ってキャッシュフローファイナンス社がどうなったかと言うとこうなりました。
ものの見事に破産しました・・・。
maneo関連の会社ですので経営を続けるのは難しかったのは理解できますが、とは言え、上記の通り「この投資は安全ですよ」と謳っていたわけで、一体債権はどのように保全されていたのか、されていなかったのか、詐欺だったのか、詐欺ではなかったのか、明確にしてほしいものです。
そして投資家としてはこういう「破綻の実例」を忘れないということですね!
今でも「年利7%」どころか「月利2〜3%」を謳う会社が日々資金集めに成功しているようで、こうした怪しい金融商品の教訓が全く生かされていないのが残念なところです。
この世に旨い話もなければ、「ローリスクハイリターン」の商品もありません。ハイリターン=ハイリスクであり、そのリスクはもしかすると詐欺やポンジスキームかもしれないのです。
くれぐれも慎重にご判断いただければと思います。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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