この前、正月だと思ったものがもう1月の中旬ですね。早いものです。
2020年に表面化したコロナ禍によって激動の2年が過ぎましたが、今年=2022年はどういった1年となるのでしょうか?そして金利は上がるのでしょうか?
というわけで恒例の「今年の定期預金金利見通し」についてご案内したいと思います。
まずこれまでの市場金利の動向を振り返ってみると、上記1年もの・5年もの市場金利の推移を見れば分かるように、2018年まで金利が安定的に推移した一方、2019年以降は上がったり下がったりを繰り返しつつも、全体的には低金利に留まったことが分かります。
最も代表的な金利指標である長期金利=10年国債金利の動きをチェックしてみると、1年もの・5年もの金利よりは回復傾向が鮮明であるものの、概ね同じような金利の動きとなっていますね。
ではなぜこのように金利がなかなかしっかり上昇しないかと言えば、日銀が新たな金融緩和の枠組みであるイールドカーブコントロールによって金利の「上限」を設定していることですね。
現状のイールドカーブコントロールにおける長期金利の変動幅は「−0.25%〜+0.25%」となっていますが、このイールドカーブコントロールが続いている限り、市場金利全体も、定期預金金利も「低いまま」ということです。
となると気になるのが、「イールドカーブコントロールがいつ解除されるのか」という点ですが、その答えは「インフレ率が2%を安定的に超えた時」ですね。日銀は「2%のインフレ目標」を達成するために異次元緩和を行ってきたのですから当然です。
ではこれまでのインフレ率の推移をチェックしてみるとこうなっています。
消費税増税の影響で一時的に2%を上回ることはあっても、全体的には0%近辺をウロウロしてきたことが分かります。
海外ではコロナによる供給制約もあって歴史的なインフレとなっていますが、今のところ日本の物価は落ち着いて推移しています。
つまり、まだ目標達成には遠く、イールドカーブコントロールが解除されるのも先であるということですね・・・。
とすると基本的には2022年の金利環境は2021年と変わらないということですから、「長期金利も市場金利全体も定期預金金利も低いまま」と予測することができます。
ただ一方で「激動の2年」の原因であるコロナ禍も、2022年にはそろそろ収束していくとすると、金利は緩やかに上昇していきそうです。
加えて、上記の通り海外ではインフレ抑制のため、「金融引き締め→利上げ」の動きが鮮明になっています。海外での政策金利が上昇すれば、もちろん日本の金利も相応に上昇することになります。
さらにいつもご案内しているように日銀としても、「金利正常化=金利引き上げをしたい」というのがあると思います。
長引く低金利によって金融機関の業績は悪化しており、「本業では赤字」とされる銀行が増えてきました。こうした異次元緩和の「副作用」を日銀も無視できなくなっており、多少なりとも金利を引き上げておきたい、ということですね。
実際、日銀が2021年3月に長期金利の変動幅を従来の「−0.2%〜+0.2%」から「−0.25%〜+0.25%」に拡大したのも、本音としては「金利を少し引き上げておきたい」ということだったのだと思います。
残念ながら長期金利は上昇しませんでしたが・・・。
そうしたわけで2022年の定期預金金利の予測は引き続き「長期金利も市場金利全体も定期預金金利も低いまま」
としますが、ただ年後半には多少、金利上昇の「兆し」が出てくることを祈りたいと思います。
参考になさってください。
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